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米紙による、アカデミー賞を改善するための3つの提言

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 米映画界最高の栄誉とされるアカデミー賞授賞式が迫るなか、ハリウッド・レポーター紙が同賞を改善するための3つの提言を行った。まず、「投票時期を年2度にする」。アカデミー賞の対象となるのは1月1日から12月31日までにロサンゼルスで劇場公開された作品で、年末に投票が行われることから、各映画スタジオは良作を投票直前に公開する。そのため、秋から冬の間にだけ質の高い映画が集中投下されてしまう。このトレンドを変えるためには、投票を年2回実施し、対象作品を上半期と下半期に分ければいい。そうすれば1年間、まんべんなく良作が全米リリースされるようになる。

 次に挙げられたのは、「アカデミー会員が投票できる部門を限定する」。「007 スカイフォール」に参加した撮影監督のロジャー・ディーキンスはこれまでに9回、作曲家のトーマス・ニューマンは10回、サウンドミキサーのグレッド・P・ラッセルに至っては過去15回もノミネートされながら、1度もオスカーを手にしていない。いずれもその分野の達人であり、同業者にその腕前を高く評価されているのに、アカデミー賞を受賞していないのは、投票方法に問題があるからだ、としている。

 アカデミー会員は、俳優や監督、編集、アニメーターというように、自分の役職にしたがって計15の部門に分かれている。ノミネート段階では、自分の所属部門と作品賞だけに投票する仕組みになっているのだが、本番になるとほぼすべてのカテゴリーに投票が許される。映画製作のすべての役職に通じているアカデミー会員など皆無に等しいため、とくに技術部門賞で正当な評価をしづらい。そこで、ノミネートだけでなく、本番でも投票できる部門を制限すべきと訴えている。

 3つめは、「一般映画ファンを巻き込む」。近年、アカデミー会員と一般映画ファンの好みがかい離しているといわれる。授賞式中継の視聴率をアップさせるだけでなく、アカデミー賞が今後も重要な映画賞であり続けるためには、一般の映画ファンを巻き込む工夫が必要だ。たとえば、「ポップコーン映画賞」(ポップコーン映画とは娯楽映画のこと)を新設し、ファンにオンライン投票させることを提案。ファンが投票するのであればアカデミーの威厳は損なわれず、大ヒット映画の監督や人気スターが授賞式に参加するのであれば、アカデミー賞中継にチャンネルを合わせる一般視聴者が増えるはずだ。

 今年のアカデミー賞で何らかの変化が起きるのかに注目が集まる。授賞式は2013年2月24日、ハリウッドのコダック・シアターで行われる。

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写真:Press Association/アフロ

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