『日本唐揚協会』という団体があるのをご存じでしょうか。2010年に一般社団法人になっていますが、活動はそれ以前から開始されています。何をやっている団体なのでしょうか。面白そうなので取材に行って、同協会専務理事の八木宏一郎さんにお話を伺いました。
■日本唐揚協会のできたワケ
――日本唐揚協会の設立経緯を教えてください。
八木専務理事 まず会長の安久鉄兵と私の2人が「唐揚げ好き」だったことで意気投合したのが最初です(笑)。2008年の10月に「日本唐揚協会」の名刺を作りました。どうせやるなら「日本」の看板を背負った団体にしようという熱い意気込みでした。
――当初はどんな活動をされていたのですか?
八木専務理事 名刺を作っただけでした(笑)。で、その名刺をあっちこっちに配ってはいましたけれども。
――お二方はそれまではどんな仕事をされていたんでしょうか?
八木専務理事 2人ともIT関連の仕事でした。で、名刺だけ配っていても仕方がないので2009年の8月にwebサイトを作ったんです。これで全国のみなさんに私たちの存在を広く知っていただけるようになりました。
――ネットの反応はいかがでしたか?
八木専務理事 そうですね。最初は「またバカなヤツがバカなことを始めたぞ」とか、ネガティブな反応が多かったですかね。でも、その反面、全国から様々な唐揚に関する情報が集まり始めました。
――情報を寄せてくれる人がいたんですね。
八木専務理事 はい。例えば、「北海道にはザンギというものがある」とか「愛知県には手羽先の文化が」みたいなざっくりとした情報は知っていたんですが、情報が集まって来ると、実は「唐揚げは深い世界だ」ということがわかってきたんですよ。で、これは本格的にやらねば、ということで、2010年12月には一般社団法人になりました。
■大分県に「唐揚げの聖地」があった!
八木専務理事 例えば、「唐揚げ専門店発祥の地」はどこか知ってしますか?
――見当もつかないです。
八木専務理事 大分県の「宇佐市」なんです。人口が5万5,000人くらいの街なんですが唐揚げ専門店が25店舗もあります。そのお隣りの「中津市」も唐揚げのメッカで、人口8万人ほどの街に唐揚げ専門店が60店舗もあります。私たちは、この中津市を「唐揚げの聖地」と名付けました。
――大分県にそんなに唐揚げ専門店があるなんて驚きですね。何か理由があるのでしょうか。
八木専務理事 大分県のこの地域は、もともと「養鶏業」の盛んな地域でして、その鶏肉を美味しく食べようということでお店が発展したと考えられています。本当に「聖地」と呼ぶにふさわしい名店がたくさんありますよ。
■日本唐揚協会は大車輪の活躍
――協会ではどんな活動をしているのでしょうか。
八木専務理事 例えば、「カラアゲニスト検定試験」の実施といった活動をしています。2012年の10月時点で15,000人が合格しています。これは無料で受けていただけますし、個人会員無料、制度も無料です。
――そういった制度を無料にすると協会は運営していけるのですか?
八木専務理事 こういう試験制度でお金を稼ぐとかするところも多いと思うんですが、私たちはあまりそうは思いません。面白い文化活動ができることを優先したいと思っています。その代わりと言うとなんですが、例えばイベントの運営などの資金は、スポンサーしていただいた企業様から頂きますけれども。
――イベント関係はかなり熱心に行っているんですね。
八木専務理事 そうですね。『からあげグランプリ』は3回目になりますが重要なイベントです。日本で一番うまい唐揚げ屋さんはどこかを投票で決めるんですが。
――それは盛り上がりそうですね(笑)。
八木専務理事 唐揚げと一口に言っても、調理方法、味つけ、具などによってさまざまです。塩ダレとしょうゆダレを比べられるのか、鶏の唐揚げとふぐの唐揚げは比べられるのか、といった問題がありますので、できるだけ公平になるようにジャンル分けをしたんですよ。で、結局8部門になったんです。
●からあげグランプリの8部門
・素揚げ・半身揚げ部門
・西日本しょうゆダレ部門
・中日本しょうゆダレ部門
・東日本しょうゆダレ部門
・塩ダレ部門
・手羽先部門
・味バラエティー部門
・素材バラエティー部門
――選ばれるとお店にとっても名誉なことでしょうね。
八木専務理事 唐揚げ好きの人による投票制ですからしっかりした結果になります。実際、選ばれると売上もずいぶん違うんだそうです。
――ほかにもイベントなどの開催はありますか。
八木専務理事 流通さんと一緒に行う「からあげカーニバル」「からあげキャラバン」、商業施設さんや市民祭りさんと一緒に行う「からあげ祭」などもあります。
というのは、実際にみなさんに食べてほしいんですよ。いくら美味しいと言っても、さすがに大分まで食べに行ける人は少ないと思いますので。美味しいお店の味を多くの人に味わってもらえる場所を作りたいんです。
――そうですね。やはり見たり、読んでるだけじゃなくて食べたいですもんね。
八木専務理事 ほかにもコンビニさんとご一緒して、コンビニで販売する唐揚げをプロデュースしたり……。もちろん有力店さんにご協力を頂いたりしながらですが。
最近では、「ピヨからくん」という日本唐揚協会の公式マスコットキャラクターを作って、それが漫画になったり、UFOキャッチャーに登場したりですとか。
――スゴイですね!
八木専務理事 『からっと☆』というアイドルグループもデビューしました(笑)。
――えっ、そんなことまで手掛けているんですか?
八木専務理事 いえ、アイドルのプロデュースはきちんとしたその道のプロの会社さんがされてます。日本唐揚協会公認「からあげ親善大使」ということで、ご協力をしているんです(笑)。
――唐揚げから仕事が大きく広がっているんですね。
八木専務理事 でも私たちがやりたいのはあくまで食文化の啓蒙なんですよ。唐揚げには「揚」「衣」「汁」「味」「量」「全」という6つの軸があると私たちは考えています。
どんな食も必ず根底には何らかの、幾つかの軸があって、これがブレると大きな間違いが起こる。軸をぶらさないようにすること、これこそが食文化の根っこであり、またひいてはこれが「生き方」にも通じると思っています。楽しく、ブレずに食文化、唐揚げとつきあっていきたいと思います。
日本唐揚協会は元気で明るい食文化の啓蒙団体でした。唐揚げが食べたくなっておなかがすく取材でありました(笑)。
(高橋モータース@dcp)
『日本唐揚協会』の公式サイト
http://karaage.ne.jp/
【関連リンク】
好きなフライ料理は?
お弁当が一番うまいコンビニは!?
節電で乗り越える夏は食中毒にご用心
■日本唐揚協会のできたワケ
――日本唐揚協会の設立経緯を教えてください。
八木専務理事 まず会長の安久鉄兵と私の2人が「唐揚げ好き」だったことで意気投合したのが最初です(笑)。2008年の10月に「日本唐揚協会」の名刺を作りました。どうせやるなら「日本」の看板を背負った団体にしようという熱い意気込みでした。
――当初はどんな活動をされていたのですか?
八木専務理事 名刺を作っただけでした(笑)。で、その名刺をあっちこっちに配ってはいましたけれども。
――お二方はそれまではどんな仕事をされていたんでしょうか?
八木専務理事 2人ともIT関連の仕事でした。で、名刺だけ配っていても仕方がないので2009年の8月にwebサイトを作ったんです。これで全国のみなさんに私たちの存在を広く知っていただけるようになりました。
――ネットの反応はいかがでしたか?
八木専務理事 そうですね。最初は「またバカなヤツがバカなことを始めたぞ」とか、ネガティブな反応が多かったですかね。でも、その反面、全国から様々な唐揚に関する情報が集まり始めました。
――情報を寄せてくれる人がいたんですね。
八木専務理事 はい。例えば、「北海道にはザンギというものがある」とか「愛知県には手羽先の文化が」みたいなざっくりとした情報は知っていたんですが、情報が集まって来ると、実は「唐揚げは深い世界だ」ということがわかってきたんですよ。で、これは本格的にやらねば、ということで、2010年12月には一般社団法人になりました。
■大分県に「唐揚げの聖地」があった!
八木専務理事 例えば、「唐揚げ専門店発祥の地」はどこか知ってしますか?
――見当もつかないです。
八木専務理事 大分県の「宇佐市」なんです。人口が5万5,000人くらいの街なんですが唐揚げ専門店が25店舗もあります。そのお隣りの「中津市」も唐揚げのメッカで、人口8万人ほどの街に唐揚げ専門店が60店舗もあります。私たちは、この中津市を「唐揚げの聖地」と名付けました。
――大分県にそんなに唐揚げ専門店があるなんて驚きですね。何か理由があるのでしょうか。
八木専務理事 大分県のこの地域は、もともと「養鶏業」の盛んな地域でして、その鶏肉を美味しく食べようということでお店が発展したと考えられています。本当に「聖地」と呼ぶにふさわしい名店がたくさんありますよ。
■日本唐揚協会は大車輪の活躍
――協会ではどんな活動をしているのでしょうか。
八木専務理事 例えば、「カラアゲニスト検定試験」の実施といった活動をしています。2012年の10月時点で15,000人が合格しています。これは無料で受けていただけますし、個人会員無料、制度も無料です。
――そういった制度を無料にすると協会は運営していけるのですか?
八木専務理事 こういう試験制度でお金を稼ぐとかするところも多いと思うんですが、私たちはあまりそうは思いません。面白い文化活動ができることを優先したいと思っています。その代わりと言うとなんですが、例えばイベントの運営などの資金は、スポンサーしていただいた企業様から頂きますけれども。
――イベント関係はかなり熱心に行っているんですね。
八木専務理事 そうですね。『からあげグランプリ』は3回目になりますが重要なイベントです。日本で一番うまい唐揚げ屋さんはどこかを投票で決めるんですが。
――それは盛り上がりそうですね(笑)。
八木専務理事 唐揚げと一口に言っても、調理方法、味つけ、具などによってさまざまです。塩ダレとしょうゆダレを比べられるのか、鶏の唐揚げとふぐの唐揚げは比べられるのか、といった問題がありますので、できるだけ公平になるようにジャンル分けをしたんですよ。で、結局8部門になったんです。
●からあげグランプリの8部門
・素揚げ・半身揚げ部門
・西日本しょうゆダレ部門
・中日本しょうゆダレ部門
・東日本しょうゆダレ部門
・塩ダレ部門
・手羽先部門
・味バラエティー部門
・素材バラエティー部門
――選ばれるとお店にとっても名誉なことでしょうね。
八木専務理事 唐揚げ好きの人による投票制ですからしっかりした結果になります。実際、選ばれると売上もずいぶん違うんだそうです。
――ほかにもイベントなどの開催はありますか。
八木専務理事 流通さんと一緒に行う「からあげカーニバル」「からあげキャラバン」、商業施設さんや市民祭りさんと一緒に行う「からあげ祭」などもあります。
というのは、実際にみなさんに食べてほしいんですよ。いくら美味しいと言っても、さすがに大分まで食べに行ける人は少ないと思いますので。美味しいお店の味を多くの人に味わってもらえる場所を作りたいんです。
――そうですね。やはり見たり、読んでるだけじゃなくて食べたいですもんね。
八木専務理事 ほかにもコンビニさんとご一緒して、コンビニで販売する唐揚げをプロデュースしたり……。もちろん有力店さんにご協力を頂いたりしながらですが。
最近では、「ピヨからくん」という日本唐揚協会の公式マスコットキャラクターを作って、それが漫画になったり、UFOキャッチャーに登場したりですとか。
――スゴイですね!
八木専務理事 『からっと☆』というアイドルグループもデビューしました(笑)。
――えっ、そんなことまで手掛けているんですか?
八木専務理事 いえ、アイドルのプロデュースはきちんとしたその道のプロの会社さんがされてます。日本唐揚協会公認「からあげ親善大使」ということで、ご協力をしているんです(笑)。
――唐揚げから仕事が大きく広がっているんですね。
八木専務理事 でも私たちがやりたいのはあくまで食文化の啓蒙なんですよ。唐揚げには「揚」「衣」「汁」「味」「量」「全」という6つの軸があると私たちは考えています。
どんな食も必ず根底には何らかの、幾つかの軸があって、これがブレると大きな間違いが起こる。軸をぶらさないようにすること、これこそが食文化の根っこであり、またひいてはこれが「生き方」にも通じると思っています。楽しく、ブレずに食文化、唐揚げとつきあっていきたいと思います。
日本唐揚協会は元気で明るい食文化の啓蒙団体でした。唐揚げが食べたくなっておなかがすく取材でありました(笑)。
(高橋モータース@dcp)
『日本唐揚協会』の公式サイト
http://karaage.ne.jp/
【関連リンク】
好きなフライ料理は?
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