昨年末、地上波で約5年ぶりの復活＆3時間スペシャルでコアなファンを喜ばせた『あらびき団』。半年の時を経て、
『あらびき団夏祭り2017』（TBS系列 7月13日放送）として案外早く帰ってきた！……のですが……。
ライト東野：なんか前回は、2016年末にですね、3時間やらしていただきまして。好評やと思ってたんですけども、
まさか3時間から1時間に短縮ということで。なかなか世の中はいつまで経っても我々を認めてくれないんだなっていうのが正直な感想ですけども（笑）
賞レース等の王道の笑いとは一線を画す、「荒削りな芸を持ったパフォーマー」が集うネタ番組『あらびき団』。2007年10月から2011年9月まで地上波で放送されたのち、ネット番組としても配信され、根強い人気を得ての復活……と思いきや、相変わらずのマイノリティー。そんな愛すべき『あらびき団』のMC、ライト東野＆レフト藤井に収録後の感想などを聞いてきました。
あらびき団、ブルゾンちえみを取り逃がす
昨年末の3時間SPで、新たなパフォーマーを探すべく大々的にオーディションをした『あらびき団』。放送終了後、年越しを迎えた時にとんでもない事実が発覚した。
東野：芸人さんはもとより、アーティストとかアイドルとか、いろいろオーディションしたんですけど、その中で、
ブルゾンちえみちゃんが落選してたんですよ。……スタッフがね、年末にオンエア終わって、忘年会して、で、大晦日。『ぐるナイ』の「おもしろ荘」でブルゾンちえみの面白さにびっくりして「この子おったよな！?」って話になって。誰も気づかなかったっていう……。
ブルゾンちえみがオーディションで披露していたのは、「おもしろ荘」と同じくwithBとのお馴染みのネタだった。ライト東野がそのことを知ったのは2017年1月の半ば。
東野：最大瞬間風速のときですから……大笑いしましたね。だから『あらびき団』なんだな！ とも思うし複雑で。でも逆に言うと、ブルゾンさんがあらびき団に合格してたら、ここまで売れてなかったと思うんですよ。だから結果的に良かったと思うし。たぶんやけど、あらびき団に出てたら、withBに注目して……（笑）
その後、ブルゾンちえみとは『行列のできる法律相談所』などで共演している東野だが、あらびき団の話は全く出ていないそう。
東野：「あらびき団、私オーディション落とされたんです出たいんですー」とか「悔しかったですー」ってこと、一個も聞いたことないですから。全然、ぜんっぜん！何にも思ってないです。逆に言われたくないし……！ だから、我々は遠くから見ているということでございます。
この「ブルゾンちえみ取り逃がし事件」の反省を踏まえ、今回の1時間スペシャルでは「みなさんにも愛される面白いパフォーマー」を求めて再び大々的にオーディションを行った。
東野：もうね、あらびき団もちゃんと世の中に愛されたいというか、そろそろ誰かに抱きしめてほしいんだなっていうのが（笑） 働いてる女性がちょっと頭をヨシヨシされると、こう、グッとなるのと同じで、あらびき団もヨシヨシしてほしいんだな……っていうのが、なんかね、わかりました。
ザコシショウは「お笑い年金」未納
今回のオーディションの結果「めちゃくちゃ狂ってる人はかなりの割合で減りました」「あらびき団に珍しく、掛け合いしてました」とライト東野は言う。あらびき芸から路線が変わったのでは……と不安になるが。
藤井：でも一方、ヨシヨシなんて最初から期待してませんっていう、潔い方……ザコシショウさんとかいらっしゃいますし。
『あらびき団』には初回から出演しているハリウッドザコシショウ。当時はザコシショウが「R-1ぐらんぷり」で優勝するとは誰も思っていなかった。テレビ出演にも慣れ、キャラクターもお茶の間に浸透したかと思いきや、やっぱりホームグラウンドでは「潔さ」をフルスイングで発揮していた様子。
東野：ザコシショウの今回のネタは、もう半年間なにやってたん……と。こんなに裏切られるかっていうくらい。子どももね、いてるのに……。なんでそれやれるの？っていう。怒り……怒りさえ覚えました。
藤井：東野さんはザコシさんに対してお兄さんですし。僕は同期なんで「いやいや、この半年間、そのままで居てくれたんだな、ありがとう」って気持ちもありますね。
東野：や、この番組はね、M-1とかキングオブコントとかR-1とかで、なかなか日の目を見ない人のためのセーフティネットにもなったらいいのかなと。そのためにはね、年金を支払うじゃないですけど、最低限のことさえやっていただけたらと。その最低限が……ザコシショウ今回ね、お笑い年金のほうをちょっと払ってなくて……（笑）
ここまで言われると逆にどれだけ酷いのか余計気になってしまう。一方、レフト藤井は注目する芸人に「風船太郎」を挙げた。
藤井：風船太郎さんは、あの……すごく見どころだと思います。キャリアとか、年齢とか、誕生日とか、生き様みたいなのを一瞬で見ることができますので、そこもご覧いただけたらと思います。
風船太郎は放送日（7月13日）にちょうど誕生日を迎えるのだ。「有限会社 風船太郎」の
公式プロフィールによると1968年（昭和43年）生まれで、放送日に49歳になる。今も全国各地で年間300ステージをこなす、そのパフォーマンスも見届けたい。
ザコシショウ、風船太郎以外の出演芸人には、どぶろっくの名前も挙がっていた。新曲（下ネタ）を披露し、ゲストの指原莉乃も大爆笑していたという情報もいただきました。
復活のきっかけは「初期スタッフの出世」
地上波時代を振り返りはじめた会見は、次第にレフト藤井がライト東野をリスペクトする流れになっていた。
藤井：VTRが終わって、僕なんて言葉が何も出ない、絶句するときなんかたくさんあるんですけど、ライトさんはそこでハッと何かを見つけて仰るんです。昔3本録りとかやってたときに、半日くらいスタジオにいるイメージだったんですけど、げっそりされて帰って行かれて……。いつもご飯連れて行ってくださるんですけど、『あらびき団』は終わってからご飯って誘っていただけないんですね。なんか、そういう仕事をされている東野さんの横に座らせていただけるのがすごく好きです。
東野：あらびき団の終わりで食事行こうって気持ちならへんよね。とりあえずシャワー浴びたいっていう……。
そもそも約5年ぶりに『あらびき団』が復活したのは「初期のスタッフ」の力によるものだったという。
東野：『あらびき団』初期に大学生だったスタッフさんがTBSに入社して、その方がちょっと偉なって、『あらびき団』が復活しましたから。だからもう、ホントに首の皮一枚つながってる番組ですから。今日もそのTBSの偉いさんがやってきて、いただきものもろうたんですけど……お茶でした。いや、ワインとかね、ドンペリとか思ったら……お茶なんだ……。や、もちろん、市販で売ってるなかでは高級なお茶ですけど！……ま、つまり、「なにを酔ってんねん」と。
藤井：なるほど！
東野：「酔うことならん」と。あらびき団ごときで酔うなと。……ということだと思って俺は、イヤミやと思って、カーッ！って！（笑）
藤井：身が引き締まりますね。
それでは最後に視聴者の方へメッセージをお願いします！
藤井：今回「2017」とか「夏祭り」とか、なんかこう「2018春」とか次につながって行けそうなタイトルをつけてるのを見たとき僕も笑ってしまいまして……（笑） そういう夢が叶うように、ホントに見ていたいです。
東野：またあらびき団が夏に帰ってきます。今回は1時間でございます。名物パフォーマーも出ますし、新しいパフォーマーも出ます。そして指原さんも出ます、えー、とにかく皆さん見ていただきたいと。見なかったら我々もうこれで最後でございます！ ホントにお願いします！ いやマジで！ いや、マジでマジで！
藤井：ホントにご覧いただきたいです。なんとか皆さんのお力で、お願いします！
『あらびき団夏祭り2017』は、7月13日（木）深夜23時56分からTBS系列で放送です。
（井上マサキ）
![『あらびき団夏祭り2017』の収録を終えたレフト藤井（左：藤井隆）とライト東野（右：東野幸治）。合成前のブルーバックのスタジオにお邪魔しました。左右端にあるのは収録中にお二人が座っていた椅子。]()
![イラスト／小西りえこ]()
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