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童心ティム・バートン、「好きすぎて選べない!」と困惑の理由とは?

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 これまで数々の“一風変わった”大ヒット作を手掛けてきた奇才ティム・バートンが、最新作「フランケンウィニー」(12月15日公開)を引っ提げ来日。愛犬との想い出がたくさん詰まった本作と、彼の代名詞とも言えるストップモーション・アニメーションへの情熱、そして愛するモンスター映画への想いを語った。

“フラン犬”スパーキーと戯れるかわいい一面を魅せたバートン監督

 「フランケンウィニー」は、不慮の事故で愛犬を失った少年が“禁断の実験”によって愛犬を蘇らせ、町中に大事件を巻き起こす冒険ファンタジー。ぬくもりに満ちた昔ながらのストップモーション・アニメーションと最新テクノロジーの融合が創り出した、誰も見たことのない白黒3D作品だ。

 実は本作、当時まだディズニーでクリエーターとして働いていた1984年に、バートン監督が短編映画として製作した同名タイトル作が基になっている。約30年の時を経て新たな長編映画として蘇らせた理由を、彼はこう語る。「オリジナル版の短編作を作って以降、『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』や『コープスブライド』など、何本かストップモーション(・アニメーション)を手掛けてきて、今回の『フランケンウィニー』の物語こそ、ストップモーションの技法そして白黒で撮る作品に相応しいと思ったんだ」。

 今や監督の代名詞とも言えるストップモーション・アニメーション。彼がこの技法にこだわる理由はどこにあるのだろうか。「実際のパペットを目の前にして、触ることも出来る。セットもほとんどが実写だ。その手作り感やオリジナル感、美しさを実際に感じることができるのが良いんだ」。

 「CGはほんの少ししか使っていないんだ。カミナリが落ちるシーンとかね。いまは使える技術がたくさんあるけれど、僕はピュアなストップモーションが作りたかった。だから涙の一粒ひとつぶを、従来の古典的なストップモーションで表現しているんだよ」。

 さらに全編白黒にした理由についても、「美しさやリアリティを出せるからね。影の使い方や深みを出すことが楽しかったな」と回想し、本作に対する愛情を覗かせた。

 また本作は、自身が敬愛するモンスター映画をオマージュした作品であるが、「一番好きな作品は?」という問いに対しては、「ひとつになんて絞れないよ。モンスター映画だけじゃなく、日本の怪獣映画も大好きなんだ。今回たくさんのモンスターが登場するのもそれが理由だよ」と子どものように目を輝かせていた。



 本作の主人公ヴィクターと“フラン犬”スパーキーは、幼少時代のバートン監督と愛犬の記憶が原点となっており、監督は「ペットは無償の愛をくれる存在で、飼い主とはとても純粋な関係で結ばれているものだ。生まれて初めて体験したピュアな想い出で、今でも強く心に残っているよ」といまは亡き愛犬に想いを馳せる。

 自らも“愛犬の死”という最も辛い経験をしたバートン監督だが、実際に我が子が「ペットを生き返らせたい!」と言ってきたら?という質問には苦笑いを浮かべこう答える。「この作品はあくまでファンタジーだからね(笑)。リアリティを追求しているんじゃなくて、人の心情にフォーカスしたかったんだ。例え自分に置き換えたとしても生き返らせたくはないな。だから反対するよ」。

 バートン監督と言えば、人気俳優ジョニー・デップとのタッグが毎回話題となるが、彼と引けを取らないくらい長年に渡って仕事をしてきたのが、本作でも音楽を担当しているダニー・エルフマンだ。エルフマンを起用し続ける理由、そして彼の魅力についても聞いた。

 「ダニーとは趣味趣向が似ているんだ。彼もモンスター好きだしね。いつも彼と相談しながら音楽を作っていくんだよ。ダニーと出会ったのは僕が学生の頃だった。当時彼はロサンゼルスのクラブでライブをするミュージシャンでね。僕は彼の音楽が好きで、『ピーウィーの大冒険』で初めて映画音楽を頼んでみたんだ」。

 過去作のすべてにおいて、その奇妙で愛らしいキャラクターが人気を集める一因となっているが、もちろん本作に登場するキャラクターたちも奇々怪々。ペットの白猫の“予言”を基に、不吉な発言を連発するフシギちゃんや、日系人のトシアキなど、本作で登場するキャラクターたちが誕生した秘話も明かしてくれた。「今回のキャラクターたちはみんな、実在する人物がモデルになっているんだよ。みんな強い個性の持ち主でね。だから本作のキャラクターはみんな好きだ」。

 そう監督が語るように、個性豊かでどこか愛らしいキャラクターたちが続々登場する映画「フランケンウィニー」。寒い季節にほっと心が温まる渾身の一作に仕上がっている。(取材・文・写真:市川沙希)

 映画「フランケンウィニー」は、2012年12月15日(土)より全国公開。ディズニーデジタル3D同時公開


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