アカデミー賞のオンライン投票でトラブル続出

　本年度から導入された米アカデミー賞のオンライン投票が、ノミネート作品の選考に影響を及ぼす可能性があると、ハリウッド・レポーター紙が報じた。

　アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー（AMPAS）は、84年のアカデミー賞の歴史のなかで初めてオンライン投票を導入。集計の効率化とスピードアップが期待されたが、アカデミー会員からは評判が非常に悪い。

　たとえば、ドキュメンタリー映画「スーパーサイズ・ミー」の監督と主演を務めたモーガン・スパーロックは、オンライン投票のサイトに正しいパスワードを入力してもログインできなかったそうで、同様のトラブルを多数の会員が訴えている。「トランスフォーマー」シリーズのプロデューサー、ドン・マーフィーは「面倒が多すぎる」として、従来の投票用紙に切り替えたことを明かしている。

　セキュリティ対策を重視したことが、今回の事態を招いたといえる。また、AMPASはノミネート発表を1月15日から10日に前倒しにしたため、投票をあきらめた会員も少なくないという。オンライン投票の導入により、会員の投票行動に変動が生じ、ノミネートされる作品に違いが出てくる可能性がありそうだ。なお、第85回アカデミー賞ノミネートの発表は1月10日、授賞式は2月24日に行われる。

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写真：Globe Photos/アフロ