宇宙はとっても広いです。
私たちが住んでいる地球を含む太陽系は、巨大な銀河系の中にありますが、広い宇宙にはそのような巨大な銀河ですら無数に存在します。
そして、その中には地球の直径の約109倍もの大きさを持つ「太陽」さえはるかに凌ぐような大きな星も、数多く存在しています。
今回はそんな広大な宇宙に存在する、巨大な星たちをいくつか紹介していきたいと思います。
■ 宇宙にある星の数は?
よく「星の数ほど…」と言ったりしますが、そもそも、この宇宙にはいったいどれほどの数の星があるのでしょう。
太陽のように自ら光り輝いている恒星だけに限ってみても、太陽系を含む銀河系の中には2,000億個もあると推定されています。
そして、宇宙にはそのような銀河が1,000億個以上あるとも言われています。
銀河の明るさなどを詳しく観測することで、その総質量やそこに含まれる星の総数を調べることができるのですが、この方法を用いた研究によると、この宇宙にはなんと7×10の22乗個(7の後に0が22個)もの星があると考えられています。
実際には、これ以外に地球のような惑星もあるわけですから、あらためてその壮大さが分かりますね。
■ 宇宙で一番大きな星とは
それでは、これほどまでに多く存在する星たちの中で、もっとも大きいものとはどれぐらいなのでしょう。
現在までに確認できている星の中で、最大のものは「おおいぬ座VY星」です。
この星は「赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)」と呼ばれる種類の1つで、その大きさは、直径が25億~30億km(太陽の1,800倍~2,100倍程度)、体積が太陽の60億~90倍という想像を絶するもので、仮に太陽の位置に同じサイズの星があったとすると、土星の軌道まで達するほどの大きさです。
また、1周の距離は、80億km以上ということになりますので、仮に時速1,000kmの飛行機で1周しようとすると900年以上、光の速度ですら8時間以上もかかる計算になります。
ただし、このおおいぬ座VY星は天体そのものの大きさが大きく変動する「脈動変光星」であることから、宇宙最大の星ではないと捉える説もあります。
■ おおいぬ座VY星の最期
ちなみに、このおおいぬ座VY星の寿命は残り少なく、まもなく最期が近づいていると推定されています。
この星は最期に「超新星爆発」という大爆発を起こして壮絶な死を遂げますが、地球からは5,000光年も離れたところにあるため、幸いその影響を受けることは無いと考えられています。
なお、爆発後、星の内部は中心に向かって圧縮され、やがて巨大なブラックホールとなるでしょう。
■ 巨大な星はまだまだある…
おおいぬ座VY星が、現在までに確認できている星の中では最大のものとして紹介しました。
とはいえ、地球からは遠く離れたところにあり、肉眼では観測できないほど暗い星のため、あまり目立ちません。
ですが、広い宇宙には、これほどとまではいかなくても、まだまだ巨大な星たちが数多く存在します。
太陽の直径の1,600~1,900倍の大きさを持つ「ケフェウス座VV星」や、同じく1,400倍程度の「ガーネットスター」などもありますが、巨大な星の中でも身近なものとしては、オリオン座の1等星「ベテルギウス」や、さそり座の1等星「アンタレス」などが挙げられます。
これらは、地球からもはっきり見えるほど明るい星ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
オリオン座のベテルギウスで太陽の1,000倍、さそり座のアンタレスでも太陽の700倍程度もあるとされ、いずれもおおいぬ座VY星と同じ、赤色超巨星に属します。
■ まとめ
今回は、想像を絶するような巨大な星たちをいくつかご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
太陽系の中にいると、太陽が圧倒的に大きな星だと言えますが、宇宙全体を見渡すとそれとは比べ物にならないほど巨大な星々がたくさんあるわけです。
どんな世界にも上から上がいるのですね。
(文/TERA)
■著者プロフィール
TERA。小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
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■ 宇宙にある星の数は?
よく「星の数ほど…」と言ったりしますが、そもそも、この宇宙にはいったいどれほどの数の星があるのでしょう。
太陽のように自ら光り輝いている恒星だけに限ってみても、太陽系を含む銀河系の中には2,000億個もあると推定されています。
そして、宇宙にはそのような銀河が1,000億個以上あるとも言われています。
銀河の明るさなどを詳しく観測することで、その総質量やそこに含まれる星の総数を調べることができるのですが、この方法を用いた研究によると、この宇宙にはなんと7×10の22乗個(7の後に0が22個)もの星があると考えられています。
実際には、これ以外に地球のような惑星もあるわけですから、あらためてその壮大さが分かりますね。
■ 宇宙で一番大きな星とは
それでは、これほどまでに多く存在する星たちの中で、もっとも大きいものとはどれぐらいなのでしょう。
現在までに確認できている星の中で、最大のものは「おおいぬ座VY星」です。
この星は「赤色超巨星(せきしょくちょうきょせい)」と呼ばれる種類の1つで、その大きさは、直径が25億~30億km(太陽の1,800倍~2,100倍程度)、体積が太陽の60億~90倍という想像を絶するもので、仮に太陽の位置に同じサイズの星があったとすると、土星の軌道まで達するほどの大きさです。
また、1周の距離は、80億km以上ということになりますので、仮に時速1,000kmの飛行機で1周しようとすると900年以上、光の速度ですら8時間以上もかかる計算になります。
ただし、このおおいぬ座VY星は天体そのものの大きさが大きく変動する「脈動変光星」であることから、宇宙最大の星ではないと捉える説もあります。
■ おおいぬ座VY星の最期
ちなみに、このおおいぬ座VY星の寿命は残り少なく、まもなく最期が近づいていると推定されています。
この星は最期に「超新星爆発」という大爆発を起こして壮絶な死を遂げますが、地球からは5,000光年も離れたところにあるため、幸いその影響を受けることは無いと考えられています。
なお、爆発後、星の内部は中心に向かって圧縮され、やがて巨大なブラックホールとなるでしょう。
■ 巨大な星はまだまだある…
おおいぬ座VY星が、現在までに確認できている星の中では最大のものとして紹介しました。
とはいえ、地球からは遠く離れたところにあり、肉眼では観測できないほど暗い星のため、あまり目立ちません。
ですが、広い宇宙には、これほどとまではいかなくても、まだまだ巨大な星たちが数多く存在します。
太陽の直径の1,600~1,900倍の大きさを持つ「ケフェウス座VV星」や、同じく1,400倍程度の「ガーネットスター」などもありますが、巨大な星の中でも身近なものとしては、オリオン座の1等星「ベテルギウス」や、さそり座の1等星「アンタレス」などが挙げられます。
これらは、地球からもはっきり見えるほど明るい星ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
オリオン座のベテルギウスで太陽の1,000倍、さそり座のアンタレスでも太陽の700倍程度もあるとされ、いずれもおおいぬ座VY星と同じ、赤色超巨星に属します。
■ まとめ
今回は、想像を絶するような巨大な星たちをいくつかご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
太陽系の中にいると、太陽が圧倒的に大きな星だと言えますが、宇宙全体を見渡すとそれとは比べ物にならないほど巨大な星々がたくさんあるわけです。
どんな世界にも上から上がいるのですね。
(文/TERA)
■著者プロフィール
TERA。小さい頃から自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。
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