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「世界一」を集めるドバイの面白い話

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全長828mで世界一の高さを誇るビル『ブルジュ・ハリーファ』はドバイにあります。ドバイにはほかにも「世界一の高額賞金の競馬」、「世界一のショッピングモール」があります。

なぜここまで世界一にこだわるのでしょうか? 不思議ではありませんか? ドバイとはどんな街なのでしょう。ドバイ政府観光・商務局の広報を担当している米田浩子ディレクターにお話を伺いました。



まずドバイの説明です。ドバイは『アラブ首長国連邦』という国の首都。アラブ首長国連邦は「UAE」という略称でも知られています。この国は1971年にできたとても新しい国で、ドバイはその首都として、今では世界でも注目される金融センターになっています。

■ドバイはスパイスロードの港街だった

――まずお伺いしたいのはドバイという街自体についてです。どういう歴史を持っているのでしょうか。

米田ディレクター ドバイはもともと小さな港町、漁村でした。真珠は有名でしたが、特にほかに産業があるようなところではなかったんです。イギリスの統治下にあった際には、インドからのスパイス貿易の中継点、それに海賊退治の拠点となっていました。19世紀中ごろのことです。

――いわゆる「スパイスロード」の中にあったわけですね。

米田ディレクター そうです。1833年ごろアブダビから来た人がドバイの「クリーク」と呼ばれる三角州の地域に住みついて。当時は800人くらいの人口だったと言われています。

まだまだ小さい港町でした。19世紀はじめにイランの港が繁盛していたのですが、その仕事をドバイに持ってくることを考えたんですね。良い港を作って、人と仕事に来てもらう、そういうことを始めました。イラン人の多い地域は今に残って「バスタキア地区」となっています。バスタク、というのはイランの地名なんですよ。現在につながる「誘致」を始めた最初だったかもしれません。

■「誘致」こそドバイを象徴する言葉

――誘致ですか。

米田ディレクター 「誘致」はドバイを理解するキーワードです。例えば、ドバイを訪問する人は年間どのくらいの数になると思いますか?

――見当もつかないです。

米田ディレクター 910万人です。3.11以前の日本を訪問した外国人が810万人ぐらいと言われています。埼玉県ぐらいの広さのドバイに年間910万人もの人がやって来るんです。ドバイはそのために、世界一の超高層ビルを作ったりしています。

――つまり「人寄せ」のために投資を募って世界一の超高層ビルを建てたりしているということですか?

米田ディレクター そうなんです。でもドバイの人たちは、とてもハッキリしていて、「世界中からできるだけ多くの人に来てもらって、お金を落としてもらって、そして自分の国に帰ってほしい」と思っているんですよ。決して「永住してほしい」とは思っていないんです。

――帰化してUAE国民になることはできないんですか?

米田ディレクター 非常にむずかしい要件を満たす必要もありますし、それを満たしたからと言って帰化できるようなものではありません。

――それは知りませんでした。

米田ディレクター でも訪問者はウェルカムなんですよ(笑)。ドバイでは33カ国に対してビザなしで訪問を許可しています。もちろん日本も含みます。ただし、60日たったら帰ってほしいわけです。もちろん現地で不動産を購入した方は、別のビザを交付されます。

――居続ける客は困るわけですね(笑)。

■外国人に「いいもの」を作ってもらう

米田ディレクター 人を呼ぶための企画も一所懸命考えます。世界一の超高層ビルを建てたら、その側に世界一のショッピングモールを建てて、世界中から店舗を誘致しますし。

――建築業者などは地元にあるんですか?

米田ディレクター いえいえ。すべて外国から良い業者を選んで頼むんですよ。デザインもコンペをやって、建築業者も外国の業者に頼んで施工してもらうんですよ(建築デザインは多くが外国系の企業ですが、実際の建設現場では現地の企業がやるケースもあります)。

外国の人の力を「いいもの」を作って、ドバイはできた「いいもの」で世界中から人を呼ぶんです。ですから建築が終わったら、現場で働いていた人たちも自国に帰って行きます。

――それは本当に徹底されていますね。

米田ディレクター ですから人を呼べる企画に投資するんです。世界一の賞金が出る競馬を開催するのも、欧米で社交の場とされる競馬ですから、一流選手の競う姿を見に世界中からVIPがやって来るからです。中東の砂漠の国なのにスキーが楽しめる『スキー・ドバイ』という世界最大の室内スキー場があるのも同じ理由ですね。

■ドバイは「ハワイ的な感じ」

――ドバイを訪問するのはどんなお客さんが多いんですか?

米田ディレクター イギリスやドイツの方が多いでしょうか。太陽を求めてくる人が多いですね。「日本人にとってのハワイ」という感じです。欧州からは近いですし。中東諸国からのお客さんも多いですね。安全な街ですし。

――ドバイの魅力ってどんな点でしょうか。

米田ディレクター 「港町気質」みたいなところがあると思うんです。

――と言いますと?

米田ディレクター その人がどんな人種、どんな職種の人であっても受け止めるといいますか。実際、ドバイには色んな人がいます。世界中からさまざまな人種の人々が集まって、英語を共通語に、苦労してしゃべりながら仕事をしている。そんな様子が普通なんです。「ああ。ドバイだなあ」と思います。多国籍都市で非常に活力がある、それこそドバイの魅力でしょうね。

■「金」を買ってみると面白い!

――リーマンショック以降、ドバイへの投資が止まって、といった話を聞きますが現状はどうなのでしょうか?

米田ディレクター ドバイのような小さな国が世界の経済情勢の影響を受けない訳はないので、確かに当時は影響がありました。現在では随分戻しているようです。事実、外国からドバイへの訪問客数はリーマンショックの前後も増え続けています。景気という意味では、特に小売りの部分でかなり復活していると思います。
v ――例えば、日本の観光客でドバイに行った際に、購入する物というと何でしょう?

米田ディレクター やはり「金」でしょう。重さを量って、その時のレートで重量からの価格、それに加工賃が入って、アクセサリーなどの価格になります。実際に金の重さを知ると、ずっしりしているのでドキドキしますよ(笑)。

――それは日本ではなかなかできない体験ですね。

米田ディレクター きっと楽しいと思います。

■砂漠を体験できるのも大きな魅力!

――最後に、米田さんお薦めの「ドバイの知られざる名所」を教えてください。

米田ディレクター そうですね。都市部の方にはみなさん注目されますが、少し郊外に出ると砂漠があります。「砂漠サファリ」はぜひ体験してほしいですね。1万円ぐらいで、「4WDで砂漠を走って、BBQディナーがあって」というコースがあります。絶対に見てほしいのは「夕日」です。砂漠の夕日は素晴らしいですよ。みなさん黙ってぼうっと見ています(笑)。

――それは見てみたいですね。

米田ディレクター あと砂漠の星空。満天の星、天の川が天球に広がっている様子は日本ではなかなか見られないでしょう。飽きずにいつまでも見ていたいほど美しいですよ。

筆者は取材に行ってすっかりドバイに行きたくなりました(笑)。みなさんはドバイに行きたくなりましたか?

(高橋モータース@dcp)


↑様々な姿を見せるドバイの風景。都市部と砂漠のギャップに驚くかも。

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