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キャメロン・マッキントッシュ氏が語る映画『レ・ミゼラブル』始動のきっかけとは?

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ミュージカルの金字塔を映画化した『レ・ミゼラブル』。プロデューサーのキャメロン・マッキントッシュ氏は舞台版同様、俳優の生歌で全編撮影することを力説した『英国王のスピーチ』(10)のトム・フーパー監督の熱意に感銘を受け、本作を始動したことを明かした。

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氏は40年以上も英米の演劇界で活躍を続けるミュージカル界の大重鎮で、ブロードウェイ・ミュージカルの歴代ロングラン作品ベスト3、『オペラ座の怪人』『キャッツ』、そして『レ・ミゼラブル』をプロデュースした剛腕だ。誰よりも『レ・ミゼラブル』を知り尽くす専門家で、作品を深く愛する人物。それだけに舞台版同様、全編を俳優の生歌で撮影するという一大スケールで企画をキックオフした中心人物かと思うが、実は「フーパー監督が最初の構想に待ったをかけた張本人だよ(笑)」と経緯を明かす。「当初は3分の1がセリフだったけれど、フーパー監督の提案で全編同録に変えた。とてもうれしかったよ(笑)」。

俳優の生歌で同録する手法を採用したことで、舞台版のDNAを見事に継承した本作。その上、空間的なスケールを得た映画版では、主人公ジャン・バルジャンが苦役に従事する冒頭シーンを皮切りに、後半の革命による激突シーンまで大迫力の一大叙事詩として完成した。フーパー監督は俳優の“表情”と“風景”が重要だったと語っていたが、この点、氏もうなずいて補足する。「舞台では限定的な空間で演じるので、俳優たちの移動や細かい表情の変化をお見せすることは無理だけれど、カメラがある映画の場合は微妙に変わる表情や声色をキャッチできる。演技のスタイルも全然違うので、新しい魅力を加味できたよ」。

舞台版にはない新曲「Suddenly」も登場するなど、伝統に囚われない挑戦的な試みを許す氏の広い度量と眼力が作品に新たな息吹を与えたことは確か。そして緻密な方程式の元、企画を進めることがプロデューサーとしての最大の使命かと思えば、意外にも思い切った決断も時に重要だという。「ミュージカルを観て感銘を受けたトムと会ったわけだけれど、僕は『英国王のスピーチ』(10)を観てなくて、実はよく知らない人だった(笑)! でも、その時に映画化のビジョンを熱く説明してくれて、決め手は同録での撮影にこだわったことかな。僕と同じ理由で重要だと力説したことが、今回監督をお願いした最大の理由だよ」。

『レ・ミゼラブル』
公開中

取材・文・写真:鴇田 崇

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