倒産や赤字、閉館など、暗い話題が続く映画業界。そんな状況下、アニメを題材としたビジネスからは明るい声が聞こえてくる。特に顕著なのが、企業タイアップと街おこしだ。
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」フォトギャラリー
好例の1つ目が、「けいおん!」である。同作の劇場版とコラボしたローソンは、「映画 けいおん!」キャンペーンで約10億円の売上を記録。滋賀県豊郷町は、町内の古い建物が「けいおん!」の舞台とそっくりとの評判が広がり、“けいおん!”ファンが集まってきたことを機に、町や商工会が環境作りを進めた結果、人口約7,000人の町に年間5万人以上が訪れるようになった。
「映画ファンは劇場へ足を運び、パンフレットを買ってくれたりはしますが、それ以外にはなかなか手が伸びません。また、その作品のロケ地を訪れるというのも、美味しいものや温泉とセット、ショッピングとセットといった感じでプラスアルファがないと、ロケ地単体での集客は難しいです」と、関係者は話してくれた。
一方のアニメファンに関しては、「直接のアニメ担当ではないので、これまで見てきた感覚でしかないのですが、アニメファンは作品を心から愛しており、ファン同士で繋がることや話すことを厭わない気がします。作品という共通項があれば、すぐに仲良くなれるというか。また、グッズやソフトを買うことで作品を支えているんだ! そんな気合いが感じられます」。
そして、忘れてはならない好例2つ目が「ヱヴァンゲリヲン」だ。11月17日に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が公開されることもあって、その盛り上がりは絶好調。企業タイアップの数も、UCC上島珈琲、シック・ジャパン、富士急行、カルビー、全日本空輸、ユニクロ、日本中央競馬会、NTTドコモ、ローソン、参天製薬、ロッテリア、ルミネなど20社以上に及び、ひげ剃りメーカーのシック・ジャパンは売上前年比103.7%、参天製薬は目薬「サンテFX」で人類爽快化計画を展開して売上25%純増、全日本空輸は総額1億円の増収効果など、エヴァの威力は絶好調どころか、留まるところを知らない。
「テレビ版から好きな人、パチンコから入った人、新劇場版でエヴァを好きになった人など、エヴァのファン層はとにかく広い。だからこそ、企業もタイアップをするのだと思います。また、デザイン性の高い作品のため、グッズを作ったとしてもアニメファン向けのコテコテのものではなく、一見エヴァとは分からないようなもの――普通の生活で着れる、使えるものが作れる。ここはポイントが高いですよ。ライトファンの手がつい伸びてしまいますから」と、エヴァに関わったことのある関係者は口にする。
このように、一瞬の興行成績では実写映画に及ばないものの、タイアップやグッズ売上、聖地巡礼など、トータルで見ると上をいくアニメビジネス。現在、劇場版が公開中の「魔法少女まどかマギカ」はローソンやオリコカードなどとタイアップし、来年には販促アニメで大成功を収めた「美少女戦士セーラームーン」の新作アニメがスタートなど、注目作品が続くアニメ業界。この勢い、まだしばらく続きそうだ。
■関連記事
LiLiCoに有村昆、近ごろよく目にする「映画コメンテーター」の素朴な疑問
トレンディドラマ時代の女優が、なぜ今カムバック? その背景を探る
ユニークな割引制度から、映画業界の“今”が見えた
劇場版タイバニがより面白くなる!? 「TIGER & BUNNY」のこれまでを振り返る
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」フォトギャラリー
好例の1つ目が、「けいおん!」である。同作の劇場版とコラボしたローソンは、「映画 けいおん!」キャンペーンで約10億円の売上を記録。滋賀県豊郷町は、町内の古い建物が「けいおん!」の舞台とそっくりとの評判が広がり、“けいおん!”ファンが集まってきたことを機に、町や商工会が環境作りを進めた結果、人口約7,000人の町に年間5万人以上が訪れるようになった。
「映画ファンは劇場へ足を運び、パンフレットを買ってくれたりはしますが、それ以外にはなかなか手が伸びません。また、その作品のロケ地を訪れるというのも、美味しいものや温泉とセット、ショッピングとセットといった感じでプラスアルファがないと、ロケ地単体での集客は難しいです」と、関係者は話してくれた。
一方のアニメファンに関しては、「直接のアニメ担当ではないので、これまで見てきた感覚でしかないのですが、アニメファンは作品を心から愛しており、ファン同士で繋がることや話すことを厭わない気がします。作品という共通項があれば、すぐに仲良くなれるというか。また、グッズやソフトを買うことで作品を支えているんだ! そんな気合いが感じられます」。
そして、忘れてはならない好例2つ目が「ヱヴァンゲリヲン」だ。11月17日に「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」が公開されることもあって、その盛り上がりは絶好調。企業タイアップの数も、UCC上島珈琲、シック・ジャパン、富士急行、カルビー、全日本空輸、ユニクロ、日本中央競馬会、NTTドコモ、ローソン、参天製薬、ロッテリア、ルミネなど20社以上に及び、ひげ剃りメーカーのシック・ジャパンは売上前年比103.7%、参天製薬は目薬「サンテFX」で人類爽快化計画を展開して売上25%純増、全日本空輸は総額1億円の増収効果など、エヴァの威力は絶好調どころか、留まるところを知らない。
「テレビ版から好きな人、パチンコから入った人、新劇場版でエヴァを好きになった人など、エヴァのファン層はとにかく広い。だからこそ、企業もタイアップをするのだと思います。また、デザイン性の高い作品のため、グッズを作ったとしてもアニメファン向けのコテコテのものではなく、一見エヴァとは分からないようなもの――普通の生活で着れる、使えるものが作れる。ここはポイントが高いですよ。ライトファンの手がつい伸びてしまいますから」と、エヴァに関わったことのある関係者は口にする。
このように、一瞬の興行成績では実写映画に及ばないものの、タイアップやグッズ売上、聖地巡礼など、トータルで見ると上をいくアニメビジネス。現在、劇場版が公開中の「魔法少女まどかマギカ」はローソンやオリコカードなどとタイアップし、来年には販促アニメで大成功を収めた「美少女戦士セーラームーン」の新作アニメがスタートなど、注目作品が続くアニメ業界。この勢い、まだしばらく続きそうだ。
■関連記事
LiLiCoに有村昆、近ごろよく目にする「映画コメンテーター」の素朴な疑問
トレンディドラマ時代の女優が、なぜ今カムバック? その背景を探る
ユニークな割引制度から、映画業界の“今”が見えた
劇場版タイバニがより面白くなる!? 「TIGER & BUNNY」のこれまでを振り返る