読売ジャイアンツが日本一に輝き、オフシーズンに突入した2012年度の日本プロ野球。通常のペナントレース以外にも、中日ドラゴンズの山本昌投手の最年長勝利や、東京ヤクルトスワローズの宮本慎也の最年長2,000本安打など、さまざまな記録が達成されました。
さて、そんなプロ野球の記録の中には輝かしいものもあれば、「そんなのあり!?」と思ってしまうような珍記録も存在します。今回は、日本プロ野球の珍記録たちを紹介しましょう。
●ボールを一球も投げずにセーブ記録
1980年10月2日に行われた南海と阪急の試合で生まれた記録です。9回2アウトから2点リードの状態でマウンドに上がった南海のピッチャー金城が1塁走者をけん制球でアウトにして試合終了。一度もバッターにボールを投げずにセーブ記録がつきました。
●5人連続ヒットなのに無得点でチェンジ
1963年の8月14日の阪急と近鉄の試合での記録。先頭打者から5人連続でヒットを記録したが、途中で盗塁失敗が1回、ヒットの進塁中でのアウトが2回あり、結局無得点でチェンジとなりました。
●ノーヒットなのに5点入った
今度は1本もヒットが出ていないのに得点が入ったケース。これは1971年7月4日に行われた阪急と近鉄の試合で生まれた珍記録です。フォアボールで出たランナーが送りバントで2塁に進塁。その後、2者連続敬遠で満塁になった後、フォアボールとデッドボールが続き、最後は犠牲フライでトータル5得点入りました。1本もヒットが出ていないのに打者一巡したそうです。
●無安打試合で逆転勝利
無安打試合とは、1本のヒットも許していない試合のこと。しかし相手ピッチャーに無安打試合を達成されながらも勝ってしまったケースがあるのです。それが1939年に行われた阪急と南海の試合。1本のヒットも出ず、さらに1点リードされていた阪急でしたが、6回にフォアボールとエラーなどで満塁となり犠牲フライで同点。7回にもフォアボールとエラーから得点し、1本もヒットが出ないまま逆転しました。
●1イニングに4三振を奪ったピッチャーたち
ルールでは3回のアウトでチェンジになりますが、ふり逃げの場合は三振が記録されてもアウトカウントは増えません。こうした理由で、1イニングに4回の三振を奪うことができます。4三振を奪ったピッチャーは西武の西口投手や巨人の杉内投手などがいます。
●監督の勘違いで4点いただき
1960年の7月19日に行われた東映と大毎との試合での珍記録。大毎が2点ビハインドの8回、2アウトながら満塁のチャンスでバッターが三振。ところが東映のキャッチャーがボールを後ろにそらしていたためここで「ふり逃げ」が成立しました。
しかし監督が勘違いして東映の選手をベンチに引き上げさせたため、ランナーが続々とホームイン。ふり逃げ走者一掃で4点が入り逆転しました。
●奇跡の四重殺
1962年の東映と南海の試合で達成された珍記録。ノーアウト満塁の状況からバッターが外野フライを打ち、3塁走者がタッチアップでホームへ走りホームイン。同じく2塁と1塁のランナーもタッチアップを試みましたがこちらは両者アウト。
このままだと外野フライと2つのタッチアップ失敗で3アウトで終わりますが、3塁ランナーのスタートが早かったとみなされ、こちらもアウト。合計4アウトとなり、奇跡の四重殺(クアドラプルプレー)が成立したのでした。
●変則サイクルホームラン
1試合で「単打、二塁打、三塁打、本塁打」の4つを打った場合に記録される「サイクルヒット」ですが、これのホームラン版がサイクルホームラン。つまり1試合で「ソロ、ツーラン、スリーラン、満塁ホームラン」の4つを記録することです。
これはあまりにも難易度が高いため、日本もメジャーでも記録した人はいません。しかし、ダブルヘッダー(1日に2試合行うこと)で達成した選手はいます。1979年にヤクルトのジョン・スコットという選手がダブルヘッダーで達成しました。
●センターゴロでアウト
打球が外野に抜けた場合、好返球で2塁、3塁、または本塁でアウトになるケースはよくありますが、なかなか見られないのが「外野に抜ける当たりの打球を打ったバッターが1塁でアウトになる」つまり「外野ゴロ」。日本では1987年に中日の鈴木孝政選手がセンター前に打球を放ち1塁アウトになったことがあります。
●何回当たるの!? 3球連続自打球
自打球というのは、自分のバットに当てたボールがバウンドして自分の体に当たってしまうことですが、なんと3球連続で自打球を記録してしまった選手が2人います。1人目は巨人で活躍した後藤孝志選手。1999年の7月10日、対広島戦で記録。もう1人は元阪神の助っ人外国人クレイグ・ブラゼル選手。2009年6月13日の千葉ロッテ戦で記録しました。1球でも痛いものなのに、3回連続とは……キツイですよね(笑)。
以上、日本プロ野球の珍記録でした。真剣勝負ゆえに、どんなことが起こるのかわからない野球のゲームだけに、来年はこれらの珍記録以上のインパクトをもつ出来事が起こるかもしれませんね(笑)。
(貫井康徳@dcp)
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1980年10月2日に行われた南海と阪急の試合で生まれた記録です。9回2アウトから2点リードの状態でマウンドに上がった南海のピッチャー金城が1塁走者をけん制球でアウトにして試合終了。一度もバッターにボールを投げずにセーブ記録がつきました。
●5人連続ヒットなのに無得点でチェンジ
1963年の8月14日の阪急と近鉄の試合での記録。先頭打者から5人連続でヒットを記録したが、途中で盗塁失敗が1回、ヒットの進塁中でのアウトが2回あり、結局無得点でチェンジとなりました。
●ノーヒットなのに5点入った
今度は1本もヒットが出ていないのに得点が入ったケース。これは1971年7月4日に行われた阪急と近鉄の試合で生まれた珍記録です。フォアボールで出たランナーが送りバントで2塁に進塁。その後、2者連続敬遠で満塁になった後、フォアボールとデッドボールが続き、最後は犠牲フライでトータル5得点入りました。1本もヒットが出ていないのに打者一巡したそうです。
●無安打試合で逆転勝利
無安打試合とは、1本のヒットも許していない試合のこと。しかし相手ピッチャーに無安打試合を達成されながらも勝ってしまったケースがあるのです。それが1939年に行われた阪急と南海の試合。1本のヒットも出ず、さらに1点リードされていた阪急でしたが、6回にフォアボールとエラーなどで満塁となり犠牲フライで同点。7回にもフォアボールとエラーから得点し、1本もヒットが出ないまま逆転しました。
●1イニングに4三振を奪ったピッチャーたち
ルールでは3回のアウトでチェンジになりますが、ふり逃げの場合は三振が記録されてもアウトカウントは増えません。こうした理由で、1イニングに4回の三振を奪うことができます。4三振を奪ったピッチャーは西武の西口投手や巨人の杉内投手などがいます。
●監督の勘違いで4点いただき
1960年の7月19日に行われた東映と大毎との試合での珍記録。大毎が2点ビハインドの8回、2アウトながら満塁のチャンスでバッターが三振。ところが東映のキャッチャーがボールを後ろにそらしていたためここで「ふり逃げ」が成立しました。
しかし監督が勘違いして東映の選手をベンチに引き上げさせたため、ランナーが続々とホームイン。ふり逃げ走者一掃で4点が入り逆転しました。
●奇跡の四重殺
1962年の東映と南海の試合で達成された珍記録。ノーアウト満塁の状況からバッターが外野フライを打ち、3塁走者がタッチアップでホームへ走りホームイン。同じく2塁と1塁のランナーもタッチアップを試みましたがこちらは両者アウト。
このままだと外野フライと2つのタッチアップ失敗で3アウトで終わりますが、3塁ランナーのスタートが早かったとみなされ、こちらもアウト。合計4アウトとなり、奇跡の四重殺(クアドラプルプレー)が成立したのでした。
●変則サイクルホームラン
1試合で「単打、二塁打、三塁打、本塁打」の4つを打った場合に記録される「サイクルヒット」ですが、これのホームラン版がサイクルホームラン。つまり1試合で「ソロ、ツーラン、スリーラン、満塁ホームラン」の4つを記録することです。
これはあまりにも難易度が高いため、日本もメジャーでも記録した人はいません。しかし、ダブルヘッダー(1日に2試合行うこと)で達成した選手はいます。1979年にヤクルトのジョン・スコットという選手がダブルヘッダーで達成しました。
●センターゴロでアウト
打球が外野に抜けた場合、好返球で2塁、3塁、または本塁でアウトになるケースはよくありますが、なかなか見られないのが「外野に抜ける当たりの打球を打ったバッターが1塁でアウトになる」つまり「外野ゴロ」。日本では1987年に中日の鈴木孝政選手がセンター前に打球を放ち1塁アウトになったことがあります。
●何回当たるの!? 3球連続自打球
自打球というのは、自分のバットに当てたボールがバウンドして自分の体に当たってしまうことですが、なんと3球連続で自打球を記録してしまった選手が2人います。1人目は巨人で活躍した後藤孝志選手。1999年の7月10日、対広島戦で記録。もう1人は元阪神の助っ人外国人クレイグ・ブラゼル選手。2009年6月13日の千葉ロッテ戦で記録しました。1球でも痛いものなのに、3回連続とは……キツイですよね(笑)。
以上、日本プロ野球の珍記録でした。真剣勝負ゆえに、どんなことが起こるのかわからない野球のゲームだけに、来年はこれらの珍記録以上のインパクトをもつ出来事が起こるかもしれませんね(笑)。
(貫井康徳@dcp)
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