突然ですが、漫画のジャンルの中で”もっともハズレが少ないジャンル”は何だと思いますか? 個人的には「料理・グルメ漫画」だと考えています。
なぜなら、作者の”好きなものに対する情熱”をもっとも感じるのがグルメ漫画だからです。
もちろん、どんな漫画を描くのにも情熱は必要でしょうけど、その中でもグルメ漫画は特に「料理が好きだ!」という作者の熱い思いがないと描けないジャンルだと思うのです。
そんな情熱がほとばしる作品が面白くないわけないですよね。
ということで今回は食欲の秋ということで、電子貸本サイト「Renta!」から、極上のグルメ漫画を選び抜いてみました。
気軽に読めるカジュアルなエッセイ漫画から、熱いストーリーが展開する大ボリュームの名作まで、様々な作品を取り揃えましたので、どうぞご賞味くださいませ。
グルメ漫画といえばこの人の右に出る作家もそうはいないでしょう。
名実ともにグルメ漫画界の第一人者である土山しげるが放つ「喰いしん坊!」は、グルメ漫画としてはやや特殊な位置づけにある作品です。
というのも、本作のテーマは「料理」というよりも「食べること」にあるから。
そう、「喰いしん坊!」は”大食い”をテーマにした作品なのです。
少し前にTV番組で大食いブームがありました。
ジャイアント白田にギャル曽根など、数々のスターを輩出した大食い競技は、「食べる」ということがエンターテインメントにもなりうることを証明したのです。
「喰いしん坊!」はまさにそうした大食いの世界を土山しげる流に描いた意欲作。
趣味は食べ歩きというサラリーマン・大原満太郎が、全国トップクラスの大食いプレーヤーと勝負しながら大食いを極めていく様を熱いストーリー展開で描き出しています。
注目すべきは「大食い」をテーマにしながらも、決して汚い食べ方を推奨するものではなく、あくまでも美味しく味わいながらたくさん食べることを正道としていること。
土山しげる作品は料理を作る過程だけでなく、食べるシーンも非常に魅力的に描かれているのですが、本作はその「美味しく食べる」部分だけを抽出して膨らませたような物語です。
基本的には個性豊かすぎるキャラクターや荒唐無稽にも思えるハチャメチャなストーリーを楽しむ作品ですが、その一方で作中に語られる大食いのテクニックなどは意外にも(?)理にかなっており、「なるほど」とうならされること請け合い。
「たくさん食べるためのテクニック」が満載なので、逆に作中で「たくさん食べるためにやってはいけないこと」とされているやり方を実践すればダイエットにも役立ったりして?TFT(丹下フードファイター)やOKFF(大阪食い倒れフードファイター)といった、プロレスを思わせるネーミング、さらには登場人物も有名人に似せて描かれていたりと、作者の遊び心あふれる味付けも見どころの一つ。
24巻と長い作品ですが、一度読み始めると止め時が見つからなくなる面白い作品です。
日本は食に恵まれた国です。
海の幸に山の幸、四季それぞれで採れる旬の食材を活かした料理の数々は、この小さい国土のあちこちにバラエティに富んだ「ご当地グルメ」を生み出してきました。
そんなご当地グルメの中で、特に「名古屋グルメ」にフィーチャーしたエッセイ漫画が、本作「美味しい名古屋を食べに行こまい」です。
作者は名古屋近郊出身の漫画家、榊こつぶ。
知られているようで知られていない、奥の深い「名古屋メシ」を、単行本一冊分の分量をかけてじっくりと紹介してくれます。
ちなみに本作で紹介されている「名古屋メシ」のラインナップは、おなじみ「ひつまぶし」「きしめん」「天むす」「ういろう」「手羽先」「味噌煮込みうどん」といった有名なものから、「スガキヤ」「台湾ラーメン」といった名古屋ならではのお店グルメ、全国一豪華と名高い「モーニング」、「あんかけスパ」や「イタリアン」などのB級グルメ、さらにはネットでの知名度が高い「喫茶マウンテン」に至るまで実に様々!これらご当地グルメが生まれた経緯や、正しい食し方、名古屋人にとってどんな存在なのかという深い部分にまで踏み込んで、エッセイ漫画らしい軽いタッチで描かれた本作、読めば名古屋に行ってみたくなること間違いなしです。
料理漫画には2種類あります。
一つは料理人よる本格的な料理と、それを食べた人のリアクションを楽しむグルメ漫画。
そしてもうひとつは家庭で簡単に再現できて、しかもおいしいレシピを紹介してくれるハウツー漫画。
「激辛クッキング」は後者にあたる料理漫画で、「辛さ」に重点をおいた「激辛クッキング」と、「安く作れる」ことに重点をおいた「ぷち・ぷライス」の2本立て。
激辛クッキングはカレーや焼きそばといった日常的な料理をとにかく辛く、それでいておいしく作るレシピが満載で、ぷち・ぷライスの方は鶏皮や玉ねぎ、豆腐など安い食材をメインにしながら満足感たっぷりの料理を作るコツを教えてくれるのです。
もう一つのポイントは、いずれのストーリーでもアパートの隣の部屋に住んでいる美女が押しかけてきて、ちょっとしたラブコメのような展開になっていること。
サービスカットもたっぷり用意されていて、特に男性にとっては一粒で二度おいしい(?)作品となっています。
それはおいておくとしても、登場するレシピはどれも簡単で真似しやすいものばかり。
材料や作り方が毎回丁寧に解説されているので、料理のレパートリーを増やしたい人にもオススメですよ。
【拡大画像を含む完全版はこちら】
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なぜなら、作者の”好きなものに対する情熱”をもっとも感じるのがグルメ漫画だからです。
もちろん、どんな漫画を描くのにも情熱は必要でしょうけど、その中でもグルメ漫画は特に「料理が好きだ!」という作者の熱い思いがないと描けないジャンルだと思うのです。
そんな情熱がほとばしる作品が面白くないわけないですよね。
ということで今回は食欲の秋ということで、電子貸本サイト「Renta!」から、極上のグルメ漫画を選び抜いてみました。
気軽に読めるカジュアルなエッセイ漫画から、熱いストーリーが展開する大ボリュームの名作まで、様々な作品を取り揃えましたので、どうぞご賞味くださいませ。
グルメ漫画といえばこの人の右に出る作家もそうはいないでしょう。
名実ともにグルメ漫画界の第一人者である土山しげるが放つ「喰いしん坊!」は、グルメ漫画としてはやや特殊な位置づけにある作品です。
というのも、本作のテーマは「料理」というよりも「食べること」にあるから。
そう、「喰いしん坊!」は”大食い”をテーマにした作品なのです。
少し前にTV番組で大食いブームがありました。
ジャイアント白田にギャル曽根など、数々のスターを輩出した大食い競技は、「食べる」ということがエンターテインメントにもなりうることを証明したのです。
「喰いしん坊!」はまさにそうした大食いの世界を土山しげる流に描いた意欲作。
趣味は食べ歩きというサラリーマン・大原満太郎が、全国トップクラスの大食いプレーヤーと勝負しながら大食いを極めていく様を熱いストーリー展開で描き出しています。
注目すべきは「大食い」をテーマにしながらも、決して汚い食べ方を推奨するものではなく、あくまでも美味しく味わいながらたくさん食べることを正道としていること。
土山しげる作品は料理を作る過程だけでなく、食べるシーンも非常に魅力的に描かれているのですが、本作はその「美味しく食べる」部分だけを抽出して膨らませたような物語です。
基本的には個性豊かすぎるキャラクターや荒唐無稽にも思えるハチャメチャなストーリーを楽しむ作品ですが、その一方で作中に語られる大食いのテクニックなどは意外にも(?)理にかなっており、「なるほど」とうならされること請け合い。
「たくさん食べるためのテクニック」が満載なので、逆に作中で「たくさん食べるためにやってはいけないこと」とされているやり方を実践すればダイエットにも役立ったりして?TFT(丹下フードファイター)やOKFF(大阪食い倒れフードファイター)といった、プロレスを思わせるネーミング、さらには登場人物も有名人に似せて描かれていたりと、作者の遊び心あふれる味付けも見どころの一つ。
24巻と長い作品ですが、一度読み始めると止め時が見つからなくなる面白い作品です。
日本は食に恵まれた国です。
海の幸に山の幸、四季それぞれで採れる旬の食材を活かした料理の数々は、この小さい国土のあちこちにバラエティに富んだ「ご当地グルメ」を生み出してきました。
そんなご当地グルメの中で、特に「名古屋グルメ」にフィーチャーしたエッセイ漫画が、本作「美味しい名古屋を食べに行こまい」です。
作者は名古屋近郊出身の漫画家、榊こつぶ。
知られているようで知られていない、奥の深い「名古屋メシ」を、単行本一冊分の分量をかけてじっくりと紹介してくれます。
ちなみに本作で紹介されている「名古屋メシ」のラインナップは、おなじみ「ひつまぶし」「きしめん」「天むす」「ういろう」「手羽先」「味噌煮込みうどん」といった有名なものから、「スガキヤ」「台湾ラーメン」といった名古屋ならではのお店グルメ、全国一豪華と名高い「モーニング」、「あんかけスパ」や「イタリアン」などのB級グルメ、さらにはネットでの知名度が高い「喫茶マウンテン」に至るまで実に様々!これらご当地グルメが生まれた経緯や、正しい食し方、名古屋人にとってどんな存在なのかという深い部分にまで踏み込んで、エッセイ漫画らしい軽いタッチで描かれた本作、読めば名古屋に行ってみたくなること間違いなしです。
料理漫画には2種類あります。
一つは料理人よる本格的な料理と、それを食べた人のリアクションを楽しむグルメ漫画。
そしてもうひとつは家庭で簡単に再現できて、しかもおいしいレシピを紹介してくれるハウツー漫画。
「激辛クッキング」は後者にあたる料理漫画で、「辛さ」に重点をおいた「激辛クッキング」と、「安く作れる」ことに重点をおいた「ぷち・ぷライス」の2本立て。
激辛クッキングはカレーや焼きそばといった日常的な料理をとにかく辛く、それでいておいしく作るレシピが満載で、ぷち・ぷライスの方は鶏皮や玉ねぎ、豆腐など安い食材をメインにしながら満足感たっぷりの料理を作るコツを教えてくれるのです。
もう一つのポイントは、いずれのストーリーでもアパートの隣の部屋に住んでいる美女が押しかけてきて、ちょっとしたラブコメのような展開になっていること。
サービスカットもたっぷり用意されていて、特に男性にとっては一粒で二度おいしい(?)作品となっています。
それはおいておくとしても、登場するレシピはどれも簡単で真似しやすいものばかり。
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