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ステキな人の周辺は、いつも魅力に溢れている!人生を豊かにするきっかけ満載のドキュメンタリー『オデッサの階段』

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 毎週木曜23時から放送中の『オデッサの階段』(フジテレビ系)は、毎回様々なヒトやモノにスポットを当てて物語を紡いでいく。アート、スタイル、デザインなど…ともすれば実生活と距離のあることをその周辺やバックグランドを掘り下げることで今まで見えなかった輪郭を浮き彫りにし、明日からの人生を豊かにするきっかけになる新しい形のドキュメンタリー番組になっている。そんな斬新なドキュメンタリーを総合演出する冨士川祐輔が番組についての思いを語った。

Q:今年10月11日にスタートした『オデッサの階段』。番組の企画・構想はいつか進められたのでしょうか?
冨士川:今年の7月に、編成部から新しいコンセプトで挑戦的な番組を作ってほしいというお話をいただきました。今のテレビ番組って、何となく似た人が出演していて、何となく似た構成で、色のある番組があまりにも少ないなと感じていたので、いい意味でびっくりするような、新しい番組をという話で進んでいきました。最初は、司会を立てるつもりでしたが、この番組はゲスト(取材対象)が主体、なおかつゲストの周辺を撮ることになりましたので、あえて司会は立てず、必要のないものは全部無くしてしまおうと……とにかく中途半端にならないように気を付けました。この番組ではゲストに迫る手法として、対象そのものではなくその周辺の事柄にスポットを当ていきます。僕らの周りにあるもの、例えば、和菓子とIT、デザインと土木工事とか、一見かけ離れているように見えるモノ同士も実は繋がっているじゃないですか。そういう情報の連鎖からゲストの輪郭が浮かんでくる……そこにはきっと見るヒトに想像してもらわなくてはいけない部分もあって、そういう想像の余地を残すというのも番組の大きなコンセプトでした。

Q:新しい形のドキュメンタリー、アイデアはどこから?
冨士川:まず考えたのは“色々な気づきのきっかけを、作れないか?”という事です。密着ドキュメンタリーって、取材風景にカメラが入ったりすると、ゲストが、何かお行儀いいこと言おうとしちゃったり、絶対普段と違うこと言ったりしてしまうこともあると思うんですね。それだと、物事の一面しか撮れない。ではその逆、あえて人に密着しないドキュメンタリーを撮れないかなと思いまして、今回のスタイルを提案しました。外側から見たその人の画を撮っていったら何が出来るかな?と。本人のこだわりとか好きなものだとか、ゲスト周辺の色々なものを取材して集めた情報を基に、VTRを細切れで作り、それを本人に見ていただく。ご本人からしてみたら全然違うと思っても、客観的にはこういう見方もあるのかな、と見てもらえるというか……もちろん全部否定してもらっても構わないと。そして最終的には、そのVTRとゲストのリアクション両方を視聴者に見てもらって、そこから何かを拾ってもらえたらと思い、このようなスタイルにしました。

Q: VTRの項目が21項目ありますが
冨士川: 実はあの項目、全部テレビでオンエア出来る量だはと思ってなくて。どれも使えて、落とすのも惜しいなと思いつつも、オンエアから落としたものはYou Tubeへアップします。番組をよく見ているとVTRは1から連番になっていますが、途中欠番があります。それが実はYou TubeにUPされていて、テレビとYou Tubeを両方見ると、完成するというわけです。

Q:テレビとYou Tubeの連動ですか!とても興味深いですね。
冨士川:ラストのメインインタビューはノーカットでYou Tubeにアップしているので、30分番組を使って、壮大なる予告ともとれますし(笑)まあどっちが本編でもいいと思っているのですが、役割分担ですね。興味のある人はじっくりとYou Tubeで見てもらおうと思って。逆にその回のゲストやキーワードに全く興味がなくても、短く大量に用意した情報、その中の1個でも面白そうと興味をもってくれると嬉しいですね。雑誌・カタログを見ているようなイメージに近いのかな。雑誌をテレビにしたら、どうなるか?テレビはヘッダー部分、詳しく紹介する部分は、You Tubeみたいなことをイメージしました。テレビとYou Tube両方で一つの作品です。

Q:構成するにあたっての、工夫した点、また苦労した点は?
冨士川:あざといストーリーラインは作らないけど、見た時に、ひとつなぎになるような感じは大切にしたいです。見た時の連鎖感、つながり感が気持ちよくなるような感覚。それは僕らがストーリーを作るのではなく、見ている人が自分で考えていける余地みたいなものです。ただ、全く意味もなく並べただけではそうはならないので構成には毎回本当に苦労しています。

Q:そこから視聴者がひとつの連鎖を感じてくれればと…
そうですね。何のストーリー紹介もしてないのに、見ていった時に、全体としての一つの何かが見えるような見えないような。物事って、見る方向変えたら、見え方が変わる。いつもと同じものなのに見方を変えたときに、新しい気づきがあるかもしれない。その気づきが明日からの人生をちょっと豊かにするキッカケになったりしたら最高じゃないですか。そういうことが表現出来たらいいなと。そしてビジュアル。ビジュアルもキッカケの一つにしたいなと思っています。あの番組、画がキレイだから、とりあえず、音は消しているけどつけていると言われるくらい高いクオリティにはこだわっています。そのとき映った何かが気になって音量あげるとかYou Tubeみるとか。

Q:タイトルの『オデッサの階段』にはどんな意味合いが込められていますか?
冨士川: セルゲイ・エイゼンシュテイン監督が、モンタージュ理論を確立した映画『戦艦ポチョムキン』の「オデッサの階段」のシーンから持って来ています。映画史上もっとも有名な6分間と言われているシーンなのでご存じの方も多いと思います。モンタージュっていうのは、カットの編集によってストーリーを作り出すもので、今でこそ当たり前のもですが、映像史上最もエポックメイキングな発明のひとつです。モンタージュのようなドキュメンタリーにおける新しい文法を作りたいという思いを込めてこのタイトルをつけました。

Q:なるほど、ピンときたきた方も多いでしょうね?
とくに番組では、何故オデッサの階段かって説明は一切しないですが、なぜだろうって想像してもらえればと思っていました。意図まで読み取る人がいたら驚きですが(笑)。

Q:ゲストの人選のポイントはどこに?
冨士川:人選はジャンル、性別ともになるべく偏らないようにしたいなと思っています。選ぶ上でのキーワードは、“リアルに何かを作り出す人”です。クリエィターだとかアーティストはもちろん、作家、シェフ、ゲームクリエィターなど、その世界のトップの方であれば一般的な知名度はあまり問いません、知る人ぞ知るでも構わない。そんなゲストに、僕らが取材をもとに作ったVTRを見てもらって、ゲスト自身が新しい発見をして、そこで生まれる「素」のリアクションも含めて視聴者や僕らもインスパイアされるものが生まれることを期待しています。

 いろいろなつながりの中から生まれる人間像を、新しい手法で表現している画期的な同番組。見ている人を引き込み、思わず続きが気になり、もっと知りたくなってしまう。そんな魅力が満載のドキュメンタリー。見ている時のワクワク感が見終わったあとも続き、そのワクワクが前へ進む力となる。心をそして感性を豊かにしてくれる、そんな不思議な力を感じる番組だ。

 そして、気になる今週(12月13日)のゲストは、コンテンポラリーダンサーの平山素子。トップダンサーとしてだけでなく、フィギュアスケートの村上佳奈子やシンクロナイズドスイミングのナショナルチームなどで振り付けを指導する振付家として、さらには、モデルとしても活動。また、筑波大学准教授という肩書きなどの多彩な顔を持つ平山とはいったいどんな人物なのか?彼女は何のために踊り、どこへ向かおうとしているのか…新たなダンスの可能性に挑戦する平山の素顔に迫る。どうぞお見逃しなく!

■『オデッサの階段』
2012年12月13日(木)23:00~23:30(フジテレビ系)


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