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クロード・ガニオン監督、工藤夕貴出演の「カラカラ」で問いかけた人生の意味

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 国際派女優の工藤夕貴が出演し、第36回モントリオール世界映画祭ワールド・コンペティション部門で2冠を獲得した「カラカラ」が、1月19日から新宿ピカデリーほかで公開される。約10年前から沖縄を舞台に映画を撮りたいと構想していたというクロード・ガニオン監督に話を聞いた。

【予告編】「カラカラ」

 物語はカナダ人の元大学教授ピエール(ガブリエル・アルカン)が、沖縄を訪れる場面から始まる。のんびりと楽しむはずだった旅が、純子(工藤夕貴)との出会いをきっかけに様相を変えて行く。夫の暴力から逃れるため、旅に同行することを強引に決めた純子。複雑な思いを抱きながらも受け入れたピエールは、純子と過ごす時間の中で少しずつ心をときほぐし、自らの生き方を見つめ直していく。人生について問いかける、大人のロードムービーだ。

 現在、沖縄に居を構えるガニオン監督。住み始めたのは3年ほど前からだが、「リバイバル・ブルース」(2003年製作)を作った際にも訪れたことがあり、それ以来沖縄で映画を撮ること切望していたという。「沖縄へ“戻りたい”と思っていた。いつも僕は気持ちがいい環境じゃないと映画を撮りたくないんだけれど、僕の人生において沖縄はとても気持ちがいい土地だった。人生を楽しもうという人々の考え方やムードが大好き。よく考えたら、(出身地であるカナダの)ケベック州と一緒だと気付いたんだよ。カナダは昔フランス人の国だったけれど、イギリスに占領されたという歴史があり、ケベックには独自の言葉、考え方などの文化が残っている。沖縄も似た歴史を持っていて、現在も日本に属しているけど独自の文化を持っている。多分、そういう意味で居心地がいいんだと思ったね」。

 そして沖縄の表情を独自の目線で切り取りながら、人生のドラマをリアルに物語に投影した。ロマンティックな理想郷という描き方はあえて避けたというガニオン監督。「自然な人生の中からおもしろいドラマが始まると思っている。ありがたいことに、“映してくれれば出資する”と名乗りを上げてくれたリゾートホテルもあったけれど、今回は断った。基地があってジェット機の轟音が響く様子や、その状況下で交わされる会話もちゃんと入れたかった」とこだわりを強調する。

 女優・工藤については“真面目で一生懸命”と絶賛。陰の努力がうかがえたといい、本番ではいつも準備万端、すべて理解していたと手放しで称えた。そして熱を込めてこう語った。「自分のためか、周りのためか。時に人生は、気持ちと裏腹の選択をすることもある。どうイメージを持たれるかばかり考えてしまって、自分の心を忘れてしまう。ピエールがそうだったように、60歳を過ぎると“自分の人生は何だったんだろう”と考えるんだ。そういうことを僕はこの映画で撮りたかった」。

 「カラカラ」は、2013年1月12日から沖縄シネマQで先行公開、19日から新宿ピカデリーほか全国で公開。

【作品情報】
カラカラ

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