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宇宙のスピードを感じてみよう!

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皆さんが今までに乗ったことがある最も速い乗り物は何ですか?

飛行機?新幹線?…それとも自動車?

いやいや、宇宙規模で見てみると、皆さん実はこれよりもはるかに速い乗り物に乗っているんです。

その乗り物とは一体何でしょうか。
そして、そのスピードはどれほどなのでしょうか。

今回はそんな宇宙のスピードを感じてみたいと思います。



■ 地球の自転速度はどれくらい?

私たちが住む地球。
その地球は日々どれほどの速さで動いているのでしょう。

そこでまずは、地球の自転速度から考えてみたいと思います。

地球1周の長さは、赤道上でざっくり計ると約40,000km。

これを24時間で1周すると考えれば、40,000(km)÷24(時間)=1,667(km/時)となります。

ちなみに、日本付近(北緯30度)で同じように計算してみると、時速1,450km程度となります。

これでも十分、飛行機よりも速いという計算になりますね。

ところで、時速1,450kmは秒速に直すとおよそ400m/秒ですので、仮に自転の影響から外れて1秒間ジャンプしたとすると、400m離れた地点に着地することになります。

でも、もちろん実際には慣性の法則が働きますので、そんなことは起きません。
電車の中でジャンプした場合と同じですね。

■ 地球の公転速度はどれくらい?

それでは、次に地球が1年で太陽の周りを1周する速度(公転速度)について見てみましょう。

地球は太陽の周りをほぼ円に近い楕円(だえん)軌道で回っています。
(ここでは便宜上、完全な円軌道として考えてみたいと思います。)

地球と太陽との距離はおよそ1億5,000万kmですので、その円軌道1周の長さは1億5,000万(km)×2×3.14=9億4,200万(km)となります。

1日あたりで進む距離は、9億4,200万(km)÷365(日)=258万(km/日)

時速に直すと、258万(km)÷24(時間)=10.7万(km/時)、秒速で見てもおよそ30km/秒となります。

皆さんがいるこの地球は、毎日こんなにも速いスピードで宇宙空間を移動しているのですね。

■ 自転周期は長くなる

このように地球はとてつもないスピードで自転や公転を繰り返していますが、そのスピードは永久に変わらないのでしょうか。

いいえ、そんなことはありません。

月の引力の影響により、地球では潮の満ち引きが起こりますが、地球の自転周期は「潮汐摩擦(ちょうせきまさつ)」と呼ばれる、この潮の満ち引きをもとにした海水と海底との摩擦の影響により、少しずつ長くなっています。

具体的に地球の自転周期がどれほど長くなっているのかと言うと、100年間でおよそ1~2ミリ秒(1000分の1~2秒)であるとされています。

ちなみに、地球が誕生したころの自転周期は5時間ほどであったと考えられています。

■ 時には短くなることも…

一方で、2011年3月に起きた東日本大震災の影響により、地球の自転周期が短くなったとされる研究発表もあります。

NASAの地球物理学者リチャード・グロス博士によると、東日本大震災の影響で地殻が動き、地球内部の質量分布が変化するとともに、地軸がわずかにズレたことで、地球の自転周期、つまり1日の長さが1.6マイクロ秒(1000万分の16秒)だけ短くなった可能性があるそうです。

なお、同様の現象は、2004年のスマトラ島沖地震や2010年の南米チリ地震など、過去の大地震でも同様に見られたとされています。

このように、地球の自転周期は一定ではなく、さまざまな要因で常に変化しているわけです。

■ まとめ

普段は実感することが無い、地球の自転や公転スピード。

しかし、実際には飛行機をはるかに上回る速度で動いているということを感じていただけたでしょうか。

普遍的だと思われている地球の自転周期でさえ、月や地震の影響など、さまざまな要因で常に変化しているのです。

(文/TERA)

■著者プロフィール
TERA。小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。

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