アメコミかTRPGみたいな表紙のデザインがぐっと心を引きます。かっこいい!
これは『神撃のバハムート』というソーシャルゲームのイラスト集。
作っているのはサイゲームスという会社。『アイドルマスターシンデレラガールズ』なども手がけています。
ゲームをプレイしている人はわかると思うんですが、とーにかくこのゲームイラストの凝り方がおかしい。
ノーマルのカードでも、まるで昔のハヤカワSF文庫の表紙を飾れそうなものばかり。背景までびっちり描かれています。
しかも、同じカードの組み合わせで4段階の進化をするんですが、これが単なる色違いや反転じゃなくて描き分けされている。
おそらくイラストを実際に描いている人なら、その差分の面倒くささを見て悲鳴をあげるんじゃないかと思うほど、細かい修正がいっぱい入っています。
だからこそプレイヤーは最終段階が見たくて4段階まで育ててしまう。
キャラクター付けはそんなにありません。まさに、絵が見たくてプレイすることの多いゲームだと思います。
各種イベントのゲーム性も非常に複雑で凝っているのですが、とりあえず今回はそれはさておき。
オフィシャルから出ているソーシャルゲームのイラスト集って、実はすごい少ないんです。
描いている人がばらばらで権利が分散している場合が多いこと、修正が多く入ること、出版して見返りがあるだけのものがないことなどが挙げられると思います。
特にアニメ系だと「メインイラストレーターに似せて描く」ため、イラストレーター名が入らないことが多い。
非常にもったいないなーと思うんですが、この『神撃のバハムート』ではイラストレーターの個性を最大限まで生かしており、この画集でははじめてきちんとイラストレーター名も表記されました。
ゲーム中では表記されていないのですが、やはりイラストレーター表記はファンにとってもクリエイターにとっても、極めて重要な部分なので、これは嬉しいポイントです。
ユニークなのは、『神撃のバハムート』は極めて欧米ファンタジー的な基盤の上にありながら、極めて日本アニメ文化的な要素を消化吸収して織り込まれている、という点です。
この本は「女性キャラ」「男性キャラ」「クリーチャー」と3章で構成されています。
クリーチャーの項目なんて、見ていたらどの国のなんのイラスト集かさっぱりわかりません。油彩風CGでアメコミチックなので、欧米作品と言われたらそう思ってしまうほど。
しかし、特に女性キャラのアジア的なこと! 日本のアニメイラスト文化ががっちりと混ぜ込まれていて、見て一発で「あ、これ日本だ」とわかるようになっています。
ここが魅力なんです。
『神撃のバハムート』はサービス開始からまだ1年とちょっと。
基本部分は、カードをガチャガチャで手に入れて、育てて戦わせる、というよくあるものと全く変わりません。
それでも多くのファンがいるのは、ノーマルカードでも一切手抜きをしない徹底したクオリティ管理と、試行錯誤を繰り返してバランス調整されたイベントゲームが定期的に行われいるおかげ。
2012年はソーシャルゲームが特に乱立し、現れては消えるの繰り返しの年でもありました。ソシャゲイラストレーターも名前がクレジットされず、賃金も安いことがあるという問題も多々起きました。
しかし、ちゃんと名前を明記し、仕事として成立するだけの原稿料を支払っている、というのもこういうイラスト集を見ていると感じられます。
特に『神撃のバハムート』では、会社でCGを作成するというシステムを一部の作家さんにはとっていることでの利点があることもインタビューで語られています。
あとはやっぱり、イラストレーターさんとしては嬉しいのはここでしょうか。
久方「実際に海外の方の反応を見る機会があって、そこで初めて実感が湧いた感じです」
虫麻呂「にほんのイラストが通用するということがわかっただけでも非常に嬉しかったですね」
ぽんず「これからも国内・海外問わず、受け入れられるイラストを描いていけたらと思います」
西欧文化を吸収しながら、日本独自のイラストとして、ソーシャルゲームで出していく。
この形式は今後も変わらずあり続けるのだろうなと思います。
ただ、システムに関しては今変革期でもあります。もうそろそろカードとガチャガチャでどうこうするだけでは「ゲーム」とは言いがたくなって来ました。
実際その問題に対して実験的に挑んでいるこのゲーム。日本らしさ、ゲーム性を生かしながら、今後どのようなソーシャルゲームが作られていくのかの課題と魅力が見えてくるイラスト集担っています。
一応、このゲームイラスト枚数が進化バリエーションもいれたらとんでもない枚数になってしまうので、この本は厳選した150枚前後を大きなサイズで見せるようになっています。
全部無理やり載せるよりは、見やすくて遙かにイイです。
ぼくも、ぽんずさんの描かれる女の子キャラを育てるため、男キャラカードをひたすら食わせて強化しています。
ソーシャルゲームってカマキリみたいよね。
『神撃のバハムート オフィシャルアートワーク』
(たまごまご)
【関連リンク】
ソーシャルゲームにもうちょっとがんばってもらいたいこと『拡散性ミリオンアーサー』(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
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これは『神撃のバハムート』というソーシャルゲームのイラスト集。
作っているのはサイゲームスという会社。『アイドルマスターシンデレラガールズ』なども手がけています。
ゲームをプレイしている人はわかると思うんですが、とーにかくこのゲームイラストの凝り方がおかしい。
ノーマルのカードでも、まるで昔のハヤカワSF文庫の表紙を飾れそうなものばかり。背景までびっちり描かれています。
しかも、同じカードの組み合わせで4段階の進化をするんですが、これが単なる色違いや反転じゃなくて描き分けされている。
おそらくイラストを実際に描いている人なら、その差分の面倒くささを見て悲鳴をあげるんじゃないかと思うほど、細かい修正がいっぱい入っています。
だからこそプレイヤーは最終段階が見たくて4段階まで育ててしまう。
キャラクター付けはそんなにありません。まさに、絵が見たくてプレイすることの多いゲームだと思います。
各種イベントのゲーム性も非常に複雑で凝っているのですが、とりあえず今回はそれはさておき。
オフィシャルから出ているソーシャルゲームのイラスト集って、実はすごい少ないんです。
描いている人がばらばらで権利が分散している場合が多いこと、修正が多く入ること、出版して見返りがあるだけのものがないことなどが挙げられると思います。
特にアニメ系だと「メインイラストレーターに似せて描く」ため、イラストレーター名が入らないことが多い。
非常にもったいないなーと思うんですが、この『神撃のバハムート』ではイラストレーターの個性を最大限まで生かしており、この画集でははじめてきちんとイラストレーター名も表記されました。
ゲーム中では表記されていないのですが、やはりイラストレーター表記はファンにとってもクリエイターにとっても、極めて重要な部分なので、これは嬉しいポイントです。
ユニークなのは、『神撃のバハムート』は極めて欧米ファンタジー的な基盤の上にありながら、極めて日本アニメ文化的な要素を消化吸収して織り込まれている、という点です。
この本は「女性キャラ」「男性キャラ」「クリーチャー」と3章で構成されています。
クリーチャーの項目なんて、見ていたらどの国のなんのイラスト集かさっぱりわかりません。油彩風CGでアメコミチックなので、欧米作品と言われたらそう思ってしまうほど。
しかし、特に女性キャラのアジア的なこと! 日本のアニメイラスト文化ががっちりと混ぜ込まれていて、見て一発で「あ、これ日本だ」とわかるようになっています。
ここが魅力なんです。
『神撃のバハムート』はサービス開始からまだ1年とちょっと。
基本部分は、カードをガチャガチャで手に入れて、育てて戦わせる、というよくあるものと全く変わりません。
それでも多くのファンがいるのは、ノーマルカードでも一切手抜きをしない徹底したクオリティ管理と、試行錯誤を繰り返してバランス調整されたイベントゲームが定期的に行われいるおかげ。
2012年はソーシャルゲームが特に乱立し、現れては消えるの繰り返しの年でもありました。ソシャゲイラストレーターも名前がクレジットされず、賃金も安いことがあるという問題も多々起きました。
しかし、ちゃんと名前を明記し、仕事として成立するだけの原稿料を支払っている、というのもこういうイラスト集を見ていると感じられます。
特に『神撃のバハムート』では、会社でCGを作成するというシステムを一部の作家さんにはとっていることでの利点があることもインタビューで語られています。
あとはやっぱり、イラストレーターさんとしては嬉しいのはここでしょうか。
久方「実際に海外の方の反応を見る機会があって、そこで初めて実感が湧いた感じです」
虫麻呂「にほんのイラストが通用するということがわかっただけでも非常に嬉しかったですね」
ぽんず「これからも国内・海外問わず、受け入れられるイラストを描いていけたらと思います」
西欧文化を吸収しながら、日本独自のイラストとして、ソーシャルゲームで出していく。
この形式は今後も変わらずあり続けるのだろうなと思います。
ただ、システムに関しては今変革期でもあります。もうそろそろカードとガチャガチャでどうこうするだけでは「ゲーム」とは言いがたくなって来ました。
実際その問題に対して実験的に挑んでいるこのゲーム。日本らしさ、ゲーム性を生かしながら、今後どのようなソーシャルゲームが作られていくのかの課題と魅力が見えてくるイラスト集担っています。
一応、このゲームイラスト枚数が進化バリエーションもいれたらとんでもない枚数になってしまうので、この本は厳選した150枚前後を大きなサイズで見せるようになっています。
全部無理やり載せるよりは、見やすくて遙かにイイです。
ぼくも、ぽんずさんの描かれる女の子キャラを育てるため、男キャラカードをひたすら食わせて強化しています。
ソーシャルゲームってカマキリみたいよね。
『神撃のバハムート オフィシャルアートワーク』
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