ハリケーンサンディのニューヨーク直撃、コンサート・ビジネスに大打撃

この週末、ニューヨークを直撃したニューヨーク史上最大級のハリケーン“サンディ”。都市機能や人的被害はもちろんのことだが、この1週間、サンディによってコンサート業界が被る被害は甚大とみられている。

人気老舗トーク番組『The Late Show With David Letterman』に出演する予定だったSt.ヴィンセントとデヴィッド・バーンの2人だったが、バック・ミュージシャンの1人はメキシコ・シティで立ち往生、エンジニアはサンフランシスコ、ホーン・プレイヤーはニューヨーク市内に車で入ることすら出来ない状態だったため、収録をリスケジュールすることにした。

ブルース・スプリングスティーン、キャット・パワー、トレイ・アナスタシオらも日曜日にコンサートを予定していたが、これを年末近くに日程をずらしたほか、カーネギー・ホール、リンカーン・センター、レディオ・シティ・ミュージック・ホールでのブロードウェイ舞台も延期。シンガー・ソングライターのルーファス・ウェインライトは、マネジメント事務所がウォール街のど真ん中にあるため、ハリケーンが来ていた間、全く連絡も身動きも取れない状態になり、予定していたジェンダーと結婚に関連したチャリティ・コンサートも中止。

しかし最も打撃を被ったのは、ニューヨークに昔から存在する小さなライブハウスやジャズ・クラブだろう。水浸しになって復旧のめどが立たないクラブも多く、中には最も浸水被害の大きかったローワー・ウェストサイドのベースメントにあるクラブもある。現在復旧どころか足を踏み入れることすら出来ない状態のため、現場がどんな状態になっているのか関係者は誰も確認出来ていないという。

Photo：(C) Bruce Cotler / Globe Photos / Zeta Image

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