Quantcast
Channel: Ameba News [アメーバニュース]
Viewing all articles
Browse latest Browse all 171471

「執着」にとらわれない生き方、鴨長明の「方丈記」を読み解く!!

$
0
0
 一度は読みたいと思いながら、手に取ることができない古今東西の「名著」を25分×4回、つまり100分で読み解く番組『100分de名著』(NHK Eテレ)。MCに伊集院光、島津有理子アナウンサーを迎えてお送りする。 

 10月からは三大随筆の一つ、鴨長明(1155?-1216)の『方丈記』を取り上げている。「ゆく河の流れはたえずしてしかももとの水にあらず…」その中身は知らずとも格調高い書き出しから、「方丈記」は世の中を達観した聖人君子による「清貧の文学」と思われがちだ。しかし読み進めてみると、過酷な災害の数々に遭遇し、没落の人生を歩んだ果てに世に背を向け、一丈四方の庵に引きこもる不運の男・鴨長明が己の存在を賭けて乾坤一擲、書き記した「自分史」であることが見えてくる。

 冒頭、長明は人生も住まいも所詮「うたかた」、永遠ではないと宣言する。続いて自分が体験した数々の災厄を振り返りながら、都での生活の物理的なもろさ、はかなさを説く。そして、世を捨て山中に隠遁することで、身の栄達、便利な生活を捨てた代わりに得た心の安寧を蕩々と述べるのだ。3.11後、「方丈記」が注目されるようになった。それは、経済成長の行き詰まり、地震や竜巻など天災の果てに起こった原発事故など、今の時代がまさに「方丈記」をなぞるかのように動いているからではないだろうか?番組では、京都産業大学教授で古典文学が専門の小林一彦さんとともに、長明の人生をたどり「方丈記」を読み解く。そして、長明が説いた「無常観」とは何かをあらためて考えていく。

 10月17日(水)の放送は「捨ててつかんだ幸せ」と題してお送り。

 自分の不運を歎き人生を「あきらめる」のではなく、不運を悟った上で「執着」を捨て、それでも満足して生きていけることを発見した、長明のちょっと得意げな顔が見える。家を捨て、都会を捨て、栄達を捨て、人間関係を捨てた鴨長明、その先に見えた幸せとはなんだったのか?長明が到達した「無常」の境地をみつめる。

■『100分de名著』鴨長明“方丈記”
2012年10月17日(水)23:00~23:24(NHK Eテレ)


Viewing all articles
Browse latest Browse all 171471

Trending Articles