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B級映画の帝王ロジャー・コーマン、最後の監督作「レッド・バロン」を語る

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 第25回東京国際映画祭のコンペティション部門審査委員長として来日中の映画プロデューサー、ロジャー・コーマン氏が10月27日深夜、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた特別オールナイト上映会「コーマン魂」に出席し、舞台挨拶に立った。

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 映画業界で60年以上のキャリアを誇り「B級映画の帝王」「インディペンデント映画の神」として名高いコーマン氏が、これまでにプロデュースした作品は550本以上。さらに50以上の監督作品を世に送り出し、2009年には「映画と映画人への多大なる貢献」が認められ、アカデミー名誉賞を受賞した。昨年の東京国際映画祭では、キャリアを総括するドキュメンタリー「コーマン帝国」が特別招待作品として出品され、日本でも再評価の機運が高まった。コーマン氏の来日は、昨年に続き2年連続となる。

 この日はプロデュースを手がけた「ピラニア」(78/ジョー・ダンテ監督)、「モンスター・パニック」(80/バーバラ・ピータース監督)、そして自らメガホンをとった空戦アクション「レッド・バロン」(71)の計3本を上映。コーマン氏は、なかでも思い入れが強いという最後の監督作「レッド・バロン」について大いに語った。

 同作は第一次世界大戦を舞台に、レッド・バロンの異名をとった独空軍の英雄であるリヒトホーフェン男爵の半生をダイナミックに描いた大作。主人公は「上流階級の出身で、自らの戦闘に騎士道を貫いた人物」だといい、「当時の戦闘機は、すでに迷彩仕様だったが、男爵は“真っ赤”な機体で戦い続けた。それは自分が逃げも隠れもしないというメッセージなのです。同時に映画は騎士道の終焉と、虐殺時代の幕開けを描いています」と解説した。

 70年に製作され、迫力の空中戦も見どころの本作は、当然ながらCGを使うことなく、すべてを実写で撮影。「実際に俳優を戦闘機に乗せて、撮影を行ったんです」と懐かしそうに裏話を語り、ファンも興味津々だった。

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