人間関係とは、私たちが日常生活をする上で避けて通れないものです。いい人間関係を築ければ、毎日が快適で楽しくなったり、仕事がしやすくなったりします。その人間関係をつなぐツールが言葉や会話というコミュニケーション。話し好きの人もいれば、無口で話すのが苦手という人もいるでしょう。今回は、コミュニケーションに関するビジネスセミナーでご活躍中の松橋良紀さんに、ビジネスで役立つ会話術をおうかがいしました。
■話を聞かない営業マンにモノは売れない
――先生は、昔、営業マンをされていたころ、お客さまとのコミュニケーションでご苦労をされたとお聞きしましたが、その一番の原因は何だったのですか?
「営業マンになったばかりの私は、嫌われる人がやっていることをしていたので、売れませんでした。つまり、自分の言いたいことだけを話していたわけです。
でも、相手が話したいことをしゃべってもらってから、自分の話をするようになり、売れるようになりました。3年間も成績が上がらなかった私ですが、聞き方のルールを理解してから1カ月という期間でトップセールスになったのです。20万円だった給料が100万円になったのには、私もちょっと驚きました。
聞き方のルールを知っているか知らないかで、こんなに人生が変わってしまうこともあるということです」
まず、相手が話したいことをじっくり聞くということですね。聞き方には、ほかにどんなルールがあるのか楽しみになってきました。
■閉じる質問と開かれた質問
――仕事でもプライベートでも、初対面の人と会話が弾まなくて悩んでいる人も多いようですが、そんなときはどうしたらいいのでしょうか? すぐに使えるコツや、聞き方のルールがあったら教えてください。
「会話が弾まないのは、聞き方が下手な場合がほとんどです。
自分の思い込みで、『こんな話なら乗ってくるだろう』『ここで食いついてくれるだろう』という話を連発するから盛り上がらない。
相手にしゃべらせるためには、ほんの一言でも口を開いてくれたことに対して、しっかりしたリアクションをすることです。そして、口を挟まずに沈黙に耐えて、相手が話し出すのを待つことです。
沈黙を大事にできる人は、間違いなく聞き上手です。自分の言いたいことは、相手がベラベラしゃべり出したあとにしましょう。
また、会話をしているはずなのに、相手が『そうですね』とか『違います』というような返答しかしてくれないとしたら、それはあなたが閉じる質問(クローズド・クエスチョン)をしているからです。それでは会話が弾むはずがありません。
相手におしゃべりになってほしいときは、『~はどうですか?』『どうして?』というような、開かれた質問(オープンド・クエスチョン)をしてみてください。
あなたの質問が長ければ長いほど、相手の答えは短くなってしまうということを覚えておきましょう。『どんな』『どうして』という言葉で、質問を短くすればするほど、相手は反比例するように長くおしゃべりしてくれます」
質問を短くすれば、相手がおしゃべりになってくれるのですか! 会話が弾まないときに試してみたいですね。
■話を聞かない人は損をする?
――人の話を聞かないとか、話し過ぎてしまうのは改善できますか?
「トレーニング次第で改善できます。
セミナーなどで、『根本的に話を聞かないと損なんだ』ということを体感できると、変わります」
――「話を聞かないと損をする」。まさに先生は営業マン時代に体感されていますから、説得力があります。就職や転職などの「面接」での一問一答が苦手な人へのアドバイスをいただけますか?
「オウム返しで聞き返したり、質問をしたりして、しっかりしたリアクションをすることです。コミュニケーションスキルのレベルを、面接官はとても重要視しますから」
――なるほど。面接を受ける側も、面接官の質問に対して「○○ということですね。私は……」というように、一度、オウム返しで受けてみるのは、緊張した心に余裕もできそうですね。
先生は、新しいご著書を出されたということですが、今回はどのようなテーマで書かれたのでしょうか?
「2012年11月に『聞き上手はなぜ給料が高いのか』というタイトルの本が出版されました。売れる営業マンや売れる販売員はもちろん、出世していく人、給料が高い人は、みな聞き上手です。相手にべらべらしゃべらせて、好感を持たれる技術を集めた一冊です」
給料が高い人はみんな聞き上手ですか! それは興味津々ですね。
皆さんも、ぜひ、聞き上手になって、給料アップを目指しましょう。
松橋良紀(まつはし・よしのり)
1964年生まれ。コミュニケーション改善のスペシャリスト。営業心理学研修の専門家。人関係が苦手、人見知り、初対面が苦手な人でも数時間で激変させるコミュニケーションセミナー講師として活躍中。著書に「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)、「話さなくても相手がどんどんしゃべりだす「聞くだけ」会話術」(ダイヤモンド社)、「聞き上手はなぜ給料が高いのか」(ぱる出版)ほか多数。
Webサイト http://www.nlp-oneness.com/
(OFFICE-SANGA 布施裕子)
【関連リンク】
【コラム】似顔絵からみるコミュニケーションの極意
【コラム】コミュニケーション講師に聞く。間違いがちな敬語マナー
【コラム】ビジネスコミュニケーション講師に聞く。好感度を上げる会話
■話を聞かない営業マンにモノは売れない
――先生は、昔、営業マンをされていたころ、お客さまとのコミュニケーションでご苦労をされたとお聞きしましたが、その一番の原因は何だったのですか?
「営業マンになったばかりの私は、嫌われる人がやっていることをしていたので、売れませんでした。つまり、自分の言いたいことだけを話していたわけです。
でも、相手が話したいことをしゃべってもらってから、自分の話をするようになり、売れるようになりました。3年間も成績が上がらなかった私ですが、聞き方のルールを理解してから1カ月という期間でトップセールスになったのです。20万円だった給料が100万円になったのには、私もちょっと驚きました。
聞き方のルールを知っているか知らないかで、こんなに人生が変わってしまうこともあるということです」
まず、相手が話したいことをじっくり聞くということですね。聞き方には、ほかにどんなルールがあるのか楽しみになってきました。
■閉じる質問と開かれた質問
――仕事でもプライベートでも、初対面の人と会話が弾まなくて悩んでいる人も多いようですが、そんなときはどうしたらいいのでしょうか? すぐに使えるコツや、聞き方のルールがあったら教えてください。
「会話が弾まないのは、聞き方が下手な場合がほとんどです。
自分の思い込みで、『こんな話なら乗ってくるだろう』『ここで食いついてくれるだろう』という話を連発するから盛り上がらない。
相手にしゃべらせるためには、ほんの一言でも口を開いてくれたことに対して、しっかりしたリアクションをすることです。そして、口を挟まずに沈黙に耐えて、相手が話し出すのを待つことです。
沈黙を大事にできる人は、間違いなく聞き上手です。自分の言いたいことは、相手がベラベラしゃべり出したあとにしましょう。
また、会話をしているはずなのに、相手が『そうですね』とか『違います』というような返答しかしてくれないとしたら、それはあなたが閉じる質問(クローズド・クエスチョン)をしているからです。それでは会話が弾むはずがありません。
相手におしゃべりになってほしいときは、『~はどうですか?』『どうして?』というような、開かれた質問(オープンド・クエスチョン)をしてみてください。
あなたの質問が長ければ長いほど、相手の答えは短くなってしまうということを覚えておきましょう。『どんな』『どうして』という言葉で、質問を短くすればするほど、相手は反比例するように長くおしゃべりしてくれます」
質問を短くすれば、相手がおしゃべりになってくれるのですか! 会話が弾まないときに試してみたいですね。
■話を聞かない人は損をする?
――人の話を聞かないとか、話し過ぎてしまうのは改善できますか?
「トレーニング次第で改善できます。
セミナーなどで、『根本的に話を聞かないと損なんだ』ということを体感できると、変わります」
――「話を聞かないと損をする」。まさに先生は営業マン時代に体感されていますから、説得力があります。就職や転職などの「面接」での一問一答が苦手な人へのアドバイスをいただけますか?
「オウム返しで聞き返したり、質問をしたりして、しっかりしたリアクションをすることです。コミュニケーションスキルのレベルを、面接官はとても重要視しますから」
――なるほど。面接を受ける側も、面接官の質問に対して「○○ということですね。私は……」というように、一度、オウム返しで受けてみるのは、緊張した心に余裕もできそうですね。
先生は、新しいご著書を出されたということですが、今回はどのようなテーマで書かれたのでしょうか?
「2012年11月に『聞き上手はなぜ給料が高いのか』というタイトルの本が出版されました。売れる営業マンや売れる販売員はもちろん、出世していく人、給料が高い人は、みな聞き上手です。相手にべらべらしゃべらせて、好感を持たれる技術を集めた一冊です」
給料が高い人はみんな聞き上手ですか! それは興味津々ですね。
皆さんも、ぜひ、聞き上手になって、給料アップを目指しましょう。
松橋良紀(まつはし・よしのり)
1964年生まれ。コミュニケーション改善のスペシャリスト。営業心理学研修の専門家。人関係が苦手、人見知り、初対面が苦手な人でも数時間で激変させるコミュニケーションセミナー講師として活躍中。著書に「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」(明日香出版社)、「話さなくても相手がどんどんしゃべりだす「聞くだけ」会話術」(ダイヤモンド社)、「聞き上手はなぜ給料が高いのか」(ぱる出版)ほか多数。
Webサイト http://www.nlp-oneness.com/
(OFFICE-SANGA 布施裕子)
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