12月7日から品川・原美術館で開催する展覧会「MU[無] ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」に先立ち、来日したペドロ・コスタ監督と彫刻家ルイ・シャフェス氏による会見が6日同美術館で行われた。
・【フォトギャラリー】ペドロ・コスタ監督&ルイ・シャフェス氏会見と展示作品の写真
映画と彫刻という異なる表現領域で活躍するふたりがコラボレーションした本展は、ふたりが愛する小津安二郎監督に敬意を表し、小津監督の墓碑に刻まれている一文字でもある「MU[無]」と名付けられた。インスタレーション4点、彫刻6点の計10点の作品が、1930年代に邸宅として利用されていた洋館を改装した原美術館の独特の空間を生かした形で展示される。
シャフェス氏の作品は鉄を素材とし、抽象とも具象ともとれる幅広い造形を手がけている。本展では彫刻作品単体での展示以外に、コスタ監督の代表作「ヴァンダの部屋」「コロッサル・ユース」から切り取られた映像が、シャフェス氏の作品ととともにインスタレーションとして展示されている。
展覧会開催にあたりコスタ監督は「1年前にこの空間を見て、どの作品をどのように展示できるかということをふたりで思いを巡らせました。展示が完了し、非常に新鮮な気持ち。これからこの家にまだ潜んでいるミステリーを解いていきたい」とコメント。そして、「(作品の展示されている)各部屋が非常に濃密な力で存在しています。ご覧いただいた方にその力を感じていただき、みなさんの解釈で作品を受け止めていただけたら」と呼びかけた。
シャフェス氏は「イメージと時のすべてに合ったもの、ここにあるのは映画と音と彫刻であるということ、さらに自分たちの満足感を表すものはなんだろうかと考えました。ペドロ・コスタの作品を見ると、小津安二郎監督の影響がいつもそこにあると見て取れると思います。また、“無”であるところから何を共有できるかという発想にも合うと思ったからです」と本展のタイトルに込めた思いを語った。
「MU[無] ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」は2013年3月10日まで。また、ふたりが選んだ映画の特集上映「ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェスのカルト・ブランシュ」が、オーディトリウム渋谷で12月13日まで開催。
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シャフェス氏の作品は鉄を素材とし、抽象とも具象ともとれる幅広い造形を手がけている。本展では彫刻作品単体での展示以外に、コスタ監督の代表作「ヴァンダの部屋」「コロッサル・ユース」から切り取られた映像が、シャフェス氏の作品ととともにインスタレーションとして展示されている。
展覧会開催にあたりコスタ監督は「1年前にこの空間を見て、どの作品をどのように展示できるかということをふたりで思いを巡らせました。展示が完了し、非常に新鮮な気持ち。これからこの家にまだ潜んでいるミステリーを解いていきたい」とコメント。そして、「(作品の展示されている)各部屋が非常に濃密な力で存在しています。ご覧いただいた方にその力を感じていただき、みなさんの解釈で作品を受け止めていただけたら」と呼びかけた。
シャフェス氏は「イメージと時のすべてに合ったもの、ここにあるのは映画と音と彫刻であるということ、さらに自分たちの満足感を表すものはなんだろうかと考えました。ペドロ・コスタの作品を見ると、小津安二郎監督の影響がいつもそこにあると見て取れると思います。また、“無”であるところから何を共有できるかという発想にも合うと思ったからです」と本展のタイトルに込めた思いを語った。
「MU[無] ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス」は2013年3月10日まで。また、ふたりが選んだ映画の特集上映「ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェスのカルト・ブランシュ」が、オーディトリウム渋谷で12月13日まで開催。
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