イタ飯ブームの立役者・落合務、人生を変えた三皿とは？『仕事学のすすめ』

　最前線に立つ各界の著名人に「リーダー論」「組織論」「人材育成論」などを自らの実践や経験をもとに語っていただく『仕事学のすすめ』（NHK　Eテレ）。11月は、イタリアンの第一人者としてメディアでも引っ張りだこの落合務シェフの料理哲学や経営、そして人材育成術を学ぶ！

　日本に「イタメシブーム」を巻き起こした立役者である落合。オーナーシェフを務める銀座のレストランは「日本一予約がとりにくい店」と評判だ。店のスタイルは、ディナーで3990円のプリフィクス。前菜、パスタ、メインを60種類以上のメニューから、何を選んでも追加料金は一切なし。イタリア料理の伝統を大事にしつつ、季節の食材をふんだんに取り入れた料理は、根強いリピーターを生んできた。7月富山にオープンしたばかりの新店を含め5店舗を展開する経営者でもある落合。人生を変えた料理や店の看板料理を披露しながら、その料理哲学や経営術、人材育成術を語る。

　11月8日（木）第2回目の放送は「人生を変えた三皿」と題しお送り。帝国ホテルの村上信夫シェフに憧れ、フランス料理の修業をしていた落合。飛行機の乗り継ぎの都合でたまたま立ち寄ったイタリアで、「シンプルなのに毎日食べても飽きない奥深いイタリア料理」に出会ったことが人生を変えたという。レストランの厨房に飛び込んで片言のイタリア語で「わたし日本人、ここで働かせてくれ、給料いらない、飯だけ食わせてくれ」と訴えては修行させてもらうことに。学んだ先はローマからシチリアまで20軒を超えた。帰国後、赤坂の高級イタリア料理店の料理長を任されるも、当時はまだまだ本格イタリア料理は日本人になじみがなく、「パスタに芯がある」「オリーブ油のにおいが嫌い」等々と評判は散々。月々百数十万もの赤字が累積していく…。

　落ち込む落合を支えてくれたのが、「お前が学んできた味を変えるな」と励ましてくれたオーナーと、落合の味を認めてお客を連れてきてくれた一人のイタリア人、そして修行時代にせっせと記し続けた二十冊を超えるレシピノートだった。落合の人生を変えた三皿を味わいながら、その料理人生をたどる。

【出演】　落合務　　イタリア料理店オーナーシェフ
1947年東京生まれ。78～81年イタリア各地のレストランで修業を積む。82年、赤坂にオープンした高級イタリア料理店の料理長に就任。97年、銀座に自分の店をオープン。2005年、イタリア大統領より「イタリア連帯の星」勲章・カヴァリエーレ賞を授与される。09年、日本イタリア料理協会会長就任。

トランスレーター（聞き手）野田稔（明治大学大学院教授）

■『仕事学のすすめ』落合務　日本一予約がとれない店の秘密＜全4回＞
2012年11月8日（木）23:00～23:24（NHK　Eテレ）