マキシマムな全19チャプターをマキシマムスピードでおさらい!
美しすぎるFPSとして個人的期待度大の『クライシス3』。しかし諸手を揚げて皆々様にお薦めできぬ事情もあります。なぜなら! 『クライシス2』のストーリーを知ってこそ『クライシス3』のキャンペーンが待ち遠しくなるというシナリオ的な仕掛けがされているからなのです!
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『クライシス1』の全話解説前編・後編をお読みいただいたかたはご存じのとおり、『クライシス1』の舞台はフィリピン海にあるリンシャン島(靈山島)、広大なジャングルマップでの戦闘がwktkなゲームでした。しかし、『クライシス3』はニューヨークが舞台。海も大陸も超えた先にあるステージになぜ移ったのか。そのあらすじをぜひご覧くださいませ。
*
時は『クライシス1』から3年後の2023年。ニューヨークで大規模なパンデミックが発生。警察組織の信頼性が落ちる中、大統領に信任されたC.E.L.L.というPMCが市内を封鎖し治安維持を図る。その時プレーヤーキャラクターであるアメリカ海兵隊武装偵察部隊ことフォース・リーコンの隊員、アルカトラズはネイサン・グールド博士の救出作戦に従事していた。
潜水艦で湾内に進行中、チームメンバーが「これは災害派遣だ」と話しているその時、謎の襲撃を受ける。なんとか脱出するも、さっきまで話していたフォース・リーコンメンバーのチノがいない。無口なアルカトラズにかまってくれたいい人だったのに...。
海面には多くの死体が浮かんでいた。自由の女神も崩れかかっている。そして謎のガンシップからさらなる攻撃を受ける。薄れる記憶の中、ところどころ見えたのはナノスーツ! ナノスーツを着たプロフェット隊長がガンシップを撃ち落としている姿だった。
「運命なんてクソ食らえだよな?」とアルカトラズを助けてくれる隊長。さすが筋肉の中のキンニクです。
と思いきや! 何故かいきなりのホラーなシーンが! 気がついたらアルカトラズはナノスーツを着込んでいるし、死体があるし、プロフェット隊長が「お前とグールドが人類の希望なんだ」としゃべるシーンがフラッシュバックするし、「私は感染してしまった」と自殺する瞬間まで思い出しちゃうし! なんなの!?
そこに聞こえてきたのが無線の声。内容をくみ取るに話しているのは海兵隊ではない様子。あたりはGが歩きまくりハエが飛びまくるモルグみたいだし、1秒でも長くこんなところに居たくないよ...。
するとグールドからナノスーツに直接通信がはいってくる。彼はアルカトラズをプロフェットと間違えているようだけど、肺がやられてしまったアルカトラズは返答できない。「とりあえず聞け、敵が,C.E.L.L.が君を追っている」と話し続けるグールド。外に出ると、どこかの兵隊がうずくまっていた市民らしき人を撃っている。なんだなんだこの戦場は。どうしたらいいのか一切合切わかりません。ここでナノスーツがアップデートして、狼藉を働いていた兵隊を敵と認識してくれる。そうか、とりあえずこの兵隊たちから逃げたり、マキシマム☆暗殺すればいいのか!
クローク(透明化)をつかってうろうろしていると、ロックハートというC.E.L.L.の司令官がプロフェットを追っていることがわかる。さらにはナノスーツそのものがいけないウイルスをまき散らす原因だということも。
プロフェット隊長の最後のシーンを思い出してみる。確か彼は「感染した」と話していた。つまりC.E.L.L.はバイオハザードの原因となったプロフェット隊長を確保・隔離することを目的としているようだ。
でもぼく、アルカトラズだよ?
隊長ちゃうよ?
無実だよ?
でもしゃべれないよ?
ナノスーツ着ているから顔もわからないよ?
...!
*
というわけで、ニューヨークの街を駆け回りながら、C.E.L.L.から逃げまどうストーリーが始まるのでした。
C.E.L.L.の司令官ロックハートが「あいつ、えんがちょ。ダーイ」としたプロフェット隊長...に間違われたアルカトラズ! 飛び交う銃弾! 死ぬ!
*
しかしグールドの通信を聞いていると、アルカトラズが投降すればいいという話ではなさそう。それに『クライシス1』で大暴れしてくれたエイリアン、セフも出現したという。そもそもアルカトラズはグールドの救出が目的だったわけだし、ここは彼と合流するのがいいだろう。
プロフェットを探す部隊、街を封鎖している兵たちをマキシマムな感じでクリアして、地下鉄駅構内に入ると、そこには半分溶けかけた人がいる。ただでさえ薄暗くなっているのに! こわっ! 間違えて撃っちゃうところだったよ!
...しかし、どうやら彼らが「感染者」の様子。もしC.E.L.L.のいうように、プロフェットがこの事態を起こしたとしたら、キツイね...。
ロックハートの無線を傍受すると、このパンデミックを食い止める術はまだ見つかっていない様子。市民を避難させることまかりならん、として、街全体に射殺許可が出されているようだ。
続いてエイリアンとC.E.L.L.の交戦シーンに遭遇する。エイリアンのガンシップにひき逃げされながらもどっこい生きてるアルカトラズ。そして墜落したガンシップの船体をスキャンするアルカトラズ。何がスゴイってナノスーツがすごいよ。『クライシス1』のナノスーツより、絶対にグレードアップしている。
その一環が垣間見られるのが、初めてのエイリアンとの遭遇シーン。「オ前ダレ?」といった感じであいさつという名のクロー攻撃を受けるもウイルスらしい物質の侵入を防いでしまう。「アレ?」と首をかしげるエイリアンがちょっとかわゆい。彼はすぐに、C.E.L.L.との戦闘に戻ってしまうが、いったいこのナノスーツは...。
*
実は『クライシス2』に登場するナノスーツは最新型。エイリアンが持つナノカタリストを使って様々な機能をアップグレードしたり、エイリアンへの対策が進んだナノスーツ2.0。「クライシス」では1回攻撃を受けると透明化が解除されたが、ナノスーツ2.0はエネルギーを消費するだけに留まっている。つまりクロークしてのランボープレイがしやすくなっているわけで! エイリアンはアルカトラズがクロークしていても銃撃した場所につっこんでくるために芋砂(いもむしのように這いずりながらスナイピングすること)するのは難しくなったけどね。
閑話休題。この後はC.E.L.L. vs エイリアン vs アルカトラズの3勢力による市街戦が続く。そしてグールドと合流してナノスーツを調査するのだが、アルカトラズが見たプロフェットの最後のシーンがモニターに映し出される。
...これ、自分の記憶じゃなかったんか...。まだまだ謎だらけですナノスーツ。
結果ナノスーツには、エイリアンから仕入れたバイオコードが侵入しているということがわかった。ナノスーツ内部のデータを書き換えているようだが、グールドの研究室では調べられない。では、どこでなら調査できるのか。「ルーズベルト島にあるハーグリーブの研究所、プリズン」でならわかる、という。
ハーグリーブはC.E.L.L.の親会社、クライネットのCEOで、ナノスーツを開発した人物。確かに、彼の研究所でなら...。
しかしグールドの研究所からは何マイルも離れているので、まずはウォール街にあるC.E.L.L.の指揮所でナノスーツを調べることにしたが、ここで怒りに燃えるロックハート参上! だから俺は熱源隊長じゃないって!...と、声を出せないから言うことができないアルカトラズ。仕方なく拘束されるが、今度はエイリアンが急襲! 二転三転のどんでん返しの後、プロフェット隊長の昔の記憶が再生され、『クライシス1』でなぜ彼らの部隊が投入されたのかが明かされる。
プロフェットはハーグリーブ指示の元で動いており、エイリアンのサンプルを持ち帰り、見たままを報告することを命令されていた。つまり「熱源がほしいな」と凍えちゃう直前の行方不明時は、このミッションをこなしていたのだろう...。そしてプロフェットはリンシャン島にもともとエイリアンがいたことを知っていた、と。
ああ、サイコがブチ切れるのもわかります。
ここでアルカトラズのナノスーツに、ハーグリーブから直接通信が入ってくる。そしてエイリアンの目的が人間にしかかからない感染病で人体を溶かし、環境負荷をかけることなく人類滅亡を狙っているを知らされる...。
エイリアンの真の狙いをハーグリーブおじいちゃんから教えてもらう。でもぼく知ってる。物語の中盤で出てくるおじさん系は何か隠している系だって。
*
ハーグリーブに指示されながら、エイリアンが植え付けた胞子管などを破壊していくアルカトラズ。その都度、ナノスーツ2.0が進化していく。感染症の原因となっているウイルスをナノスーツ内で解析し、ワクチンを作ろうとしている...って、何度も言うけどナノスーツ! あんた! どこまでデキるコなの!?
マディソンスクエアガーデンで海兵隊と合流し、生存していたチノとも再会する。ナノスーツなしにエイリアンを滅殺しているあたり、フォース・リーコンの実力や見たり、だ。
他の兵を助けつつ彼らに援護させつつどんどん進むアルカトラズ。このあたりにくると強力な武器が大量に放置プレイされているので、ランボーよろしくM60機関銃(Mk.60 mod 0)を撃ちまくってエイリアンを殺りまくれるようにもなる。
次なる目的地はクライネットの親会社でもあるハーグリーブ・ラッシュ社。ここでバイオプロトコルのサンプルを手に入れなければならないという。C.E.L.L.の親の親会社なのだから、スムースに入れると思いきや、怒りに狂いまくったロックハートが指揮するC.E.L.L.とはまだ闘わなくてはならない。ハーグリーブが何いっても聞かないんだもん、アイツ。
エイリアンの攻撃が激しくなってきた。ニューヨーク市街に閉じ込められていた市民を救い出すために軍が動き出す。アルカトラズも市民と一緒に避難しようとしているグールドを守るために参戦する。
軍もタイムズスクエア前からVTOLで避難しようとしたその時、地面が割れ巨大なタワーが姿を現す。ハーグリーブいわくあれは広域型生物兵器で、アルカトラズじゃなければ止められないという。単身潜り込んだそのとき、ナノスーツが感染症のワクチンを完成。ウイルスを反転させ、エイリアンにだけ効果があるウイルスへとモデルチェンジしてしまう。ナノスーツ! あんたってコは!(以下略
エイリアンおよび感染症の対策に見込みが立った。そこでアルカトラズはルーズベルト島のプリズンにいるハーグリーブを迎えに行く。現地を守っていたロックハートと一戦を交えるが、彼は最後までプロフェット(アルカトラズ)のナノスーツが原因でこの事態が起きたと信じて疑わなかった...。悲しい物語です...。
そしてハーグリーブと会える直前、ナノスーツの機能がEMPによりオフ。もう、なにもできなくなり、ハーグリーブの裏切りを知った...と思ったら、ナノスーツの視界内にドットな隊長出現!
「どうした海兵! まだ死ぬのは早いぞ! 立ち上がって戦え!」
って、ええええええええ!?
そうなんです、ナノスーツの中にはプロフェット隊長の意思が根付いていたんです!
窮地を脱して、やっと裏切り者のハーグリーブがいる部屋に入るとそこには冷凍保存されている身体が。
そうなんです、ハーグリーブは100年以上も前に生まれたおじいちゃん中のおじいちゃんだったんです! 彼は1908年のツングースカ爆発の原因となったエイリアンの宇宙船を調べ彼らのテクノロジーを入手、それをベースにハーグリーブ・ラッシュ社を設立したり、ナノスーツを作ったり。いまアルカトラズが着ているナノスーツ2.0はまだ未完成なものでしたが、エイリアンの戦闘などにより進化させ、完成の暁には自分で着込んでエイリアンとの最終戦争に立ち向かう気でいたんです。
なんなのもー。人間側に悪人、いなーい。
というわけでもう目的はエイリアンの殲滅のみ。セントラルパークの地中から浮き上がったラピュタ空中都市で決着をつけるアルカトラズ。おめでとう!おめでとう!
*
さあ、プロフェット隊長! 最後の一言を!
「ちょっとした冒険だったろ?」
なんでやねん! なんでそんなに軽いねん!
「死んだと思ったろ?俺もそう思った。でもナノスーツがすべてを変えたんだ。エイリアンがスーツを通じて俺の中に入ってきた。だから俺はエイリアンに乗っ取られる前にスーツとのリンクを切らなければならなかったんだ。それに俺の目の前で死にかけていたお前が...。まあ、ああやるしかなかったんだ。で、だ。エイリアンは遙か昔からここにいたんだ。リンシャン島だけじゃない、ニューヨークだけでもない。いたるところであのウイルスを作っていたんだ。...いいか、今日は勝利したが、終わりはまだはるか先だ。おまえも俺も、まだ死ぬわけにはいかん。さあ、戻ろう。必要とされている場所へ...」
そして最後にもサプライズ。助けに来た兵隊にアルカトラズがしゃべった、と思ったら「皆は俺をこう呼ぶ...プロフェットと...」でシメ! えええ!
* なんという最高のB級な物語。そして『クライシス3』へと続くストーリー。ボリューミーっぷりがハンパないので、できることなら実際にプレイして味わってほしい!
[プロフェット隊長の秘密基地]
クライシス3[EA Japan]
(武者良太)
クライシス 3 予約特典:ハンターパックDLC&クライシス1DLC同梱、Amazon限定特典:ストーカーパックDLC 付き
クライシス 3 予約特典:ハンターパックDLC&クライシス1DLC同梱、Amazon限定特典:ストーカーパックDLC 付き
クライシス 3 (初回特典『ハンターパック 入手コード』、Amazon限定外付特典:「ストーカーパック」DLコード付き)
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