「ゆきゆきて、神軍」の原一男監督が12月17日、日本大学藝術学部映画学科理論・評論コース3年生が企画から作品選定、上映交渉、宣伝、運営までを一括して行う「新・女性映画祭 “こんなふうに私も生きたい”」のトークイベントに出席。元恋人を追った原監督の私的ドキュメンタリー「極私的エロス 恋歌1974」の上映後、撮影現場の知られざる裏話を明かした。
・【フォトギャラリー】原一男監督のトークイベントの模様
同映画祭では、世界初の女性映画監督アリス・ギイの作品20本を一挙上映するほか、日活ロマンポルノ「四畳半襖の裏張り」のニュープリント、今年7月に死去した山田五十鈴さんが19歳で芸妓を演じた「祇園の姉妹」などを特集。昨年開催された第1回日藝生企画による学生運動をテーマにした「映画祭1968」は、オーディトリウム渋谷の最高観客動員数を更新するなど大きな話題を集めた。
原監督は、元恋人の武田美由紀さんと「3年くらい一緒に暮らして子どもが生まれたけれど、唐突に『男の世話になりたくない。ひとりで生きていく』と生後3カ月半の男の子を連れて出ていった。何で捨てられたのかわからなかったけど、1年後に『沖縄に行って妊娠して自力出産するから撮ってよ』と言ってきた。『リヤカーに荷物を積んで、旅をしながら地平線に夕日が染む場所に産み落とす』と言うので、これは女のロマンがやりたいんだなと。撮影を決意したのは、僕を冒険をする相手として選んでくれた、つまりお互いにまだ愛が残っていたから」としみじみ語った。
衝撃的な出産シーンについては、「メガネをかけてファインダーをのぞいていたので、汗でくもってしまった。ピンボケしていたことに気づいた時は『しまった!』とショックで青ざめ、『あんたバカね!』とののしられた。作為的にぼかしているように見えるけれど、あれは私が起こした一世一代のミス」と明かし、笑いを誘っていた。
そして、「一般的に男の方が客観的に考え、女の方が直感的に行動を選んでいく。彼女の映画を撮るということは、自分のマイナスの部分も必ず明らかになることはわかりきっていた。だけど彼女を魅力的に描くために私が影にならないといけないので、まるでボクシングのサンドバックのような役割を演じていた。僕をバネにして彼女が光っているならば本望である」と胸を張った。
「新・女性映画祭 “こんなふうに私も生きたい”」は、東京・オーディトリウム渋谷で12月21日まで開催される。
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同映画祭では、世界初の女性映画監督アリス・ギイの作品20本を一挙上映するほか、日活ロマンポルノ「四畳半襖の裏張り」のニュープリント、今年7月に死去した山田五十鈴さんが19歳で芸妓を演じた「祇園の姉妹」などを特集。昨年開催された第1回日藝生企画による学生運動をテーマにした「映画祭1968」は、オーディトリウム渋谷の最高観客動員数を更新するなど大きな話題を集めた。
原監督は、元恋人の武田美由紀さんと「3年くらい一緒に暮らして子どもが生まれたけれど、唐突に『男の世話になりたくない。ひとりで生きていく』と生後3カ月半の男の子を連れて出ていった。何で捨てられたのかわからなかったけど、1年後に『沖縄に行って妊娠して自力出産するから撮ってよ』と言ってきた。『リヤカーに荷物を積んで、旅をしながら地平線に夕日が染む場所に産み落とす』と言うので、これは女のロマンがやりたいんだなと。撮影を決意したのは、僕を冒険をする相手として選んでくれた、つまりお互いにまだ愛が残っていたから」としみじみ語った。
衝撃的な出産シーンについては、「メガネをかけてファインダーをのぞいていたので、汗でくもってしまった。ピンボケしていたことに気づいた時は『しまった!』とショックで青ざめ、『あんたバカね!』とののしられた。作為的にぼかしているように見えるけれど、あれは私が起こした一世一代のミス」と明かし、笑いを誘っていた。
そして、「一般的に男の方が客観的に考え、女の方が直感的に行動を選んでいく。彼女の映画を撮るということは、自分のマイナスの部分も必ず明らかになることはわかりきっていた。だけど彼女を魅力的に描くために私が影にならないといけないので、まるでボクシングのサンドバックのような役割を演じていた。僕をバネにして彼女が光っているならば本望である」と胸を張った。
「新・女性映画祭 “こんなふうに私も生きたい”」は、東京・オーディトリウム渋谷で12月21日まで開催される。
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