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若松監督の通夜に井浦新ら800人 高岡蒼佑「オヤジよりオヤジらしい人だった」

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 10月12日に車にはねられ、17日に搬送先の病院で逝去した映画監督の若松孝二さんの通夜が10月23日、東京の青山葬儀所で営まれ、遺作となった「千年の愉楽」などに出演した井浦新をはじめ、佐野史郎、奥田瑛二、渋川清彦、山本晋也監督、内田裕也、高岡蒼佑ら多くの映画関係者が参列した。

【フォトギャラリー】井浦新、内田裕也、高岡蒼佑ら若松監督との思い出を語った参列者

 胎内をイメージしたという祭壇には、おなじみのサングラスにキャップ姿で笑顔を浮かべた若松監督の遺影が置かれ、周囲を3000本の黄色いカーネーションやバラが彩った。

 焼香後に報道陣の取材に応じた佐野は、「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」や「千年の愉楽」に出演。同作が出品され、8月に開催された湯布院映画祭(大分)への参加の際、顔を合わせたのが最後となった。このときは「同じ部屋に宿泊して語り合った」という。若松監督に言われて最も印象に残っているのは、「余計な芝居をするな」という言葉。「残された僕らが教わってきたことを少しでも伝えていけたら」と語った。

 長年の飲み仲間だった奥田は、「『なぜ?』という思いしかない」と思いがけぬ突然の別れに悲痛な表情。ここ数年、若松監督が次々と新作を発表していたことに触れ「尋常じゃない多作は生き急いでいたのかな……」とポツリ。長い付き合いにもかかわらず、若松作品に出演することはなかったが「『いつもおまえは他の監督の仕事をしているな』って言われていました(笑)。1作も出演できないまま終わってしまったのは残念です」と無念そうにつぶやいた。

 内田は、約30年前に「餌食」「水のないプール」と立て続けに若松作品で主演を務めた。「突然の死で若松のオヤジらしいっちゃらしいかも」と言いながらも寂しげ。若松監督は常に新たな作品のアイディアを練っており、東京電力などを題材にした5作品を構想中だったという。内田は「素晴らしい仕事ができる時代になってきたので悔しい。東電の話が実現したら面白かったのに。バカヤロー!」と言葉を絞り出した。

 高岡は「千年の愉楽」で主要キャストのひとりに名を連ねており、この抜擢に恩義を感じ、深く若松監督を慕っていた。「『ひとりで戦っているやつがいる』と面白がって使ってくれた。会うといつもほめてくれた。オヤジよりもオヤジらしい人だった」としみじみ。また、「お前は大丈夫だ」と声を掛けられていたそうで「前を向いて恩返ししていきたい」と恩師への感謝と共に新たな決意を口にしていた。

 この日は若松プロダクションのスタッフなどを含め約800人が参列。24日には告別式が行われ、井浦が弔辞を読む予定になっている。

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