40歳で夭折した世界初の推理作家エドカー・アラン・ポーの死の謎を、大胆な解釈で描くミステリー・ドラマ『推理作家ポー 最期の5日間』。「@nifty映画」の取材に応じたジェームズ・マクティーグ監督が、ポーを演じたジョン・キューザックの出演作『グリフターズ/詐欺師たち』(90)級に名優のダークサイドを引き出した今回の仕事を満足気に回想した。
ミステリアスなポーの最期の日々に焦点を当て、死に瀕したポーが彼の小説を模倣する猟奇殺人鬼と壮絶な頭脳戦、心理戦を繰り広げていた、という奇抜なアイデアで描くサスペンス・ミステリー。
近年、巨匠フランシス・フォード・コッポラの『Virginia/ヴァージニア』(11)などポー人気再燃の風潮があるようだが、マクティーグ監督とポーの出会いは古かった。「ロジャー・コーマンがポーの原作を元に一連の怪奇映画を無数に撮ったけれど、それがすごく大好きでポーに興味を持った。僕はポーの作品集を買い込み、勉強した。改めて作品集から入ってみて、彼自身のキャラクターにとても惹かれたよ」と夢中になったとか。怪奇趣味を含め、その研究の成果を存分に発揮したことは作品を観れば明らかだ。
ポーを演じる主人公は、名優ジョン・キューザック。『“アイデンティティー”』(03)や『1408号室』(07)などミステリアスな作品がとりわけ似合う個性派で、彼の獲得も無視できない成功要因だった。「僕も彼にとって最適な映画だと思った(笑)」と、この指摘に同意するマクティーグ監督。「実は以前、彼が出た『グリフターズ/詐欺師たち』(90)という映画を観た時に、その映画で演じていたキャラクターを通じて、彼本来のダークサイドがよく垣間見えたと思った。まさしく今回のポーも同じだよ(笑)」とジョンが持っている(という)ダークサイドを利用する狙いがあったことを告白!このマクティーグ監督の発言が何を意味しているかは映画本編に譲りたいが、ジョンの出演作を観ているファンはお分かりか?
また、ポーを扱う以上ミステリーは疎かにできないが、「ジャンルに固執したくはなかった」と補足するマクティーグ監督。「もともとポーの作品自体がジャンルに収まらない多彩なモノで、僕も娯楽作品に仕上げたかった」とも。「ポーの特定の作品や人生に基づいたストーリーじゃ面白くないよね(笑)。だから、いろいろな要素をブレンドした作品にしたよ」。
映画『推理作家ポー 最期の5日間』は、2012年10月12日(金)より、全国ロードショー
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