女優でプロデューサーの杉野希妃が12月22日、東京・渋谷のユーロスペースで行われた映画「おだやかな日常」の初日舞台挨拶に、篠原友希子、山本剛史、渡辺杏実ちゃん、内田伸輝監督とともに登壇した。
・【フォトギャラリー】「おだやかな日常」初日舞台挨拶の模様
「ふゆの獣」で知られる内田監督がメガホンをとり、東日本大震災後の東京を舞台に、放射能の見えない恐怖に翻弄される人々の姿を描いた同作はこの日、全国4スクリーンでの封切り。主演とプロデュースを兼ねた杉野は、「この作品は今年の1、2月に撮りました。1年経った今、日本がこのような状況にあるなかで公開されることに、とても意義を感じています」と感慨深げ。そして「テーマがテーマだけに、資金集めなども難しい部分もあった」と振り返り、「ふだんは自分の作品を客観的に見ることができるけれど、まだ続いている問題なので平常心で見られない部分もある」と吐露した。
内田監督は、震災後の原発事故をきっかけに、政府やメディアの発する情報とインターネット上の情報の食い違いを感じ「その状況がとてつもなく怖く、何を信じていいのか不安だった。自分の不安な気持ちを映画にしないと、次の作品に進めないと思った」と今作の製作に踏み切った思いを明かした。
杉野とともに、物語のキーパーソンとなる主婦を演じた篠原は「放射能は気になるけれど、気にしだすと止まらないし、見て見ぬ振りをしてきた。でも、調べていくうちに『穏やかな日常でいいのかな』『穏やかってなんだろう』と感じて、ユカコと篠原友希子がリンクしていった。心の内面の状態は今も続いている」と真しな眼差(まなざ)しをのぞかせた。
撮影中、内田監督は独特の演出を行ったそうで「脚本は書いたけれど、5シーンくらいワンカットの即興で撮影した。むき出しの感情を出していきたかった」と説明。役者陣は「常に相反するものがあった。制限されているけれど自由。つらいけど出すことで癒される。こんな感覚は今までなかった」(杉野)、「監督は何でもやっていいと言うわりに、わがままで面白かった」(篠原)、「最初に台本を覚えていなくていいと言われたので、直球で行ったら初日は大変でした(笑)」(山本)と会場の笑いを誘った。
【作品情報】
・おだやかな日常
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・【予告編】「おだやかな日常」
・【インタビュー】杉野希妃、震災を経て露呈した問題と正面から向き合った最新作
・俊英・内田伸輝監督が描く“震災後の東京” 「これを撮らずして次は作れない」
・【フォトギャラリー】「おだやかな日常」初日舞台挨拶の模様
「ふゆの獣」で知られる内田監督がメガホンをとり、東日本大震災後の東京を舞台に、放射能の見えない恐怖に翻弄される人々の姿を描いた同作はこの日、全国4スクリーンでの封切り。主演とプロデュースを兼ねた杉野は、「この作品は今年の1、2月に撮りました。1年経った今、日本がこのような状況にあるなかで公開されることに、とても意義を感じています」と感慨深げ。そして「テーマがテーマだけに、資金集めなども難しい部分もあった」と振り返り、「ふだんは自分の作品を客観的に見ることができるけれど、まだ続いている問題なので平常心で見られない部分もある」と吐露した。
内田監督は、震災後の原発事故をきっかけに、政府やメディアの発する情報とインターネット上の情報の食い違いを感じ「その状況がとてつもなく怖く、何を信じていいのか不安だった。自分の不安な気持ちを映画にしないと、次の作品に進めないと思った」と今作の製作に踏み切った思いを明かした。
杉野とともに、物語のキーパーソンとなる主婦を演じた篠原は「放射能は気になるけれど、気にしだすと止まらないし、見て見ぬ振りをしてきた。でも、調べていくうちに『穏やかな日常でいいのかな』『穏やかってなんだろう』と感じて、ユカコと篠原友希子がリンクしていった。心の内面の状態は今も続いている」と真しな眼差(まなざ)しをのぞかせた。
撮影中、内田監督は独特の演出を行ったそうで「脚本は書いたけれど、5シーンくらいワンカットの即興で撮影した。むき出しの感情を出していきたかった」と説明。役者陣は「常に相反するものがあった。制限されているけれど自由。つらいけど出すことで癒される。こんな感覚は今までなかった」(杉野)、「監督は何でもやっていいと言うわりに、わがままで面白かった」(篠原)、「最初に台本を覚えていなくていいと言われたので、直球で行ったら初日は大変でした(笑)」(山本)と会場の笑いを誘った。
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