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コウモリは「富の象徴」なんですって!

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実は、2011~2012年は「国際コウモリ年」でした!え、知らなかった?しかも毎年ハロウィーンといえば、コウモリがホラーキャラとして活躍しています。コウモリ好きな私としては、この「あまり知られていないのに嫌われ者」のイメージをくつがえしたい!

そこで、北海道でコウモリをはじめ魅力的な野生動物写真を撮られている、写真家の中島宏章さんに聞いたお話を中心に、かわいくて面白いコウモリの素顔を紹介しましょう!



■鳥なの?何なの?いっぱいいるのに、あんまり知られていないコウモリたち

世界で種類の多い哺乳(ほにゅう)類といえばネズミの仲間。そのネズミについで多いとされているのがコウモリの仲間です。
日本ではそのネズミより多い37種(※)のコウモリが確認されているそう。実は日本にいっぱいいるのにあまり知られていない生き物。
え?鳥じゃないですよ。翼で飛びますが、私たちと同じ哺乳(ほにゅう)類。赤ちゃんコウモリはママコウモリのおっぱいで育ちます。
※このうち2種は絶滅して現在は35種と言われています

■ほとんどのコウモリは吸血しないのだ!

ドラキュラ映画のせいか、コウモリには吸血のイメージが染みついています。しかし、日本に吸血コウモリはいません。それどころか、世界にだって吸血するのは中南米にいる3種だけ。
たまーにヒトの血を吸うと言われているのが、その中のナミチスイコウモリただ1種だけなんですよ。

■あなたの町でもきっと見られる!意外に身近なコウモリのおうち

コウモリはだいたいがオオコウモリの仲間とコガタコウモリの仲間に分けられます。日本にいる種類はほとんどがコガタコウモリ(オオコウモリは南西諸島と小笠原諸島に2種生息するのみ)。
コガタコウモリはその名の通り小型で、体長は約4?10cm。翼を広げると20?40cmほど。翼もカッコイイけれど、可愛いポイントはその体。ちっちゃくて、毛で覆われていて、思わずなでなでしたくなるほどフワッフワなんです。
そして、探検隊が突入する恐怖の洞窟のような場所にコウモリが棲むと思っている皆さんに知ってほしいのが、「実はとっても身近な存在」だってこと。
もちろん洞窟(どうくつ)をすみかにする種類もいますが、日本では洞窟以外で暮らすコウモリが多いそう。天井裏や軒先、高架下、樹洞、公園などなど、都心でも結構ヒラヒラ飛んでいます。本州以南ではアブラコウモリがよく見られていますよ。

■見つけたらきっとホレちゃう、コテングコウモリ

中島さんの写真の中で一番驚いたコウモリの姿が、枯れ葉の中でスヤスヤ眠るもの。オオイタドリなど、体を包める大きさの枯れ葉にくるまって小さな毛玉が隠れているのです。

これはコテングコウモリに見られる習性らしく、初めて見つけた時から中島さんを「枯れ葉コウモリ」のとりこにしてしまったそうです。

今にも茎から落ちてしまいそうな枯れ葉の中、片足でギュッと葉っぱをつかんでスヤスヤ。器用にぶら下がるトンガリ鼻の小天狗ちゃん。葉っぱの中にこんなフワフワの生き物がいるとは想像もつきませんでした。



その寝室は枯れ葉だけでなく、なんと雪の中で冬眠する姿も確認されています。雪原にあいた小さな穴の中で丸くなっている姿は「何て無防備な!」とツッコまずにはいられません。

■人知れず、夜の虫バスターとして活躍中!

そんなコウモリ、実はヒトにとっても役立つ存在なんです。小さな体で夜空を飛び、彼らが捕食するのは「虫」。なんと、ひと晩に蚊などを500~1,000匹も食べてくれます。自分の体重の半分もの虫を食べるコウモリは農業被害に役立つ存在でもあるのですね。写真は暗闇の中でも飛べるコテングコウモリ。超音波を使って獲物を見つけます。



■家にすみついたらラッキー!コウモリは「富の象徴」なのだ!

東西問わず、さまざまな図案に使われてきたコウモリ。日本でも昔から家具や手ぬぐいなどの意匠に取り入れられています。たぶん漢字の蝙蝠の「蝠」が「福」を連想させることから、中国の風水で豊かな富の象徴となっていることも理由のひとつなのかも?
家にすみつくと縁起が良い、2匹いるとさらに幸運を呼び込み、5匹のコウモリは功名・福寿・健康・金運・結婚を表すそう。
さあ、少しはイメージが変わったでしょうか?どうか夜道でコウモリを探して転ばないでくださいね。

監修・写真提供:写真家・中島宏章
コウモリの知られざる生態を撮影した連作で第3回田淵行男賞を受賞。野生動物の魅力的で意外な姿を多く撮影している。著書に「BAT TRIP ぼくはコウモリ」(北海道新聞社)がある。
http://hirofoto.com/

(文・イラスト/新岡薫・エトブン社)

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