先日ニューアルバム『wordwide』をリリースした、たむらぱん。近年は私立恵比寿中学など他アーティストへの楽曲提供やコラボレーションも頻繁に行なっている彼女が、最新アルバムで表現したこととは? インタビューで迫ります。
「ウレぴあ総研」でこの記事の完全版を見る【動画・画像付き】
’07年、日本初の“MySpace出身のシンガーソングライター”としてメジャーデビュー。独自の視点から生まれるリリック、ジャンルを超越したサウンドによって高い評価を得ると同時に、松平健(『マツケンカレー』)、私立恵比寿中学(『結果オーライ』『大人はわかってくれない』)といったアーティストへの楽曲提供、さらにビジュアル系バンドのSuG、アイドルグループのBABYMETALとともにイベントに出演(ライブレポート記事はこちら [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/8491 ] )するなど、幅広いフィールドで才能を発揮している“たむらぱん”。デビュー5周年を迎えた彼女はいま、自ら築き上げてきたポジションにしっかりとした手ごたえを感じているという。
「楽曲提供に関しては、デビュー前から“いつかやってみたい”って思ってたんですよね。それだけでも存在意義を感じられるタイプというか、自分が作ったモノを他の人が表現してくれるのも、すごく意味があると思うので。自分自身と作品を切り離したほうが、伸び伸びとモノづくりができると思うし、それが少しずつカタチになっているのは嬉しいです。
もちろん、“たむらぱん”としての活動がしっかり出来ていることが前提なんですけどね。それがないと、楽曲提供やコラボレーションのきっかけも生まれないだろうし」
10月にリリースされる5thアルバム『wordwide』(読み:ワードワイド)に収録された『でもない feat. Shing02』では、世界的な評価を得ているヒップホップ・アーティスト、Shing02とのコラボレーションが実現。これまでにもイギリスの大御所パンクバンド・SNUFF、椎名林檎の楽曲を手がけたことで知られる斎藤ネコなど、個性的なアーティストの共演を重ねてきた彼女だが、ここにも独自のスタンスが感じられる。
日本で活動していると、ジャンルの壁や先入観みたいなものを感じることが多い
「ヘンな偏見がなくて、そのまま受け入れてくれる人といっしょにやりたいんですよね。日本で活動していると、どうしてもジャンルの壁とか先入観みたいなものを感じることが多いんですよ。だからこそ、私自身や私の曲をフラットに受け取ってくれる人といっしょに制作するとすごく楽しいし、ちょっと大げさに言うと“救われた”っていう感覚もあって。コラボレーションって、音楽をいっしょに作るというだけではなくて、自分にとっての精神活動につながってるんだなって思いますね」
どこまでも自由に、どこまでも大きく自らのクリエイティビティを広げていきたい。そんな思いは『wordwide』に収められている楽曲『知らない』にも端的に示されている。「ロックなんて知らない ポップなんて知らない ファンクなんて知らない クラシックなんて知らない」というフレーズで始まるこの曲から伝わってくるのは、“カテゴライズされたくない”という強烈な意志だ。
「『wordwide』もそうなんですけど、“何のジャンルなのか、よくわからない”っていう印象もあると思うんですよ。ひとつのジャンルに長けていないっていうコンプレックスもあるし、細かく突っ込まれるとわからないこともたくさんあるんですけど、“でも、音楽をやってるんだもん”っていう(笑)。
大事なのは、いろんなことを感じながら繰り返していくことだと思うんですよね。制作とかアレンジに関しては慣れてきた部分もあるし、要領もわかってきたけど、それと同時に“飽きないように続ける”ということも必要だと思うし。そのうえで進化していければいいな、と」」
自分の作品の世界は、いい意味でも悪い意味でも劇的に変わることはない
数多くのトライ&エラーを繰り広げながら、“なんだコレ?”という驚きと誰もが楽しめるポップ感覚を併せ持った作品を生み出してきた“たむらぱん”。現在彼女は、自らの音楽の根本にある“言葉(=歌詞)”を改めて見つめ直そうとしている。『wordwide』は、その最初の成果と言えるだろう。
「前作の『mitaina』では、いろんなアーティスト、ミュージシャンに参加してもらったんですけど、それは“自分のなかで何かが劇的に変わるんじゃないか?”という期待があったからなんです。でも、そんなことはなかなか起きないんですよね、いい意味でも悪い意味でも。
もちろん、みなさん素晴らしいアーティストばかりだし、いっしょに音楽を作ることで得るものもたくさんあったんです。でも、やっぱり自分は自分というか、私自身の意思がある限り、作品の世界観が大きく変わることはないんだな、と。
だから今回のアルバムは、最初の頃に戻った感じもあるんですよね。アレンジとかサウンドが突出しすぎて、もともと大事にしていた部分(歌/歌詞)が伝わりづらくなるのもイヤだったし。ただ、歌詞を書くときの視点は変わってきてると思います。ここ数年は大きな視点から書くことが多かったんだけど、『wordwide』はもっと個人的というか、“対・誰か”に歌ってるものが中心なので」
11月に行われる全国ツアーに関しても、「音圧とか勢いで押すんじゃなくて、歌詞だったり歌だったり、伝えたいところをきちんと伝えられるライブにしたい」と話す彼女。自らのアイデンティティを見失うことなく、自らの音楽性を奔放に広げ続けるたむらぱんの存在は、停滞しているJ-POPシーンにおいて、さらに大きな意味を持つことになりそうだ。
「弾き語りでも成立する曲がいいなと思ってるんですよね、いまは。実際に作り始めてるんですけど、すごい難しいんですよ。まったくごまかせないし、間奏を長くするわけにもいかないし。どうしてもアレンジを凝ろうとしちゃうんですよ、私(笑)」
『TAMURAPAN ワンマンライブ全国ツアー』
11/09(金) 北海道:KRAPS HALL
11/15(木) 愛知:NAGOYA CLUB QUATTRO チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228193&afid=681]
11/16(金) 大阪:BIGCAT チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228551&afid=681]
11/24(土) 宮城:SENDAI CLUB JUNKBOX チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228587&afid=681]
11/25(日) 新潟:LOTS チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228477&afid=681]
11/28(水) 福岡:DRUM Be-1 チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1229016&afid=681]
11/30(金) 東京:SHIBUYA-AX チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1229024&afid=681]
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’07年、日本初の“MySpace出身のシンガーソングライター”としてメジャーデビュー。独自の視点から生まれるリリック、ジャンルを超越したサウンドによって高い評価を得ると同時に、松平健(『マツケンカレー』)、私立恵比寿中学(『結果オーライ』『大人はわかってくれない』)といったアーティストへの楽曲提供、さらにビジュアル系バンドのSuG、アイドルグループのBABYMETALとともにイベントに出演(ライブレポート記事はこちら [ http://ure.pia.co.jp/articles/-/8491 ] )するなど、幅広いフィールドで才能を発揮している“たむらぱん”。デビュー5周年を迎えた彼女はいま、自ら築き上げてきたポジションにしっかりとした手ごたえを感じているという。
「楽曲提供に関しては、デビュー前から“いつかやってみたい”って思ってたんですよね。それだけでも存在意義を感じられるタイプというか、自分が作ったモノを他の人が表現してくれるのも、すごく意味があると思うので。自分自身と作品を切り離したほうが、伸び伸びとモノづくりができると思うし、それが少しずつカタチになっているのは嬉しいです。
もちろん、“たむらぱん”としての活動がしっかり出来ていることが前提なんですけどね。それがないと、楽曲提供やコラボレーションのきっかけも生まれないだろうし」
10月にリリースされる5thアルバム『wordwide』(読み:ワードワイド)に収録された『でもない feat. Shing02』では、世界的な評価を得ているヒップホップ・アーティスト、Shing02とのコラボレーションが実現。これまでにもイギリスの大御所パンクバンド・SNUFF、椎名林檎の楽曲を手がけたことで知られる斎藤ネコなど、個性的なアーティストの共演を重ねてきた彼女だが、ここにも独自のスタンスが感じられる。
日本で活動していると、ジャンルの壁や先入観みたいなものを感じることが多い
「ヘンな偏見がなくて、そのまま受け入れてくれる人といっしょにやりたいんですよね。日本で活動していると、どうしてもジャンルの壁とか先入観みたいなものを感じることが多いんですよ。だからこそ、私自身や私の曲をフラットに受け取ってくれる人といっしょに制作するとすごく楽しいし、ちょっと大げさに言うと“救われた”っていう感覚もあって。コラボレーションって、音楽をいっしょに作るというだけではなくて、自分にとっての精神活動につながってるんだなって思いますね」
どこまでも自由に、どこまでも大きく自らのクリエイティビティを広げていきたい。そんな思いは『wordwide』に収められている楽曲『知らない』にも端的に示されている。「ロックなんて知らない ポップなんて知らない ファンクなんて知らない クラシックなんて知らない」というフレーズで始まるこの曲から伝わってくるのは、“カテゴライズされたくない”という強烈な意志だ。
「『wordwide』もそうなんですけど、“何のジャンルなのか、よくわからない”っていう印象もあると思うんですよ。ひとつのジャンルに長けていないっていうコンプレックスもあるし、細かく突っ込まれるとわからないこともたくさんあるんですけど、“でも、音楽をやってるんだもん”っていう(笑)。
大事なのは、いろんなことを感じながら繰り返していくことだと思うんですよね。制作とかアレンジに関しては慣れてきた部分もあるし、要領もわかってきたけど、それと同時に“飽きないように続ける”ということも必要だと思うし。そのうえで進化していければいいな、と」」
自分の作品の世界は、いい意味でも悪い意味でも劇的に変わることはない
数多くのトライ&エラーを繰り広げながら、“なんだコレ?”という驚きと誰もが楽しめるポップ感覚を併せ持った作品を生み出してきた“たむらぱん”。現在彼女は、自らの音楽の根本にある“言葉(=歌詞)”を改めて見つめ直そうとしている。『wordwide』は、その最初の成果と言えるだろう。
「前作の『mitaina』では、いろんなアーティスト、ミュージシャンに参加してもらったんですけど、それは“自分のなかで何かが劇的に変わるんじゃないか?”という期待があったからなんです。でも、そんなことはなかなか起きないんですよね、いい意味でも悪い意味でも。
もちろん、みなさん素晴らしいアーティストばかりだし、いっしょに音楽を作ることで得るものもたくさんあったんです。でも、やっぱり自分は自分というか、私自身の意思がある限り、作品の世界観が大きく変わることはないんだな、と。
だから今回のアルバムは、最初の頃に戻った感じもあるんですよね。アレンジとかサウンドが突出しすぎて、もともと大事にしていた部分(歌/歌詞)が伝わりづらくなるのもイヤだったし。ただ、歌詞を書くときの視点は変わってきてると思います。ここ数年は大きな視点から書くことが多かったんだけど、『wordwide』はもっと個人的というか、“対・誰か”に歌ってるものが中心なので」
11月に行われる全国ツアーに関しても、「音圧とか勢いで押すんじゃなくて、歌詞だったり歌だったり、伝えたいところをきちんと伝えられるライブにしたい」と話す彼女。自らのアイデンティティを見失うことなく、自らの音楽性を奔放に広げ続けるたむらぱんの存在は、停滞しているJ-POPシーンにおいて、さらに大きな意味を持つことになりそうだ。
「弾き語りでも成立する曲がいいなと思ってるんですよね、いまは。実際に作り始めてるんですけど、すごい難しいんですよ。まったくごまかせないし、間奏を長くするわけにもいかないし。どうしてもアレンジを凝ろうとしちゃうんですよ、私(笑)」
『TAMURAPAN ワンマンライブ全国ツアー』
11/09(金) 北海道:KRAPS HALL
11/15(木) 愛知:NAGOYA CLUB QUATTRO チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228193&afid=681]
11/16(金) 大阪:BIGCAT チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228551&afid=681]
11/24(土) 宮城:SENDAI CLUB JUNKBOX チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228587&afid=681]
11/25(日) 新潟:LOTS チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1228477&afid=681]
11/28(水) 福岡:DRUM Be-1 チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1229016&afid=681]
11/30(金) 東京:SHIBUYA-AX チケット購入 [ http://ticket.pia.jp/pia/event.do?eventCd=1229024&afid=681]
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