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『イナズマイレブン』『ダンボール戦機』が躍進!レベルファイブの社長が語る、ヒットコンテンツのつくりかた

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ゲーム、まんが、TVアニメだけにとどまらず、プラモデル、そして映画と意欲的なクロスメディア展開で大成功。『イナズマイレブン』や『ダンボール戦機』など、ヒットコンテンツを生み出し続けるゲーム会社レベルファイブ。その戦略と、創造欲の源について、社長の日野晃博さんに直撃してみた。

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作品の世界観を超えた、まさかのコラボ映画実現!

サッカーとロボットが対決する!? 人気サッカーアニメ『イナズマイレブンGO』と人気ロボットアニメ『ダンボール戦機W』がまさかのコラボレーション! 劇場版『イナズマイレブンGO v s ダンボール戦機W』を仕掛けているのは、株式会社レベルファイブの日野晃博氏。彼はこの作品の企画・脚本/総監修を手掛けている。

「今回のコラボに関しては、すごくうまくいきそうだなと思っています。『イナズマ』の熱い展開、湧き立つような感情のストーリーを大事にしながら、『ダンボール』のメカのカッコよさ、ビジュアルの強さをうまく組み合わせて、両作品の良さをうまく出せたんじゃないかなと。今回は『イナズマ』のスタッフも、『ダンボール』のスタッフからもいて、一作品に関わる人数が約1.5倍くらいになっているのですが、その両者のスタッフが力を振るうことで新しいものができました」

レベルファイブのエンタテインメントの基本は「サプライズ」

『イナズマイレブン』は2008年8月に第1作が発売されたサッカーゲームシリーズ。プレイヤーは弱小サッカー部のキャプテン円堂守(えんどうまもる)となり、部員の勧誘や練習試合をしてキャラクターたちやチームを成長させていき、全国大会での優勝を目指すことになる。1000人以上のキャラクターの中からチームを編成できるところや普通のサッカーではありえないド派手な必殺技などがポイントだ。ゲーム版の発売からわずか2ヵ月後にアニメがスタートし、クロスメディア作品として小中学生を中心に支持を集めた。現在もアニメ『イナズマイレブンGO クロノ・ストーン』が放送中。その原作であるゲーム『イナズマイレブンGO2 クロノ・ストーン ネップウ/ライメイ』は12/13(木)に発売予定。劇場版アニメは過去に2作作られている。

『イナズマ』はもともと僕がサッカーを好きなところから始まった企画です。僕はサッカー少年ではなかったんですが、ジュビロのユニフォームを持っていたり、日本代表の試合を観るために会社を早退したり(笑)、観るほうのサッカーファンだったんです。いつの日かサッカーもののゲームを作ってみたいとずっと企画を温めていて、やっと実現したものでした。いまでは長いシリーズになりましたが毎回、ゲームやアニメの新作をつくるときは基本的に『驚かすこと』を大切にしています。人を楽しませることの原点は、やはり『サプライズ』にあると思うんですよ。人物描写や世界観を伝えていくうえで、予想外の事件が起きると、視聴者も作品にグッと引き込まれていく。シリーズごとに『今回は何で驚かせるか』という要素を最初に決めています

自分の子ども時代に夢中だったものを、現代によみがえらせて



『ダンボール戦機』はロボットアクションゲーム。LBXと呼ばれる小型ロボットでライバルとバトルし、新しいパーツでLBXを強化していくことになる。自分のアイデア次第で多彩なロボットを作ることができるというのがポイントだ。2011年3月にアニメ版が先行して展開。原作となるゲームが3ヵ月後に発売され、こちらも人気シリーズとなっている。

『ダンボール』は遠い昔に作った企画だったんです。子どものころ僕は『ミクロマン』という可動フィギュアが大好きで、今の子どもたちにもあの面白さって通用するんじゃないかと考えたんです。ストーリーとしては、『ショウとしてのカッコよさ』を大事にしています。子どもたちが小さなロボットを操作して世界をかけた戦いを行う。そういうドラマチックなステージを用意しておいて、LBXのカッコよさを魅せるショウとしてドラマを描く。そうすることで『ダンボール』のカッコよさを伝えていきたいと考えていました。これも『イナズマ』のようなクロスメディア展開をしようと考えていたのですが、同じようにやったのでは面白くない。そこでリアルとつながっているようなものになるように、手に持てる『プラモデル』とのコラボレーションをしました。ゲームやアニメの中ではヒーローのロボットが、実際にゲーム中と同じ大きさで自分の手の上で遊ぶことができる。そういうリアルな展開にしていこうという狙いがありました

クロスメディアするときは、とことん話し合ってわかりあう

どちらの作品も共通していることは、クロスメディアをうまく仕掛けていること。ゲーム、アニメ、コミックなどがうまく相互補完することで、初見のファンにも間口が広く、濃いファンはより深く、作品を味わうことができるのだ。

いろいろなメディアをまたぐことで、各分野の優れた才能とコラボレーションができるところが良いですね。『イナズマ』のときに、初めてアニメ業界の人と仕事をしたんですが、正直言うと最初はなかなか溶け込めませんでした。向こうは『ゲーム業界といってもなんぼのもんじゃ』と思っているし、僕らもやりたいことをうまく伝えられずにいた。業界同士の対抗意識みたいなものを微妙に感じていたんです。でも、粘り強く自分たちがやりたいことを正直に伝えていくことによって、それぞれの得意分野がわかり、うまく力をあわせる部分を見つけられたんです。その結果、アニメのスタッフだけで作るよりも面白いアニメになったし、ゲームのスタッフだけで作るよりも面白いゲームになりました。いまではひとつのチームになれたし、『イナズマ』の秋山(勝仁)監督は友人としても、仕事相手としても信頼できる関係になれたと思っています。やはり(クロスメディアには)正直にぶつかって、相手に納得してもらうまで議論を重ねることが大事なんです

臨機応変の方向転換が常に新鮮なサプライズを生みだす

『イナズマ』と『ダンボール』どちらも日野氏が企画を立て、ディレクションし、プロデュースを行っている。両作品のヒットもあり、日野氏が代表取締役社長/CEOを務める株式会社レベルファイブは、日本のゲーム業界で最も注目を集めるカンパニーとなった。

経営者とクリエイターを自分の中で切り分けているつもりはないんですが、経営者の僕が、クリエイターの僕を見たら『使いづらいな』と思うでしょうね(笑)。僕はいつも瞬時に方向転換してしまうんです。たとえば、誰かと話をして良いアイデアを得たら、すぐにそちらの方向に作品を方向転換してしまう。過去の自分のアイデアにあまりこだわらないんですね。そういうフットワークの軽さが、ファンに『サプライズ』を感じてもらえる作品作りにつながっているんじゃないかと思います。レベルファイブのスタッフは、僕がいきなり方向転換することに慣れているから、すぐに対応してくれますけど……経営者だったらイヤでしょう(笑)」

常に「サプライズ」のある作品を目指して。日野氏は貪欲にアイデアを詰め込み続ける。劇場版『イナズマイレブンGO v s ダンボール戦機W』もまさに日野氏の仕込んだサプライズのひとつ。もうじき『妖怪ウォッチ』や『レイトン教授と超文明Aの遺産』といった新しいサプライズも待っている! まだまだ日野氏とレベルファイブの躍進は止まらないようだ。

ひの・あきひろ●幼少からゲームに親しみ、コンピュータ専門学校を卒業後、地元福岡の開発会社でメインプログラマー、ディレクターを経て独立。1998年10月、子供たちにワクワクしてもらえるゲームを作りたいという思いから、レベルファイブを設立。5つ星の作品を届け「世界一のエンターテインメントブランド」を目指している。

劇場版『イナズマイレブンGO v s ダンボール戦機W』 12月1日(土)より全国東宝系にて激突公開! [http://www.inazuma-movie.jp/]

 
 


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