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ZOZOTOWNに聞いた、20代のモノ選びはブランドより"良質な体験"と"インタレストグラフ"

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「良いモノ、必要なモノ」を
厳選して購入する世代です


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ブランドを重視した30代以上の世代とは異なり、購入時に「自分のスタイルに合っているか」を何よりも重視するのがプレッシャー世代(※)だ。「要・不要」をシビアに判断するこの世代の“モノ選択力”について、ファッション通販サイト『ZOZOTOWN』を運営するスタートトゥデイの小高洋介さんが解説する。


「自分の価値観」でモノを選ぶ世代

プレッシャー世代は、他の世代と比べて「自分自身の価値観」に基づきモノを選ぶ傾向が強い。無数にあるアイテムを前にして、「本当に必要か」「末永く使えるか」「要らなくなっても価値はあるか」といった点を選択基準としているからだ。

「現代は人々のモノを見る目がシビアになり、淘汰によって良いものだけが残っていく時代だと思います」と話すのは、日本最大級のファッション通販サイト『ZOZOTOWN』を運営する株式会社スタートトゥデイのマーケティング本部広告宣伝部ディレクター小高洋介さんだ。

「当社の平均年齢は約28歳。まさにプレッシャー世代の真ん中です。ウェブサイトに関わるスタッフ全員の共通認識として、自分がユーザーだと想像して『どのように見せられたら服が欲しくなるか』『どういうふうに紹介されたら、このサイトに興味を持って訪問したくなるか』を徹底しています。スタッフ自身が面白いと思えるモノ、感動できるコトは、同世代のお客様に伝わるのではないかと考えているからです」

現在25~30歳といえば、社会人としても数年が経過し、自由に使える所得の増えてくる時期。今、この年齢層にあたるプレッシャー世代のお金の使い方の傾向はどのようなものなのだろうか。

【プレッシャー世代】とは
最近、ネット界やビジネスシーン、学問の世界などで新世代が台頭し始めている、現在25歳から30歳(1982-1987年生まれ)の 世代。ゆとり世代と氷河期世代の間に位置。人気ブロガー“sugio”さんが2007年に命名。ネット上で生まれ、ネット上で話題となった。sugioさ ん曰く「’82 年生まれの北島康介さんのように、人生の大一番で実力をフルに発揮できる有名スポーツ選手が目についた。下のゆとり世代や上のポスト団塊ジュニア世代に比 べて、明るい中にも独特のピリっとした雰囲気を漂わせる方が多いように見受けられた。そこに彼らが過ごした時代性が反映されているのではないか、様々なプ レッシャーに耐えてきた世代なのではないかと考え命名した」とのこと。ここ一番で強さを発揮する、明るさの中に緊張感を秘めた世代。

●若者世代がモノを買わないのはウソだった!データで見る「プレッシャー世代白書」
 [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/9702 ]
●27歳の社会学者・古市憲寿が<プレッシャー世代>を分析!
 [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/9618 ]

「現在のプレッシャー世代はライフステージの区分で言うと、『自分のための買い物』に最も多くのお金を使える世代です。10代の頃から培ったモノを見る目も熟していますし、自分に似合う服も自覚しています。この世代の特徴は、周囲に同調してモノを手に入れようとするのではなく、『自分の価値観と照らし合わせて良いと思えるモノ、必要なモノ』を厳選して購入する傾向が強いことだと思います」

ワクワクしながらモノを買いたい

では、安くて丈夫、かつ無難に良質なモノならば、それで良いのかというと、そうはならない。そこそこの品質で安い値段というマーケットは、すでに100円均一などに押さえられてしまっている。一方、ZOZOTOWNは1900以上のブランドを取り扱う巨大な通販サイト。高品質なアイテムを原則として定価で提供している。

「ZOZOTOWNのお客様は、数万円のシャツやデニムをご購入なさっています。量販店に2000円の廉価なデニムが溢れる中、自分が良いと思った3万円の良質なデニムをご購入くださるお客様の心を僕なりに考え、仮説を立てました。それは『お客様は、単に洋服を購入しているのではなく、洋服の購入を通じて、良質な体験を買っているのではないか』というものです」

小高さんによる仮説はこうだ。自分が良いと感じる良質な服を着て、デートをしたり、遊びに出かけたり、アミューズメントパークに行ったりするほうが、よりワクワク感の大きいスペシャルな体験になる。服を買う際、その服を着て出かけるときのこともイメージして買い物をしている、ということなのだ。

「これはファッションに限った話ではありません。たとえば食器でも安いからという理由だけで買ったモノよりも、陶芸市に行って作家と話しながら自分で選んで買ったモノの方が愛着を持てる。このTシャツを着てどこへ行こうか、それは楽しいだろうなと想像している。そのモノを所有したとき、自分はどれくらいハッピーになれるのか、そのハッピーはどれくらい続くのかということをイメージした上で、購入しているということです。そしてそのような基準でモノを選ぶ能力が特に高いのがプレッシャー世代を含む、30歳前後の人々だと思います」

2大ファッションブームの洗礼

ZOZOTOWN利用者の平均年齢は30.5歳、ユーザーの多くはまさにプレッシャー世代。上の世代と比べて、服やファッションアイテムの買い方に、世代的な特徴はあるのだろうか。

小高さんはまず、世代を超えた男性消費者の特徴としてコレクション癖を挙げた。ひとつのブランドにハマると、それをずっと買い続ける傾向があるということだ。

その上で、世代による違いとして、30代半ば以上の世代では「ブランドネーム」を重視する傾向があるのではないか、と小高さんは言う。例えば、高級外車に乗ることがステータスであれば手に入れたいと思うなど、「ブランド」に価値や魅力を感じ、そこに投資する。

一方、プレッシャー世代を含む30代半ば以下の世代は、「モノそれ自体」を見て、自分に合っているかどうかを第一に考えつつ、本当に必要か、そうでないかも含めた「選択」を繰り返してきたという。

「もし似たようなモノに出会って、どちらか一方を選ぶという判断を迫られたら、『どの店で、誰から買うのか』『誰がデザインしたのか』『他のアイテムとは何が違うのか』などを考えて買い物をする傾向が強い」と小高さんは説明する。

「この世代には10代の頃、空前のスニーカーブーム(エアマックスブーム)が直撃しています。それから数年後には裏原宿ブームが起こるという、2大ファッションブームを体験している世代です。このブームの全盛期のときにはまだ小中学生だった現在25-27歳の人たちも、兄姉や先輩たちの様子を目の当たりにするなどして影響を強く受けているでしょう。ファッションの最も盛り上がっていた時代と、ファッションに最も敏感な時期が重なっていたのです。そのため、『オシャレは、日々の生活をより楽しくするのだ』ということを本能的に知っている世代とも言えますね」

どちらがカッコよくて、どちらがダサいのか。そうした判断を10代の頃から繰り返して来たプレッシャー世代は、ファッションアイテムを選ぶことについての経験値が飛び抜けて高い。

「単にブランドタグが付いているだけでは見向きもしません。一方、自分が納得できる良いモノであればきちんと価値を認めて、定価を払うことに抵抗がありません」

この世代のモノ選びの傾向について小高さんの分析はこうだ。

「プレッシャー世代は、内部で若干の年齢差はありますが、ファッションブームの洗礼を浴びたことでセンスやモノ選びの考え方が鍛えられている点は共通しています。さらに、プレッシャー世代の中でも若い年齢層では、全体的に『着回しのしやすさ』や『組み合わせの自由度』、そして『価格』を重視するなど、ファッションをトータルに考えていることが多いと感じます。もちろん、尖がっていてこれに当てはまらない人もいますが、モノ選びの傾向としてはややコンサバティブで現実路線です。とはいえ、ケチとは違います。自分の価値観をしっかり持って買い物をしているのが、プレッシャー世代なのです」

<プレッシャー世代が体験した2大ファッションブーム>
プレッシャー世代は大きなファッションブームを2度経験した。
ひとつは90年代半ばに吹き荒れたスニーカーブーム。もうひとつは、東京・原宿発のブランドが時代をリードした、90年代半ばから00年代前半にかけての「裏原」ブームだ。

●スニーカー
・ インスタ・ポンプフューリー/リーボック(’94年)
・ エアマックス95/ナイキ(’95年)
・ エアズームフライト95/ナイキ(’95年)
・ エアフットスケープ/ナイキ(’96年)
・ ディスク・エヴォリューション・ヌバック/プーマ(’97年)
・ ウォーターモカシン/アディダス(’97年)

●「裏原」ブランド
・ A BATHING APE(’93年)
・ NOWHERE(’93年)
・ NEIGHBORHOOD(’94年)
・ UNDERCOVER(’94年)
・ BOUNTY HUNTER(’95年)
・ DEVILOCK(’96年)
・ MACKDADDY(’97年)
・ REVOLVER(’98年)

ソーシャルグラフよりもインタレストグラフが有効

このようなモノ選びの傾向を持つプレッシャー世代に対して、どのようなマーケティングが有効なのだろうか。キーワードは「インフルエンサー」、そして「ソーシャルグラフよりもインタレストグラフ」だ。

インフルエンサーとは、特定のコミュニティのなかで影響力を持っている人物のこと。モノを見る目が厳しい現代こそ、本当に良いモノを知っていて、目利きのできる人による情報発信が求められている。広告や宣伝に左右されずに、モノの価値を判断するには、そうした人物が何を選んでいるかをチェックすることが近道なのだ。
「CtoC(消費者to消費者)の世界はお客様同士のつながりでビジネスが伸びていきます。売り手からのオススメ情報だけでは信憑性が低い。お客様同士の立場で『このアイテムがアツい』と言っていただく方が信憑性は100倍高いかもしれません」

人間関係を図にするソーシャルグラフも、モノ選びや買い物のキッカケになることが多い。しかし「近しい人と同じ服は買わない」のがファッションの基本。普段の人間関係とは異なる「関心の関係」を図にするインタレストグラフを用いたマーケティングが有効である可能性が高い。

「新しい発見があるようなインタレストグラフをつくり、お客様の中からインフルエンサーが自然発生するようなプラットフォームを構築することが、対プレッシャー世代戦略のカギになると思います。僕たちも試行錯誤をしながら、『良いモノ』『新しいモノ』を広めていけるように努力していきます」と小高さんは締めくくった。

(雑誌「ウレぴあ」秋号より  尾崎和行(ノーバジェット) = 取材・文  高岡 弘 = 撮影)

おだか・ようすけ●1981年生まれ。日本最大級のファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営する株式会社スタートトゥデイで、マーケティング本 部広告宣伝部ディレクター(部長職)を務める。CM や広告などメディアプロモーション全般に加え、他企業との協業も手がける。

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■特集1
ゆとり世代じゃない! 「世の中」を変える世代、初の徹底研究!
プレッシャー世代(25-30歳、1982-1987年生まれ)が変える力・身につけるべきこと

・世代分析…古市憲寿、世代白書
・情報発信力…イケダハヤト、クリエティブ力…gloops、起業・ビジネス力…片桐孝憲(ピクシブ社長)/菅澤聡(タダコピ創業者)
・恋愛力…峰なゆか、仲間・チームワーク力…丸山桂里奈(なでしこジャパン)、ファッション・モノ選択力
・バブル世代・氷河期世代からの提言(勝間和代、笠原健治ほか)、ゆとり部下攻略法
・20代までに絶対身につけるべきこと

■特集2
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