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ドリームワークス・アニメーションの裏側公開「社食は無料食べ放題&残業はしない」

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 12月3日から4日の2日間に渡って、「マダガスカル」や「カンフー・パンダ」、「シュレック」シリーズなど、ドリームワークスのアニメ・シリーズを生み出してきたハリウッドを代表するアニメーション・スタジオ、Pacific Data Images(以下、PDI)とドリームワークス・アニメーションへの取材に成功した。ヒット作を連発するアニメ会社の裏側のレポートをお届けしよう。

<フォトギャラリー>ドリームワークス・アニメーション&PDI、豪華な社内公開

 1日目は、サンフランシスコの空港から車で南に30分ほど行ったレッドウッド・シティにあるPDIで、12月7日にDVDとブルーレイがリリースされたばかりの「マダガスカル3」のエリック・ダーネル監督と、PDIのスタッフとして働く日本人クリエイターに話を聞いた。

 ダーネル監督は、3作まで作られた「マダガスカル」シリーズについて、「フィルムメーカーとして、これほど人々に愛されている映画を、1本以上、2本以上も作れる機会を持てるなんて、なんてラッキーなんだろうと思う。僕はすごく恵まれている」とコメント。

 日本アニメにも影響を受けているようで、「『風の谷のナウシカ』は、ファンタジーとSFのコンビネーションが好きで、『となりのトトロ』の優しい愛らしさも好きだよ。宮崎(駿)作品は、アメリカのアニメにはない素晴らしいトーンを作り出すことが出来る」と宮崎アニメを絶賛した。日本のファンに向けて、「ビハインド・シーンや特典映像を見て、作品の舞台裏で何が起きているかを覗いてみて。それとアニメーションをストップモーションで見ながら、僕らのアニメーターたちの信じられないトリックを楽しんでね」とメッセージも寄せてくれた。

 また今回は、「マダガスカル3」でCGスーパーバイザーを担当した日本人スタッフ・中谷学氏にインタビューすることができた。本作でチャレンジした点については、「モンテカルロのシークエンスですね。私は一番はじめにこのプロジェクトに携わったので、今の状態にいたるまでにいろいろな試行錯誤がありました」と苦労を明かし、「例えば、『マダガスカル3』にはCGっぽくさせない、オーガニックで手書きのようなやさしい2Dのイラスト風な映画にしようというコンセプトがあって、ビルの建物の線をまっすぐではなく少し曲げたりとか、窓とかも全部違う大きさにしたり、歪みを加えたりとか。細かく手が加えられています」と制作秘話を告白。

 アメリカでの充実した生活を送っていることがうかがえる中谷氏だが、日本人として気になるのは、日本の会社とドリームワークスの違い。「全然違いますね。日本ではとにかく『働く』、こちらでは『残業はしない』、家族がいる人にとってとてもよい環境だと思います。僕は12時~13時30分の昼休みの間にサッカーを日課にしていてリフレッシュしています。ドクターオフィスやメンタルケアのレッスンもあります」とヒットを生み出す会社の裏側を教えてくれた。

 サンフランシスコ湾の直ぐ横に建てられたモダンなビル郡の一角にあるPDIスタジオは、一見普通のオフィスビルのように見えるが、中に入ると製作の過程で使われた数々のアートワークやフィギュアなどが飾られ、建物全体がギャラリーといった雰囲気。スペースに恵まれたスタジオ内はどこも広々した印象で、この中に750人ものスタッフが働いているとはとても思えない。今回のPDI取材では、世界的な規模で作品を作る映画スタジオの素晴らしさをひしひしと実感させられた。

 2日目は、ロサンゼルスの北、映画スタジオが並ぶバーバンクの隣にあるグレンデールにあるドリームワークス・アニメーションを訪ねた。

 スタジオのゲートを通って中に入ると、噴水や並木道など、まるでイタリアのヴィラのような美しくて落ち着いた景色が広がっている。キャンパスの中心には300匹のコイがいる大きな池がありなんとも優雅な雰囲気。ドリームワークスで長年企画のプレゼンなどを担当しているスコット・セイファート氏が、施設内を案内してくれた。

 最初に見せてくれたのは試写室のロビー。「シュレック」や「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ」のオスカー像をはじめ、ドリームワークス作品が受賞した数々のトロフィーや盾、これまでにドリームワークス作品で声優を務めたウィル・スミス、キャメロン・ディアズ、ベン・スティラーといった錚々たるスターたちが台詞を録音する風景を写した写真が壁一面に飾られていた。

 キャンパス内では1,500人ものスタッフが働いているが、PDI同様実に広々とした空間。敷地内には一般診療のドクターのオフィスがあって、社員はなにかあればいつでも医者に診てもらうことが出来る。

 敷地内を駆け足で案内してもらった後、スタジオ内の部屋でアニメがどのように作られるかを紹介するビデオを見せてもらった。すべてはストーリーから始まり、それがストーリーボードやコンセプト・デザイン、キャラクター・デザインなどでいかに映像化され、役者の演技やアニメーターたちによってどのようにキャラクターに命が吹き込まれるか、そして照明やエフェクトを加えて完成された作品となっていくかを、ベン・スティラー、キャメロン・ディアズ、アンジェリーナ・ジョリーといったドリームワークス作品でお馴染みのスターたちが分かりやすく説明してくれる豪華なビデオだ。

 アニメーターたちの仕事場や、「マダガスカル3」のキャスト全員の声が録音された録音スタジオ、46台のカメラが設置された最新のモーション・キャプチャー・スタジオなどを見て回った後、最後に社員食堂となるカフェテリアで、スタッフの人たちと一緒にランチを取り、ドリームワークスの一員となった気分を味わった。カフェテリアは、日替わりの定食からスープにピザ、ハンバーガー、デザート、そしてサラダバーなど、よりどりみどりのメニューの上に、食べ放題ですべて無料というから驚きだ。

 世界中の観客を魅了するドリームワークス・アニメは、まさに世界中から集まった才能豊かなアーティストたちによって支えられていた。言葉や文化の違いに関係なく、才能を素直に評価するアメリカの素晴らしさを理想的な形で実現しているドリームワークス。

 案内してくれたスコット氏は最後に、「ドリームワークスは社員が充実したプライベートを送ることが出来なければ、よい仕事が出来ないと考えています。家族との生活を犠牲にしてまで社員に仕事をさせることは考えていません」と、夢のような環境があって初めて観客の夢を作り出せると信じているドリームワークスのモットーを語ってくれた。

 ドリームワークス・アニメーションの「マダガスカル3 3Dスーパーセット(3枚組)」は絶賛発売中。Blu-ray発売元:パラマウント ジャパン、価格:5,985円(税込)。

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