第13回東京フィルメックスの企画として、東京・東銀座の東劇で開催中の「木下惠介生誕100年祭」で12月1日、「しなやかな挑戦者~時代とともに映像の可能性に挑戦し続けた信念の人」と題されたシンポジウムに、大根仁監督が脚本家の山田太一氏、早稲田大学の長谷正人教授、小説家の長部日出雄氏とともに登壇し、木下作品の魅力を語った。
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大根監督は学生時代に「二十四の瞳」などは見ていたが「当時は退屈で、文部省のような遠い存在だと感じていた」と明かす。しかし、最近になって原節子主演のコメディ「お嬢さんに乾杯」を見て「最初の5分、10分ですごいと思った。セリフのモダンさ、音楽の付け方もユーモアにあふれている。非常に豊饒(ほうじょう)な作品だと驚いた」と、1作ごとに違う顔を見せる木下作品の魅力を発見し、「女優をチャーミングに見せるいい角度で撮っている。『モテキ』で自分も女性をどう撮るかは意識したので、共通項があるとは僭越(せんえつ)で言えないが、似ているかも」と自身と木下監督との類似点を語った。
木下監督は1950年代後半にいち早くテレビ界へ進出し、その手腕を発揮したことでも知られている。映像文化を研究する長谷教授は「映画とテレビはハリウッドでも、ものすごく結び付いている。木下さんは連続ドラマでプロデューサーをやって、ディレクターや脚本家など若い人を育ててきた。スピルバーグは80年代になってやっているが、木下さんは早すぎた」と、持論を述べる。
木下監督に脚本家として見出され、多くのヒット作を生み出した山田氏は「木下さんは『君のやりたいようにやれ』と言ってくれた。木下さんはTBSの金ドラという枠を作って、テレビドラマの質を上げた。向田邦子さんや倉本聰さんにも書いてもらっていますし、木下さんの功績は大きいと思います」と当時を振り返った。
これまで数々のドラマを手掛け、昨年「モテキ」で初メガホンをとった大根監督は、大根監督は「ドラマと映画両方をやっていくということで、どこかで後ろめたい気持ちがあったが、木下さんの作品を見て、その足跡を知ることで自信が持てた。僕の下の世代に木下さんの作品をどんどんレコメンドしていくのが役目だと思っています」と感慨深げに締めくくった。
「木下恵介生誕100年祭」は、12月7日まで開催。
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木下監督は1950年代後半にいち早くテレビ界へ進出し、その手腕を発揮したことでも知られている。映像文化を研究する長谷教授は「映画とテレビはハリウッドでも、ものすごく結び付いている。木下さんは連続ドラマでプロデューサーをやって、ディレクターや脚本家など若い人を育ててきた。スピルバーグは80年代になってやっているが、木下さんは早すぎた」と、持論を述べる。
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「木下恵介生誕100年祭」は、12月7日まで開催。
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