イカロス出版という所から出ている『MC☆あくしず』MOOKシリーズは、ミリタリー関連のものをなんでも萌え化します。
戦車、軍艦、戦闘機。陸海空なんでも女の子絡みにしてしまいます。
一度、空母が妊婦化されているのを見たときは驚愕しました。でもなるほど納得はできる。産むのね。
そのイカロス出版から新しく出たのがこちら。
『にょたいか!! 世界の独裁者列伝』です。
表紙のかわいらしいかぼちゃぱんつの女の子は誰かというと毛沢東です。
確かに日本ではどんなものでも女の子に出来る「萌やし文化」がありますし、特にイカロス出版はその中でもソリッドではありますが、よもや毛沢東がこんなことになるとは。影も形もありません。
本文中に出てくるのは、有名ドコロではヨーロッパならヒトラー、ムッソリーニ、スターリン。アジアなら金日成、フセイン、ポル・ポトなどなど。
20世紀に世界を騒がせた人物勢ぞろいといった感じです。
ヒトラーはいろいろなところでネタにされることも多いので想像しやすいと思いますが、イラストはちょっと凝っていて、絵画を描いている美術部少女に。
なぜ?
ヒトラーは元は画家志望。芸術に対してなみなみならぬこだわりを持っていることにちなんでのパロディ。
お、これはどうも一筋縄では行かなさそうな本だぞ。
中南米やアフリカの独裁者の数は非常に多く、ページもイラストも多く掲載されているのがこれまた興味深い。
本の半分がアジア・ヨーロッパ、もう半分がアフリカ・中南米という構成になっています。
中南米・アフリカで有名なところだと、キューバの革命家カストロ、怒りで国旗を緑に染め上げたカダフィ、ジンバブエ経済に混乱を招いたムガベ、ウガンダの暴れん坊アミン、パナマで麻薬密売をしていたノリエガなどなど。
結構今も健在な人いますね。
これらがみーんなかわいい女の子になっているんだもの。
カストロは野球好きなので、強そうな野球部女子マネージャーに。そういえば日本の野球を2009年WBCで褒めたことありました。
ムガベは紙くずになった100兆ジンバブエドルにを飾って誕生日パーティーをするメガネの少女になってます。
これはどういうことかというと、ジンバブエが飢餓にあえいでいるのに120万ドルを費やした誕生日パーティーを本人が開いた、というエピソードから。
日本からは東条英機がランクイン。
じゃらじゃらとつけた勲章にはもちろん、ゴミ箱あさりをして配給食料が行き渡っているかもチェックしている様子が描かれています。
ふんどし美少女です。(ここが萌え)
ここまできてわかりました。
なるほどこれは風刺漫画なんだと。
最初「萌えりゃいいってもんじゃないよ!」と突っ込み入れたくなったのですが、イラストは独裁者の様々な経歴を丁寧にさらいながら、風刺パロディとしてわかりやすく見せているんです。
ハイチのフランソワ・デュヴァリエという独裁者のイラストは、魔法使い風の女医として描かれています。
どういうこと?
これはデュヴァリエが元々は医療と黒人文化継承に熱心な医者だったこと、ブードゥー教に傾倒したこと、反逆者の首をクローゼットに並べていたことなどから描かれたもの。
うへえ、イラストも奇妙だけど現実の方がよっぽど奇妙だった。
様々なポーズやシチュエーションの女体化された独裁者が描かれていますが、すべて何らかのエピソードに基づいているので、その元ネタを知りたくて文章を読んでしまう、という仕組みになっている本なんです。
一番難しいのは「独裁者だったかどうか」のジャッジ。ここは読んで実際に自分で考えてみた方がいいです。
その通りだ、でも、いや違うだろ、でもいいと思います。
また、独裁者=悪人、ではありません。国民に愛された人物もいれば、世界中から批難を浴びた人物もいます。
イラストを描いている一人野上武志も「絵を描くためにどんな人だったか調べるほど『独裁者』と一言で言っていいのか判らなくなりましたよ…」と述べています。
文章の情報量や写真もとても多く、特にアフリカあたりはかなりマニアックな独裁者もずらりと掲載されています。
「ヤバいネタ」として読みはじめるのもいいですし、「女の子かわいい」から入ってもいいと思います。
独裁者の出世と失脚はどのようにして起きるかをわかりやすくまとめたり、チャップリンの『独裁者』にも触れたりと、読み応えあります。
20世紀に、世界にこういうことが事実としてあった、ということを知るきっかけとしては、よくできた資料的価値のある一冊。
にしても、ムッソリーニと黒シャツ隊を演じる女の子達のイラストからふと目を横にずらすと、処刑されたムッソリーニの写真が載ってるのは、ちと強烈すぎるよ!
『にょたいか!! 世界の独裁者列伝』
(たまごまご)
【関連リンク】
きのこはかわいい少女である『少女系きのこ図鑑』(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
もし金正日が死んだ日にクーデターが起きていたら。韓国マンガ「STEEL RAIN」(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
ロリ化してツイッターで呟く「走れメロス」太宰治で萌えるブーム到来(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
ノートンは押しかけ女房? マカフィーはちょいぽちゃ娘? セキュリティソフトを萌えキャラにしてみた(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
「ミステリマガジン」の「ミルキィホームズ」特集が本格的でいやあびっくりだ(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
戦車、軍艦、戦闘機。陸海空なんでも女の子絡みにしてしまいます。
一度、空母が妊婦化されているのを見たときは驚愕しました。でもなるほど納得はできる。産むのね。
そのイカロス出版から新しく出たのがこちら。
『にょたいか!! 世界の独裁者列伝』です。
表紙のかわいらしいかぼちゃぱんつの女の子は誰かというと毛沢東です。
確かに日本ではどんなものでも女の子に出来る「萌やし文化」がありますし、特にイカロス出版はその中でもソリッドではありますが、よもや毛沢東がこんなことになるとは。影も形もありません。
本文中に出てくるのは、有名ドコロではヨーロッパならヒトラー、ムッソリーニ、スターリン。アジアなら金日成、フセイン、ポル・ポトなどなど。
20世紀に世界を騒がせた人物勢ぞろいといった感じです。
ヒトラーはいろいろなところでネタにされることも多いので想像しやすいと思いますが、イラストはちょっと凝っていて、絵画を描いている美術部少女に。
なぜ?
ヒトラーは元は画家志望。芸術に対してなみなみならぬこだわりを持っていることにちなんでのパロディ。
お、これはどうも一筋縄では行かなさそうな本だぞ。
中南米やアフリカの独裁者の数は非常に多く、ページもイラストも多く掲載されているのがこれまた興味深い。
本の半分がアジア・ヨーロッパ、もう半分がアフリカ・中南米という構成になっています。
中南米・アフリカで有名なところだと、キューバの革命家カストロ、怒りで国旗を緑に染め上げたカダフィ、ジンバブエ経済に混乱を招いたムガベ、ウガンダの暴れん坊アミン、パナマで麻薬密売をしていたノリエガなどなど。
結構今も健在な人いますね。
これらがみーんなかわいい女の子になっているんだもの。
カストロは野球好きなので、強そうな野球部女子マネージャーに。そういえば日本の野球を2009年WBCで褒めたことありました。
ムガベは紙くずになった100兆ジンバブエドルにを飾って誕生日パーティーをするメガネの少女になってます。
これはどういうことかというと、ジンバブエが飢餓にあえいでいるのに120万ドルを費やした誕生日パーティーを本人が開いた、というエピソードから。
日本からは東条英機がランクイン。
じゃらじゃらとつけた勲章にはもちろん、ゴミ箱あさりをして配給食料が行き渡っているかもチェックしている様子が描かれています。
ふんどし美少女です。(ここが萌え)
ここまできてわかりました。
なるほどこれは風刺漫画なんだと。
最初「萌えりゃいいってもんじゃないよ!」と突っ込み入れたくなったのですが、イラストは独裁者の様々な経歴を丁寧にさらいながら、風刺パロディとしてわかりやすく見せているんです。
ハイチのフランソワ・デュヴァリエという独裁者のイラストは、魔法使い風の女医として描かれています。
どういうこと?
これはデュヴァリエが元々は医療と黒人文化継承に熱心な医者だったこと、ブードゥー教に傾倒したこと、反逆者の首をクローゼットに並べていたことなどから描かれたもの。
うへえ、イラストも奇妙だけど現実の方がよっぽど奇妙だった。
様々なポーズやシチュエーションの女体化された独裁者が描かれていますが、すべて何らかのエピソードに基づいているので、その元ネタを知りたくて文章を読んでしまう、という仕組みになっている本なんです。
一番難しいのは「独裁者だったかどうか」のジャッジ。ここは読んで実際に自分で考えてみた方がいいです。
その通りだ、でも、いや違うだろ、でもいいと思います。
また、独裁者=悪人、ではありません。国民に愛された人物もいれば、世界中から批難を浴びた人物もいます。
イラストを描いている一人野上武志も「絵を描くためにどんな人だったか調べるほど『独裁者』と一言で言っていいのか判らなくなりましたよ…」と述べています。
文章の情報量や写真もとても多く、特にアフリカあたりはかなりマニアックな独裁者もずらりと掲載されています。
「ヤバいネタ」として読みはじめるのもいいですし、「女の子かわいい」から入ってもいいと思います。
独裁者の出世と失脚はどのようにして起きるかをわかりやすくまとめたり、チャップリンの『独裁者』にも触れたりと、読み応えあります。
20世紀に、世界にこういうことが事実としてあった、ということを知るきっかけとしては、よくできた資料的価値のある一冊。
にしても、ムッソリーニと黒シャツ隊を演じる女の子達のイラストからふと目を横にずらすと、処刑されたムッソリーニの写真が載ってるのは、ちと強烈すぎるよ!
『にょたいか!! 世界の独裁者列伝』
(たまごまご)
【関連リンク】
きのこはかわいい少女である『少女系きのこ図鑑』(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
もし金正日が死んだ日にクーデターが起きていたら。韓国マンガ「STEEL RAIN」(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
ロリ化してツイッターで呟く「走れメロス」太宰治で萌えるブーム到来(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
ノートンは押しかけ女房? マカフィーはちょいぽちゃ娘? セキュリティソフトを萌えキャラにしてみた(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
「ミステリマガジン」の「ミルキィホームズ」特集が本格的でいやあびっくりだ(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース