ほんとにハードコア。レビューページのトリが『Theガッツ! マキシマム・マタニティ』。ありえない。
『超クソゲー』シリーズ最新刊の『超エロゲー ハードコア』が10月26日に発売されます。エロゲーレビュー本だというのにモノクロ。肌色少なすぎです。
しかし、紙面からCMYを抜き取ってなお魅力度大なムックですよ。『魔法少女まどかマギカ』・『鬼哭街』・『沙耶の唄』の虚淵玄さん、「Nice Boat.」ちがう『School Days』・『シスタープリンセス』・『センチメンタルグラフティ ファーストウィンドウ』のメイザーズぬまきちさんがじっくりと語っているロンガーなインタビュー記事があるんですからっ!
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虚淵 だからニトロプラスという会社が軌道に乗り始める一方で、自分は次に何をするべきか迷い始めた時期なんですよ。
ーー それはゲームだけに限らず、アニメでもアリという?
虚淵 それこそBLゲーもありだなぐらいの勢いで考えてました。
ーー その試行錯誤の末にできた一本が『沙耶の唄』というのが、また、すさまじいですよね。エロゲーどころか人類の枠を揺るがすエロゲーになってましたし。
虚淵 そんなはずなかったんですけどね。『デモンベイン』が明るいクトゥルフものとして成り立っちゃったんで、悔しくなったんですよ。「本当のクトゥルフは怖いよ!」っていう、僕の釈然としない感じをぶつけるだけぶつけて、こっそり東口借りていいですかって。(本文16ページ)
ぬまきち 私自身も私生活がすさんでいた頃なので、それも影響してるじゃないかっなって(笑)
ーー (主役の)誠を幸せにしてたまるか、と(笑) でもヒロインの言葉も世界も、結局は別の方向で病んでいるのがひどいですね。
ぬまきち でも昼メロはみんなそうですよ(笑) 当時昼メロで、さんざん女性同士がもめた挙句に、主人公がイヤになってゲイに走っちゃう話とかありましたね。なんでもありだなあって思いましたよ。
(中略)
ーー どのルートであれ誠の行いは刺されても仕方ないほど酷いですよね。そこは狙ってましたか?
ぬまきち その意図はあったと思います。でも、クズというつもりではなくて。目指したところとしては童貞力的な、女の子と付き合い慣れていない男子はこうなるよねっていう。(本文218-219ページ)
虚淵さんの記事は作品作りの話からエロゲービジネス全体に対するコメント、メイザーズぬまきちさんの記事は『School Days』テレビ放送や『Summer Days』2.3GB超巨大修正パッチの舞台裏、Overeflow休止の真相などなど、2000年以降のエロゲー文化論を語る上で欠かせないトピックスだらけ。
レビュー記事もピックアップされているタイトルがすばらしーい。鉄板タイトルな『車輪の国、向日葵の少女』の次に並べられているのが『ゴア・スクリーミング・ショウ』。とことんパロディに振った『遊撃警艦パトベセル』に名シリーズかつリセットかわいいな『ランス・クエスト』などなど、いろんな意味で後生に残る、残したいタイトルを押さえたバイヤーズガイドになっています。
エロゲー好きな人はもちろん、エロゲーをプレイしない人にもおすすめ。かのジャンルのストーリーがどれだけあばれはっちゃくなのかを、この1冊で見てみましょう。
超エロゲー ハードコア[太田出版]
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