日本近代文学館内にオープンしたブックカフェ「BUNDAN COFFEE&BEER」をレポート。
マンガや国内外の純文学に古雑誌、稀少本など、およそ一万冊もの蔵書を飲食とともに楽しめる。BUNDANを運営するクリエイティブ・カンパニー「東京ピストル」のメンバーにもお話を伺いました。
「ウレぴあ総研」でこの記事の完全版を見る【動画・画像付き】
27日から始まった第66回読書週間。皆さん「読書の秋」満喫していますか?
この季節にぴったりの文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER(以下、BUNDAN)」が
日本近代文学館内 (駒場東大前)にオープンしたというので、早速訪れてきました。
イチオシは『猫文学』『タモリ』コーナー
駒場東大前駅から歩いて8分ほどのところにある日本近代文学館。静かで落ち着いた雰囲気の漂う場所です。
館内に入ってみると、床から天井まで壁一面に本がぎっしり。その数、およそ1万冊!
一体どんな本があるんですか?
BUNDANを運営するメンバーの桜井祐さん(株式会社東京ピストル・編集者)にお話を伺いました。
「『闇金ウシジマくん』のようなマンガから、『アサヒグラフ』のような古雑誌、サブカル系の本から大衆文学に純文学、海外文学まで、弊社代表の草なぎ洋平が『文学』という軸で集めた本を置いています。いろいろなブックカフェはありますが、『猫文学』コーナーと『タモリ』コーナーを設けているところは珍しいかも知れません」
新しい文学の道標となるべき場所を目指すこと」をコンセプトに掲げているというBUNDAN。蔵書の豊富さ、ユニークさだけではなく、馴染みにくいイメージのある「文学」に、興味を持つきっかけの演出・仕掛けをたくさん用意しています。
たとえば「文学」としては認識されていないマンガを置いているのも、「文学=言語表現による芸術作品のひとつですよ」という形で出すことで、上げてしまいがちな文学へのハードルを下げ、親しみをもってもらうためなのだとか。まずは本棚を覗いてみましょう。
「読む」メニューに興味津々!
メニューもこだわりを持って作られています。
通常は「見る」メニューになりがちですが、その飲み物やフードに関する歴史や文学との関係性、それを示す引用文などの“バックグラウンドストーリー”を丁寧に綴った「読む」メニューは、手に取ってじっくり眺めていただきたい。
「Cafe Obscure Roasters」(三軒茶屋)と共同開発した珈琲には、「TERAYAMA(寺山修司)」「OUGAI(森鴎外)」「AKUTAGAWA(芥川龍之介)」「ATSUSHI(中島敦)」(カッコ内はモチーフとなった文筆家)の4種類があり、それぞれにまつわる歴史、エピソードがメニュー名の下に書かれていて、読んでいて「へぇー。こんな歴史があるのか」と新鮮なきもちになります。
個人的に気になっているのは「村上春樹の朝食セット」(ストラスブルグ・ソーセージのトマト煮込み、キャベツとピーマンのサラダ、フランス・パン)。1985年に書かれた『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に登場する「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公の最後の朝食を忠実に再現しているのだとか。これ、村上春樹好きにはたまりません! フードは株式会社Beautybarの寺脇加恵さんがプロデュースしています。
最近では、数量限定で出しているケーキセットが特に人気だとか。早めの時間に訪れるのが狙い目ですね。また、現在メニューを拡充中で、昼食に週替りメニューを導入する予定もあるそう。
取材当日には珈琲をいただきましたが、深みのある上質な味わいで美味しかったです。
デートでも好きな本を「共有」して楽しめる
BUNDANができる前は、食堂「すみれ」が諸事情で撤退し、しばらく空きスペースになっていました。近くには食事のできる場所やお茶を飲めるミーティングスペースもありません。今年の7月末頃、文学館の職員や訪問客が困っているのを知った東京ピストルが、スペースの運営を担当することになったのだとか。
「草なぎが文学好きなこともありますし、弊社が文学系のグッズを出したり、本関連のプロダクトを作ったしていることも、文学館で出展するモチベーションになりました」(桜井さん)
デートスポットとしても使えそう! 日当たりの良いガーデン席もあるので、珈琲や食事を楽しみながら、ゆったり・まったりできます。膨大な本に囲まれているので、「この本いいよね」「これはおすすめ!」なんて、デート中に互いの好みや趣味を共有できるのもステキです。
街中のカフェとは異なり、喧噪から離れた立地に佇み、静かでゆったりとした時間が流れているBUNDAN。知る人ぞ知るカフェで、座席数も多いため、確実に座れるのも嬉しいですね。
文学館が入っている駒場公園はこれからの季節、紅葉もキレイに見えます。旧前田侯爵邸や日本民藝館など見て楽しめる施設も周囲にあるので、散策ついでのカフェ休憩にぴったりです。また、先日から無料でのWiFi利用も可能になり、仕事や作業に集中したいときにもおすすめです。
文学館のように「食堂の場所/設備はあるけど、訪問客が少ないため経営が成り立ちにくい」施設は日本各地にあるそう。
「BUNDANを成功させることで、将来的にそういった全国の施設の有効活用をできればと考えています」と桜井さん。
営業は毎週日・月・第4木曜日を除く平日と、
土曜の9:30~16:30。
★こちらの記事もどうぞ!
・お茶の美味しい煎れ方を学んで女子力アップ!一保堂茶舗の喫茶室「嘉木」 [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/10179 ]
・【カフェ】飛騨の小京都・高山のカフェを巡る旅(その1) [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/9590 ]
・【カフェ】飛騨の小京都・高山のカフェを巡る旅(その2) [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/9751 ]
・【パン】東京・落合の「食パンcafe」に行ってみた [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/891 ]
【関連リンク】
Bundan Coffee & Beer facebook [ https://www.facebook.com/BUNDAN.cafe ]
【関連記事】
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・【カフェ】飛騨の小京都・高山のカフェを巡る旅(その2)[レポート]
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マンガや国内外の純文学に古雑誌、稀少本など、およそ一万冊もの蔵書を飲食とともに楽しめる。BUNDANを運営するクリエイティブ・カンパニー「東京ピストル」のメンバーにもお話を伺いました。
「ウレぴあ総研」でこの記事の完全版を見る【動画・画像付き】
27日から始まった第66回読書週間。皆さん「読書の秋」満喫していますか?
この季節にぴったりの文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER(以下、BUNDAN)」が
日本近代文学館内 (駒場東大前)にオープンしたというので、早速訪れてきました。
イチオシは『猫文学』『タモリ』コーナー
駒場東大前駅から歩いて8分ほどのところにある日本近代文学館。静かで落ち着いた雰囲気の漂う場所です。
館内に入ってみると、床から天井まで壁一面に本がぎっしり。その数、およそ1万冊!
一体どんな本があるんですか?
BUNDANを運営するメンバーの桜井祐さん(株式会社東京ピストル・編集者)にお話を伺いました。
「『闇金ウシジマくん』のようなマンガから、『アサヒグラフ』のような古雑誌、サブカル系の本から大衆文学に純文学、海外文学まで、弊社代表の草なぎ洋平が『文学』という軸で集めた本を置いています。いろいろなブックカフェはありますが、『猫文学』コーナーと『タモリ』コーナーを設けているところは珍しいかも知れません」
新しい文学の道標となるべき場所を目指すこと」をコンセプトに掲げているというBUNDAN。蔵書の豊富さ、ユニークさだけではなく、馴染みにくいイメージのある「文学」に、興味を持つきっかけの演出・仕掛けをたくさん用意しています。
たとえば「文学」としては認識されていないマンガを置いているのも、「文学=言語表現による芸術作品のひとつですよ」という形で出すことで、上げてしまいがちな文学へのハードルを下げ、親しみをもってもらうためなのだとか。まずは本棚を覗いてみましょう。
「読む」メニューに興味津々!
メニューもこだわりを持って作られています。
通常は「見る」メニューになりがちですが、その飲み物やフードに関する歴史や文学との関係性、それを示す引用文などの“バックグラウンドストーリー”を丁寧に綴った「読む」メニューは、手に取ってじっくり眺めていただきたい。
「Cafe Obscure Roasters」(三軒茶屋)と共同開発した珈琲には、「TERAYAMA(寺山修司)」「OUGAI(森鴎外)」「AKUTAGAWA(芥川龍之介)」「ATSUSHI(中島敦)」(カッコ内はモチーフとなった文筆家)の4種類があり、それぞれにまつわる歴史、エピソードがメニュー名の下に書かれていて、読んでいて「へぇー。こんな歴史があるのか」と新鮮なきもちになります。
個人的に気になっているのは「村上春樹の朝食セット」(ストラスブルグ・ソーセージのトマト煮込み、キャベツとピーマンのサラダ、フランス・パン)。1985年に書かれた『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に登場する「ハードボイルド・ワンダーランド」の主人公の最後の朝食を忠実に再現しているのだとか。これ、村上春樹好きにはたまりません! フードは株式会社Beautybarの寺脇加恵さんがプロデュースしています。
最近では、数量限定で出しているケーキセットが特に人気だとか。早めの時間に訪れるのが狙い目ですね。また、現在メニューを拡充中で、昼食に週替りメニューを導入する予定もあるそう。
取材当日には珈琲をいただきましたが、深みのある上質な味わいで美味しかったです。
デートでも好きな本を「共有」して楽しめる
BUNDANができる前は、食堂「すみれ」が諸事情で撤退し、しばらく空きスペースになっていました。近くには食事のできる場所やお茶を飲めるミーティングスペースもありません。今年の7月末頃、文学館の職員や訪問客が困っているのを知った東京ピストルが、スペースの運営を担当することになったのだとか。
「草なぎが文学好きなこともありますし、弊社が文学系のグッズを出したり、本関連のプロダクトを作ったしていることも、文学館で出展するモチベーションになりました」(桜井さん)
デートスポットとしても使えそう! 日当たりの良いガーデン席もあるので、珈琲や食事を楽しみながら、ゆったり・まったりできます。膨大な本に囲まれているので、「この本いいよね」「これはおすすめ!」なんて、デート中に互いの好みや趣味を共有できるのもステキです。
街中のカフェとは異なり、喧噪から離れた立地に佇み、静かでゆったりとした時間が流れているBUNDAN。知る人ぞ知るカフェで、座席数も多いため、確実に座れるのも嬉しいですね。
文学館が入っている駒場公園はこれからの季節、紅葉もキレイに見えます。旧前田侯爵邸や日本民藝館など見て楽しめる施設も周囲にあるので、散策ついでのカフェ休憩にぴったりです。また、先日から無料でのWiFi利用も可能になり、仕事や作業に集中したいときにもおすすめです。
文学館のように「食堂の場所/設備はあるけど、訪問客が少ないため経営が成り立ちにくい」施設は日本各地にあるそう。
「BUNDANを成功させることで、将来的にそういった全国の施設の有効活用をできればと考えています」と桜井さん。
営業は毎週日・月・第4木曜日を除く平日と、
土曜の9:30~16:30。
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・お茶の美味しい煎れ方を学んで女子力アップ!一保堂茶舗の喫茶室「嘉木」 [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/10179 ]
・【カフェ】飛騨の小京都・高山のカフェを巡る旅(その1) [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/9590 ]
・【カフェ】飛騨の小京都・高山のカフェを巡る旅(その2) [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/9751 ]
・【パン】東京・落合の「食パンcafe」に行ってみた [ https://post.ure.pia.co.jp/articles/-/891 ]
【関連リンク】
Bundan Coffee & Beer facebook [ https://www.facebook.com/BUNDAN.cafe ]
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・【カフェ】飛騨の小京都・高山のカフェを巡る旅(その1)[レポート]
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