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宝塚歌劇団、雪組トップスターの音月桂が卒業! 冬の日比谷が白カラー一色に

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 東京宝塚劇場にて11月23日に幕を開けた、雪組トップスター、音月桂(おとづきけい)の退団公演となるグランステージ「JIN―仁―」、ショー・ファンタジー「GOLD SPARK! ―この一瞬を永遠に―」が24日、千秋楽を迎えた。公演後にはサヨナラショーが開かれ、6章にわたり、「ロミオとジュリエット」「エリザベート」「ドン・カルロス」ら思い出の演目からのナンバーなどを披露。宝塚大劇場では黒燕尾で大階段を下りた音月だが、「最後の日は宝塚の正装の袴で」との思いから紋付き袴姿で最後の大階段を踏みしめた。劇場を埋め尽くしたファンの拍手はやむことがなく、幾度にもわたってカーテンコールが行われた。

<フォト>宝塚歌劇団卒業パレード特集、雪組トップスター・音月桂、トップ娘役・舞羽美海、詩風翠、花帆杏奈らが袴姿でファンの前に登場

 続く退団記者会見では、次のように挨拶。「無事に宝塚歌劇団を卒業いたしました。15年間たくさんの愛に包まれて、大好きな宝塚の舞台に立つことができて、本当に幸せでした。今までありがとうございました」。そして宝塚に対して改めて「夢と愛に溢れた、華やかな世界だなと強く実感しました」と振り返った。

 宝塚舞台最後の朝については「もっと緊張するのかなと思っていたのですが、本当に気持ちよく目覚めることができました」とニッコリ。また「私は晴れ“男”ですので(笑)、今日も暖かな朝を迎えることができました」と続け、舞台の最後、大階段を下りるときの心境も「緊張や不安といったものではなく、みなさまが観ていてくださるという温かさをとても感じました。心の底から幸せです」としっかりと話した。

 さらに音月の魅力のひとつである、自然な笑顔に話はおよび、辛いときや哀しいときもあったはずだが、と問われると「“笑顔は笑顔を呼ぶ”と普段から、モットーといいましょうか、思っております」とまずひと言。そして「確かに役と向かって、しかしできずに悔しくて、家でひとりで泣いたり考え込んだりすることもありました。でも次の日、稽古場でみんなの顔を見るとき、そして舞台でお客様の顔を見るときには、笑顔でいたいなと。そう思ってきました。それから、周りの方たちが私を笑顔で見ていてくださったことが、逆に私を笑顔にしてくださっていたのだと思います」とほほ笑んだ。

 さて来年は宝塚歌劇団99周年。100周年は目前だ。音月にはトップスターとして100周年を迎えて欲しかったと惜しむ声も多い。「確かに100周年は大きな出来事です。でも現役生として迎えるのも、卒業生として外から応援できる立場で迎えるのも、宝塚を愛する者としては一緒だと考えています」と口にした音月。後にする雪組の組子たちへは「今、雪組は100周年を迎えるにあたって、とても充実しています。ひとりひとりが本当に舞台に真摯に向き合っています。だから私も安心して卒業を迎えることができるのです」と言葉を残した。

 そして「言葉にするのは難しいのですが、素直に、幸せな気持ちが溢れています。たくさんの方に支えていただきましたし、今日も多くのお客様が拍手で見守ってくださった。幸せと感謝の気持ちで、本当にいっぱいです」と今の気持ちを語り、「まずは実家に帰って少しゆっくりしたいですね」と率直な気持ちを吐露。

 今後の活動については「未定です」とし、舞台に立つ可能性についても「宝塚の公演中はとにかく一筋に専念したいと思っておりましたので」と明言を避けたが、予定はなくとも、立つ気持ちはあるのか?とさらに尋ねられると「もしそういうお話しが来たときには、そのときに考えます」と応じるにとどめた。

 会見終了後には東京宝塚劇場の前でサヨナラパレードが。日比谷を、ペンライトを手に雪組のチームカラーの白を身にまとったファンたちが埋め尽くし、人垣で作られた花道に、紋付き袴姿の音月が登場。ファンの顔を確認しながら、大きな声援に笑顔で応え、手を上げた。そしてタカラジェンヌとして最後の務めを笑顔でまっとう。車に乗り込み、劇場を後にした。

 音月は1996年に宝塚音楽学校入学。98年に宝塚歌劇団に入団し、「シトラスの風」で初舞台。翌年1月に雪組に配属された。2001年「猛き黄金の国」で新人公演初主演。02年には「ホップ スコッチ」でバウホール公演初主演。07年「エリザベート」のルキーニ役では新たな魅力を見せた。2011年「ロミオとジュリエット」でトップお披露目。本公演で卒業を迎えた。

 また本公演では音月のほかに、トップ娘役の舞羽美海(まいはねみみ)、詩風翠(うたかぜすい)、花帆杏奈(かほあんな)が宝塚歌劇団を卒業した。(取材・文・写真:望月ふみ)

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