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高橋惠子「新たな女優人生始まる」23年ぶり主演映画が封切り

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 女優の高橋惠子が11月10日、東京・渋谷のユーロスペースで行われた主演作「カミハテ商店」の初日舞台挨拶に、共演する寺島進、水上竜士、平岡美保、メガホンをとった山本起也監督とともに登壇した。高橋にとっては「花物語」(1989)以来23年ぶりの主演映画で「私にとっては記念碑のような作品。ここから新たな女優人生が始まる気がする」と感無量の面持ちだった。

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 山陰の小さな港町・上終(カミハテ)を舞台に、自殺の名所となった崖近くで商店を営む主人公の目を通し、現代の死生観を問いかける人間ドラマ。千代(高橋)は自殺を決意した人々を止めることなく、彼らに人生最後の食事となるコッペパンを売り、崖に残された靴を持ち帰る日々を送る……。6月にチェコで開催された第47回カルロビ・バリ国際映画祭のメインコンペティション部門に招待された。

 初老の女性役に“老けメイク”で挑んだ高橋は「スッピンなのはもちろん、いかに肌色をくすませ、しわを増やせるか苦労した」。さらに「笑うこともなく、歩くのもゆっくり。うっとうしい感じを意識した」と役作りを述懐。そして「前半は『これって何なの?』と思うほどテンポもゆっくり。変わった映画ですが、いろんな妄想を膨らませてほしい」とアピールした。

 寺島とは姉弟役として初共演したが、「もっと共演したかった」(高橋)。脚本も手がけた山本監督が「変わったことがしたくて、高橋さんと寺島さんを徹底的にからませないようにした」と説明すると、寺島は「いやな性格してるよ。結構ガンコで、本当に真面目。もうちょっとサービスがあってもいいのに」と笑った。

 京都造形芸術大学とプロのスタッフ・キャストがタッグを組む北白川派映画の第3弾作品。山本監督は「予算が少ないなか、『できることは何でもやろう』と現場が一丸となった。学生とのプロジェクトだが、お客様から入場料をいただくからには言い訳もできない。覚悟をもって作った映画です」と劇映画デビュー作の封切りに気を引き締めていた。

【作品情報】
カミハテ商店

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