日本で海外の映画が公開される場合、タイトルを日本人向けにアレンジして付け直すことがあります。これを邦題といいます。最近の邦題はある程度、原題を尊重したものになっていますが、ひと昔前は本当にムチャクチャ。特にホラーやサスペンスの邦題はヒドイものでした(笑)。今回はそんなトンでもない邦題たちを紹介します。
●バタリアン
1985年に公開されたホラー映画。有名な作品なので、あまり映画に詳しくない人でも、このインパクトのあるタイトルだけは聞いたことがあるかもしれません。原題は『Return of the Living Dead』。直訳すれば『ゾンビの帰還』みたいな感じでしょうか? バタリアンというのは英語で大群という意味で、この邦題がきっかけで『オバタリアン』という流行語は生まれたそうな。
●悪魔のゴミゴミモンスター
ロバート・L・バーリル監督が町おこしのために作ったというSF映画。原題は『MILPITAS MONSTER(ミルピタスモンスター)』。とりあえずモンスターという部分は合っている。巨大なハエがミルピタスという街を襲うストーリーだが、お粗末なデキだったため日本では劇場公開はされず、ビデオが発売されたのみとなった。 ハエだからゴミゴミ……ちょっと強引。
●夜霧のジョギジョギモンスター
1987年に制作されたインドネシアの映画。原題は『PENGABDI SETAN』、英題では『SATAN'S SLEEP』とされているので、直訳すると『サタンの眠り』という感じでしょうか。内容は神様を信じない一家を魔女が襲い、次々と家族をゾンビに変えていくというもの。だけど邦題の自由奔放さが内容を食っちゃってる感じがします(笑)。
●ホラー喰っちまったダ!
もう出オチ感ありまくりのタイトル。原題は『MICROWAVE MASSACRE』なので、『虐殺の電子レンジ』ぐらいが適当かもしれませんが、そうは問屋がおろさなかったようで(笑)。内容が人食い殺人鬼の話なのでそのへんからインスパイアしたんでしょうけど……ちょっと斜め上でした。
●悪魔のかつら屋
1967年のホラー映画。原題は『THE GRUESOME TWOSOME』なので直訳すれば『陰湿なふたり』になります。しかし邦題化の洗礼を受けた本作は見事に内容がひと目でわかるタイトルになりました。内容は本当にタイトルのまま。かつら屋の親子ふたりがかつら用の髪の毛を調達するために人間を襲うというもの。72分しかない上に、あまり必要のないシーンが詰め込まれている本作。カルト映画のになるのもうなづけます。
●サスペリア2
イタリアのホラーの名匠、ダリオ・アルジェント監督の傑作ホラー映画ですが、原題はまったく違います。原題は『Profondo(イタリア語で深紅)』なのでサスペリアとは全く関係ありません。『サスペリア』(こちらは原題もSuspiria)という作品は別にあり、こちらが日本で公開されて大ヒットしたので、サスペリアとは全く関係ない本作を急きょ"2"に仕立てて公開にもちこんだのです。しかもサスペリアよりも前に製作、公開された映画なのに。無茶苦茶です(笑)。
●超能力学園Z
化学実験の失敗によって超能力に目覚めた高校生が、その力を使って様々なイタズラをするという1982年制作のSFコメディ映画。原題は全然違う『Zapped!(やっちゃったぜ!)』。超能力と学園までは非常にその通りなのですが、最後の"Z"がよくわかりません。ちなみに続編『Zapped Again!』も作られましたが、あえなく邦題化の洗礼に遭い『超能力学園Z PART2 パンチラ・ウォーズ』という欲張りすぎ感満載のタイトルでテレビ放映されました。
●武装強盗団/俺たちに明日はない2
『俺たちに明日はない(原題:Bonnie and Clyde)』はアカデミー賞10部門にノミネートされるほどの名作として知られているが、その名作の続編っぽいタイトルがつけられた本作は超がつくほどのカルト映画。しかも『俺たちに明日はない』よりも前に制作されていたにも関わらず、"2"がついている。ここまでくるとちょっと意味不明です。
●沈黙の陰謀
有名な沈黙シリーズですが、沈黙がつけられているのは邦題だけ。沈黙の陰謀は『The Patriot』、沈黙の要塞は『On Deadly Ground』、沈黙の戦艦は『Under Siege』といった感じでなにひとつ原題は沈黙していません。
●ベルリン忠臣蔵
1985年制作の西ドイツの映画。原題は『SUMMER OF SAMURAI(夏の侍)』。現代のドイツに大石内蔵助が蘇り、悪い事をする会社の人間を成敗していくという内容からしてトンでもな作品。大石内蔵助=忠臣蔵ということでつけられた邦題なのですが、作品の舞台はハンブルグでベルリンはまったく関係なし(笑)。
70年~80年代にはこういったインパクトのあるハチャメチャな邦題がつけられていました。当時は勇気と勢いのある映画マンや宣伝マンが多かったことがうかがえます(笑)。これら以外にもおもしろい邦題がつけられた作品は多くありますので、気になる人は調べてみるのもいいかもしれませんね!
(貫井康徳@dcp)
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●バタリアン
1985年に公開されたホラー映画。有名な作品なので、あまり映画に詳しくない人でも、このインパクトのあるタイトルだけは聞いたことがあるかもしれません。原題は『Return of the Living Dead』。直訳すれば『ゾンビの帰還』みたいな感じでしょうか? バタリアンというのは英語で大群という意味で、この邦題がきっかけで『オバタリアン』という流行語は生まれたそうな。
●悪魔のゴミゴミモンスター
ロバート・L・バーリル監督が町おこしのために作ったというSF映画。原題は『MILPITAS MONSTER(ミルピタスモンスター)』。とりあえずモンスターという部分は合っている。巨大なハエがミルピタスという街を襲うストーリーだが、お粗末なデキだったため日本では劇場公開はされず、ビデオが発売されたのみとなった。 ハエだからゴミゴミ……ちょっと強引。
●夜霧のジョギジョギモンスター
1987年に制作されたインドネシアの映画。原題は『PENGABDI SETAN』、英題では『SATAN'S SLEEP』とされているので、直訳すると『サタンの眠り』という感じでしょうか。内容は神様を信じない一家を魔女が襲い、次々と家族をゾンビに変えていくというもの。だけど邦題の自由奔放さが内容を食っちゃってる感じがします(笑)。
●ホラー喰っちまったダ!
もう出オチ感ありまくりのタイトル。原題は『MICROWAVE MASSACRE』なので、『虐殺の電子レンジ』ぐらいが適当かもしれませんが、そうは問屋がおろさなかったようで(笑)。内容が人食い殺人鬼の話なのでそのへんからインスパイアしたんでしょうけど……ちょっと斜め上でした。
●悪魔のかつら屋
1967年のホラー映画。原題は『THE GRUESOME TWOSOME』なので直訳すれば『陰湿なふたり』になります。しかし邦題化の洗礼を受けた本作は見事に内容がひと目でわかるタイトルになりました。内容は本当にタイトルのまま。かつら屋の親子ふたりがかつら用の髪の毛を調達するために人間を襲うというもの。72分しかない上に、あまり必要のないシーンが詰め込まれている本作。カルト映画のになるのもうなづけます。
●サスペリア2
イタリアのホラーの名匠、ダリオ・アルジェント監督の傑作ホラー映画ですが、原題はまったく違います。原題は『Profondo(イタリア語で深紅)』なのでサスペリアとは全く関係ありません。『サスペリア』(こちらは原題もSuspiria)という作品は別にあり、こちらが日本で公開されて大ヒットしたので、サスペリアとは全く関係ない本作を急きょ"2"に仕立てて公開にもちこんだのです。しかもサスペリアよりも前に製作、公開された映画なのに。無茶苦茶です(笑)。
●超能力学園Z
化学実験の失敗によって超能力に目覚めた高校生が、その力を使って様々なイタズラをするという1982年制作のSFコメディ映画。原題は全然違う『Zapped!(やっちゃったぜ!)』。超能力と学園までは非常にその通りなのですが、最後の"Z"がよくわかりません。ちなみに続編『Zapped Again!』も作られましたが、あえなく邦題化の洗礼に遭い『超能力学園Z PART2 パンチラ・ウォーズ』という欲張りすぎ感満載のタイトルでテレビ放映されました。
●武装強盗団/俺たちに明日はない2
『俺たちに明日はない(原題:Bonnie and Clyde)』はアカデミー賞10部門にノミネートされるほどの名作として知られているが、その名作の続編っぽいタイトルがつけられた本作は超がつくほどのカルト映画。しかも『俺たちに明日はない』よりも前に制作されていたにも関わらず、"2"がついている。ここまでくるとちょっと意味不明です。
●沈黙の陰謀
有名な沈黙シリーズですが、沈黙がつけられているのは邦題だけ。沈黙の陰謀は『The Patriot』、沈黙の要塞は『On Deadly Ground』、沈黙の戦艦は『Under Siege』といった感じでなにひとつ原題は沈黙していません。
●ベルリン忠臣蔵
1985年制作の西ドイツの映画。原題は『SUMMER OF SAMURAI(夏の侍)』。現代のドイツに大石内蔵助が蘇り、悪い事をする会社の人間を成敗していくという内容からしてトンでもな作品。大石内蔵助=忠臣蔵ということでつけられた邦題なのですが、作品の舞台はハンブルグでベルリンはまったく関係なし(笑)。
70年~80年代にはこういったインパクトのあるハチャメチャな邦題がつけられていました。当時は勇気と勢いのある映画マンや宣伝マンが多かったことがうかがえます(笑)。これら以外にもおもしろい邦題がつけられた作品は多くありますので、気になる人は調べてみるのもいいかもしれませんね!
(貫井康徳@dcp)
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